上 下
222 / 261

第二百二十三話

しおりを挟む

精霊樹の種がそろそろと言うことで、植える予定の里の大精霊たちが四六時中見守っている。
一度アマリア様に預けて代わりの種をもらうのだから、生っているのをもらう訳じゃないのよ?
それとも実は交換したと俺が思っているだけで、一瞬でアマリア様の力を込めて返すだけなのだろうか。

「そんな訳ないでしょう。
いくら神でも一瞬であれ程の力は籠められないさ。
何年も神界に在ったものだぞ。」

セラフィナたちから見れば別物と分かるのか。
と言うことは大精霊たちも分かってて見守ってるのか?
いや、前回の種のやり取りを知らないか。

「精霊たちから聞いているだろうから知っているはずだ。
自分の担当ではなくても立派に育つように見守っているのだろう。
アマリアがいくつ保管しているのかは知らないけれど、すぐにでも次の精霊樹として送り出せるように大精霊の力を込めているのではないか?
次に控えている大精霊たちも参加しているだろう?」

他の大精霊や精霊王も見守りに参加していたか。
ここの精霊樹のようなペースで種が生るなら結構な数の種をアマリア様が持ってそうだけどな。
こんな本数を一度に育てる例は無かったと聞いたし。

「いつもは精霊たちだけでやっていたけど大精霊たちが参加すると影響は大きそうだな。
確実に精霊樹に育つのではないか?」

精霊さんがいつもはやってたのね。
大精霊たちになって見えるようになっただけか。

「あと数日で種が採れるのだろう。
精霊王も浄化に出掛ける気は無いようだぞ。
ナギサの魔力を吸い取るのは変わらないけどな。」

道や村の建物を作る魔力を使わないだけ俺の魔力の減りは緩やかだけど。
どちらにしろ若木が育つまでは吸い取られるのだろう。

「その後も次の種が来るのだから終わらないぞ?
休みは今予定している4つ目の大陸まで植えてからだな。」

その後も増えそうな気配だけどな。
魔力供給源としての俺の仕事は終わらないか。


大精霊たちもおばばやエルフさんたちから魔力をもらっているようだ。
消費予定が立て込んでるのね?

種を植えるのも近いからか。
精霊王は相変わらず俺の魔力だけを受け取っている。
他の皆も上げたそうにしてるんだから受け取ってあげろよ。

「ナギサの嫁たちなら神の力も少しは持ってるから受け付けるみたいだぞ。
わたしは妊娠中だから吸い取るのを遠慮しているみたいだがな。」

神の力入りの魔力ならば吸い取ってるのか。
嫁たちは皆魔力量も増えてるから大丈夫かな。

「ナギサには精霊王がくっついているから大精霊たちは嫁たちからもらっているぞ。
嫁の人数増やしておいて良かったな。」

精霊樹を育てるには神の力が多い方が良いもんな。
俺のところにもらいに来る大精霊は不足気味なのかね。

「一応精霊王には遠慮しているのだろうけど、精霊樹のためには必要だからな。
精霊王もそれが分かってるから限界まで吸い取らないだろう?
大分ナギサの魔力量も増えているから大丈夫だ。」

増えれば増えた分だけ持って行かれるけどな。
大精霊たちが里に帰ってもたまに吸い取りに来たりするのだろうか。

「交代で来るんじゃないか?
各里にも嫁を増やした方が良いぞ?」

セラフィナまで嫁を増やすことを推奨するか。
それが精霊樹のためなのはセラフィナらしいけど。

「精霊樹の花入り魔石が行き渡るまでは仕方ないな。
まあ、今予定してる分が植え終われば急ぐ必要も無くなるから落ち着くだろう。」

それでも魔石に込める魔力を補充に来そうだけど。
各里に教会を作ればそれも緩和されるか?

「そうだな、やはり教会は作らないといけないな。
アマリアのためにもなるのだから良いんじゃないか?
爺さんに神官の派遣を頼まなくても建物と神像さえ有れば十分だろう。」

どちらかと言うと信仰のための教会じゃないからな。
エルフさんたちにすれば大精霊と精霊樹のためだし、そうなれば世界のため、アマリア様のためでもあるわな。

今回の種を植えたら教会を作りに周るか。
3つ目4つ目の大陸なら浄化の手助けにもなりそうだし。

「おばばたちのところに教会を建てれば花が咲くのも早まるかもしれないな。
そうすれば花入り魔石も増やせるし上手く回りそうだ。」

魔石と花の入荷状況次第だけど、俺の手間が減るのは歓迎よ?
教会を建てるとか花の魔石を作るとか、仕事増えてるけど。

しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

死んで全ての凶運を使い果たした俺は異世界では強運しか残ってなかったみたいです。〜最強スキルと強運で異世界を無双します!〜

猫パンチ
ファンタジー
主人公、音峰 蓮(おとみね れん)はとてつもなく不幸な男だった。 ある日、とんでもない死に方をしたレンは気づくと神の世界にいた。 そこには創造神がいて、レンの余りの不運な死に方に同情し、異世界転生を提案する。 それを大いに喜び、快諾したレンは創造神にスキルをもらうことになる。 ただし、スキルは選べず運のみが頼り。 しかし、死んだ時に凶運を使い果たしたレンは強運の力で次々と最強スキルを引いてしまう。 それは創造神ですら引くほどのスキルだらけで・・・ そして、レンは最強スキルと強運で異世界を無双してゆく・・・。

異世界召喚されたと思ったら何故か神界にいて神になりました

璃音
ファンタジー
 主人公の音無 優はごく普通の高校生だった。ある日を境に優の人生が大きく変わることになる。なんと、優たちのクラスが異世界召喚されたのだ。だが、何故か優だけか違う場所にいた。その場所はなんと神界だった。優は神界で少しの間修行をすることに決めその後にクラスのみんなと合流することにした。 果たして優は地球ではない世界でどのように生きていくのか!?  これは、主人公の優が人間を辞め召喚された世界で出会う人達と問題を解決しつつ自由気ままに生活して行くお話。  

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

勇者PTを追放されたので獣娘たちに乗り換えて楽しく生きる

まったりー
ファンタジー
勇者を支援する為に召喚され、5年の間ユニークスキル【カードダス】で支援して来た主人公は、突然の冤罪を受け勇者PTを追放されてしまいました。 そんな主人公は、ギルドで出会った獣人のPTと仲良くなり、彼女たちの為にスキルを使う事を決め、獣人たちが暮らしやすい場所を作る為に奮闘する物語です。

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。

猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。 そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。 あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは? そこで彼は思った――もっと欲しい! 欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。 神様とゲームをすることになった悠斗はその結果―― ※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

処理中です...