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第二百二十七話

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昨日の続きで俺は大聖堂でアマリア様の像を作っている
精霊王や大精霊に魔力を吸い取られながら。
どうやら神の力の溢れている大聖堂内だと効率が良いらしく、精霊王に朝から連れて来られたのだ。
アマリア様の力と俺の持っている先代の神の力は別もののはずなのに、そこは神の力と一括りにして良いものだろうか。
精霊王たちにとっては変わらないものなんだろうか。

「むしろ混ざっていた方が精霊王たちには都合が良いのではなくて?
良いとこ取りで精霊王たちが選んで吸収できるのだから効率は上がるわね。
最初から大聖堂の中で魔力を吸収させれば良かったわ。」

ミュリエルの一言でこれからも大聖堂で精霊王たちへの魔力供給が行われることが決まった。
どんどん俺の活動範囲が限定されて行くような。
とは言え、教会を建てるためにアマリア様の像を作っているのだし、若木が育てば変わるだろう。

「それでも魔力供給は終わらないわよ?
精霊樹が十分に育つまでは必要とされるわ。
いえ、育ってからも花を付けたり種を生むために必要になるわね。」

魔力供給が終わらないじゃん。
もらっている先代の力も尽きることが無さそうだし。
元々強力だからと分割でもらっているのだけれど、知らない内に補充されているらしい。


アマリア様の像が完成してとりあえずの置き場に安置すると大精霊が1体、像に取り付く。
作っている間は興味を持って無いみたいだったのに、置いた途端に割り当てが決まるのだろうか。
相変わらず種の順番とかには関係無いようだ。
一体誰が決めているやら。

「何となく自分のだと分かるようよ。
ポーズ以外に違いが無いのに凄いわね。
後で何か違いが出て来るのかしら。」

作っている俺としては性能に差は無いと思うのだけど。
神や大精霊たちの力が浸透すれば変わるのだろうか。
やがて神の力をバラ撒いてくれれば良いのだから、それほど差が出るとも思えないな。

「そうね、神の力を仲介するようなものだから差は無いわよね。
ほらほら、どんどん作ってあげないと待っている大精霊たちが可哀そうよ。」

待っている間も俺の魔力を吸収してるけどな。
像を作るのに気を取られているから大精霊たち何周しているのかも分からない。
合間に寝室行きが入るくらいなのだから何度も持って行ってるよね?

「今3周目かしら。
精霊王が多く持って行くのは変わらないのね。
ナギサも像を作りながら2周はもつようになったのだから魔力量は順調に増えているわ。
アダマンタイトの針金も結構長く加工できるようになっているのではなくて?」

毎日精霊王たちに魔力を取られているからアダマンタイトの加工はできていないからな。
そして加工作業ができるようになるのは遠そうだ。

「仕方ないわよね。
今は精霊樹を育てることが優先よ。
魔力量を増やしてから加工を始めるのだから丁度良いわよね。」

まあ、そうなんだけど、これもアマリア様の予定の内かね。
無理っぽい注文をして来たのだから時間が掛かるのは承知の上だろうし。
精霊樹を優先するのも一緒だろう。

「大精霊たちも十分に魔力をもらっているから種もそろそろね。
結局襲撃の影響はそれほどでも無かったわ。
ナギサの負担が少し増えたみたいですけれど。」

俺の負担増は少しなのか?
襲撃での消費分を丸ごとリカバーしているような。
俺こそがその襲撃してきた国へ報復すべきだったか?

「ナギサがやるとシャレに成らない結果になるのでしょう?
国を物理的でないのに根本的に壊すなんて、何も知らない民たちが可哀そうでしょう。」

手を出して来たらこちらも物理的に反撃するけどな。
遠方からレーザービームで薙ぎ払ってやる。

「エルフたちが十分報復したのだから良いでしょう?
反撃もできずに壁の中に閉じ込められているそうよ。
爺さんのところの神官が事情を流しているから、その内王侯貴族が潰されるわ。」

内戦になる前に止めてやれよ?
援助物資の消費が増えるだけだぞ。
爺さんのところの援助だけで間に合う程度で勘弁してあげて。
俺たちが救済する義理は無いし。
今までの国にも義理は無かったけどな。
主にミランダの恩情で難民たちの保護をしていただけで。

「爺さんたちが領ごとに壁を作って分断してしまうようよ?
その領で難民を受け入れられるようにして片付ける方針みたいね。
少しは楽をすることを覚えたようだから、酷いことになる前に終わるでしょう。」

爺さんも捨てることを覚えたか。
全部を救済するのは無理だと分かったのだろうな。
一部地域は酷いことになるのだろうけど。
それでも瘴気が増える地域を限定することで処理を楽にできるだろう。

俺がやるなら王都辺りを犠牲にするけどな。

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