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第二百三十話
しおりを挟むやっと種を植えることができて皆うきうきと世話をしている。
次の機会を待っている3つ目、4つ目の大陸のエルフさんたちも手順を覚えるために参加しているので爺さんのところも人手は足りているようだ。
うちの里の精霊樹より条件が良さそうなのですぐに芽が出るんじゃね?
簡易聖水を使ったり、大精霊が居たりで好待遇だよね。
「どちらかと言えば次の種のためにうちの子の負担を減らしてるのよ。
今回の子たちはおばばたちの精霊樹と同じくらいの成長速度じゃないかしら。」
ミュリエルによるとすぐには芽が出ないようだ。
負担を減らすと言うよりどんどんうちの精霊樹に魔力を与えてるようにも見えるけど。
精霊王も少し育ったようだし。
その精霊王や大精霊が俺にピタッとくっ付いている。
今回は魔力を吸収するのではなく、アダマンタイト加工のために魔力を供給してくれるのだ。
その後でまた魔力をあげることにはなりそうだけどな。
今回はどのくらいのアダマンタイトの針金が作れるかのお試しなので、全力は注がない。
急に俺を通して全力の魔力を入れられても危なそうだしな。
その見極めのためにもミュリエルに立ち会ってもらうのだ。
「精霊王たちももらい慣れているからナギサの限界を知っているわ。
加減を間違うことはないとは思いますけどね。
少しくらい多目の方がナギサの魔力量を増やすことにも役立つわよ?」
風船のように入れ過ぎて破裂することが無いのなら良いけどさ。
いきなり沢山の魔力を扱うのも疲れそうじゃない?
とりあえずアダマンタイトの塊りから必要な分を切り出すことから始めよう。
小さいものからと思ったら、精霊王がもっと大丈夫だと量を増やすように言って来る。
魔力関係なのでお任せしますけどね。
俺は大丈夫なのね?
結構大き目なので手持ちのアダマンタイトが足りなくなるんじゃね?
刀の分はどこかから追加しないと無理かね。
恐る恐るだけどゆっくりアダマンタイトが変形して行く。
これなら1,5mくらいにはできそうだ。
精霊王が急かして来るので徐々にスピードを上げた。
様子を見ながらなんだから焦らせないでよ。
創造魔法に精霊王たちの魔力を使うことには成功した。
大部分が元々俺の魔力だったりするからか、トラブルも起こらなかった。
「これなら杖はすぐにでも作れそうね。
これからエルフたちが補充する魔力でも違和感なく使えると良いわね。
精霊王たちを一度通すのだから大丈夫だと思うけれど。」
出来上がったものは針金なのに硬いな。
刀の場合は焼きも入れるから、そっちの方が難易度高そうだ。
まずは針金化に成功した。
何本か合わせて最後にまた変形させるのも大丈夫そうだ。
終わった途端に精霊王は俺の魔力を吸収し始めた。
大精霊たちは外でエルフさんたちからもらうようだ。
これなら俺の負担もそれ程では無いか。
「刀を作るころにはナギサの魔力量も増えて問題無く作れるようになるのではなくて?
アダマンタイトの鉱石を調達しなくてはいけないわね。
鉱石のダンジョンの探索も進んでいるはずですから、そろそろ獲れるようになるかしら。
他のエルフの里で持っていないかも聞いておくわね。」
このアダマンタイトの塊りは2つ目の大陸のエルフさんからもらったんだっけか。
後で爺さんのところにも無いか聞いておくか。
教会なら訳の分からないものを持ってる可能性は有るよね?
一旦アダマンタイトは置いておいて、若木に育つ前に各地の教会を作る準備に戻る。
まだまだアマリア様の像が足りないしな。
作り慣れて来たのでその内少し小さいものを爺さんに売り付けよう。
各地で神像のための寄進を集めておくようにも言っておかないと。
爺さんたちにその資金はまだ無いだろう。
新たな神像で寄付を集めてカッセル商会へ借金返してね。
アダマンタイトを持ってるなら買い取るし。
「爺さんのところの神官たちは鉱物のダンジョンで修行するようにしましょうか。
アダマンタイトでなくても借金返済は捗るでしょう?
王国の騎士団もそのダンジョンに入っているみたいだけれど、神官たちならもっと深い階層に行けるでしょう。
両方とも商会への借金返済で大変ね。」
王国の騎士団はどちらかと言うと、騎士団長の意向でミスリルを集めていそうだけどな。
またミスリルの剣を作れと言って来るのだろう。
持ち込まれても大部分が借金返済と製作代金に回されるから、またメッキの剣になるぞ?
ミスリルの輝きが有れば騎士団長は満足するのだろうけど。
「ミスリルの剣ももう一段くらい性能が上がっていそうよね。
刀を作る前に鍛冶の勘を取り戻すために打ってもらおうかしら。
ヒヒイロカネやアダマンタイトを一部混ぜることもできるかもしれないわ。
1段どころじゃなくて性能が上がるわね。」
俺の魔力量も増えて、恐らく手持ちの神の力も増やされてるよね。
確かに性能が上がりそうだ。
他のものを作るのも捗りそうだ。
空いた時間で大き目の旅客機でも作っておこうかな。
「ショッピングセンターの拡張もするわよ。
ミランダのところに出店希望が沢山来ているらしいわ。
誘ったときの断ったところは後回しにすると言ってるのだけれどね。」
次の種が生るまでは時間が有りそうだから、増えた魔力を色々試せそうだ。
ついでに鉄道でも作っちゃう?
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