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第二百十六話

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2つ目の大陸では精霊樹を植える準備が終わっている。
聖水漬けの爺たちも大精霊の誕生を聞かされて改心したそうだ。
会わせてはもらえていないらしいが。

「種の方は少し早まって1週間後くらいかしらね。
それから若木を育てるのだから持って行くのにはひと月は掛かるのではなくて?」

ミュリエルの計算ではひと月以上先のようだ。
爺さんの国へ持って行くのも一緒だな。
爺さんの国へと転移陣を繋げたから帰って行ったけど、無かったらずっと居るつもりだったのかね。

「問題は大精霊たちがそんなに待てるかどうかね。
無理やり期間を短縮しようとするかもしれないわ。
十分な魔力を与えるのも善し悪しよね。」

大精霊たちは沢山居るから協力し合うかもしれないしな。
自分の精霊樹が欲しいって気持ちは分かるのだろうから。

「それでも焦って予備になってしまう危険を冒さないだろう。
その辺は大精霊たちも分かってるさ。」

セラフィナは自分の経験的に自重すると思っているようだ。
うちの里の精霊樹のときも俺に過剰なヒールを要求したりしなかったしな。

「そうね、でもあれだけの数の大精霊が居ると分からないわよ?
出し抜こうと言う気持ちはないでしょうけれど。」

その辺は人とは違ってさすがの大精霊だろう。
誕生したばかりとは言え、分別は有る。

「それも精霊王が調整してくれるんじゃないか?
王だけあって大精霊を抑えられるだろう。」

見た目は幼いけど曲がりなりにも精霊王だからな。
きっと調整役もできるはず。
あまり大精霊たちから敬われている感じはしないけどな。

「それでも力の差が有るからな。
戦うことはないとは思うが抑え込むくらいはするだろう。」

大神殿横に在る精霊樹から生まれたこともあり、俺の魔力を誰よりも受けていることもあり強いのだろうな。
下手に力を解放するとそれはそれで精霊樹の成長に影響しそうだけど。


「まあ、普通にひと月掛かるとして予定を組んでいるからな。
2つ目の大陸の者たちもそのつもりで居るはずだ。
その後の3つ目、4つ目の大陸の種の方に注力してくれると良いのだけどな。」

新たな精霊樹の急成長よりも今あるおばばたちの精霊樹が実りを付ける方に力を使ってもらいたいか。
もしくはうちの精霊樹が連続で花を咲かせるように?
精霊王と精霊樹が力を貯めているのはそのためだものな。

「おそらくこの子の種を使うことになると思うわ。
おばばたちの精霊樹ではまだ力が足りないわ。
大精霊も精霊王を優先して強化しているみたいですし。」

ちょうど寄って来た精霊王を捕えてミュリエルが言っている。
もはや精霊王も精霊樹もこの子扱いなのか。
敬ってはいる扱いなんだろうけど。
そのまま俺にくっつかせて魔力供給を促してるし。

「そうなるとまた花を咲かせるのは早くなりそうか?」

セラフィナが精霊王に質問しているけど精霊王は首を傾げている。
分からんのかい。

「そうか、まずは今の種が無事生ってからの話だったな。」

言葉じゃ無くて分かっちゃうのかい。
さすがに精霊さんと付き合いの長いエルフさんだけある。
ミュリエルも理解して良そうだ。

もしかして言葉でコミュニケーション取れるとか思ったのは俺の勘違い?
テレパシーだか念話だかで話してる?

「何となく言いたいことが分かるだけよ。
この子だって話せるわ。」

何となくも念話っぽいけどな。
精霊王は声を出していないだけかよ。

必要な会話は俺との間に無さそうだから良いけど。

「当分は魔力のことだけでしょうから勝手にくっついてくるわ。
そのうち花の魔石のように必要なものができれば話して来るでしょう。」

精霊王も同意して頷いているので当分声は聴けないようだ。
まだ花を封じた魔石のようなアイテムが必要になるのかね。
精霊王もアダマンタイトの杖を付けろとか言わないよな。

精霊王が首を振っているけど俺の考えを読んじゃうのか。
そのうち俺にも精霊王の思ったことが伝わるのかね。

「もうナギサの魔力が浸透しているから分かるはずですけどね。
慣れていないだけではなくて?」

アマリア様のように思いっきり脳内に話し掛けてくるのとは違うのか?
何となくだからもっと軽いのだろうな。
まあYes、Noだけなら首を振る方向で今のまま分かるわな。
具体的な何かを要求されたときに何となくで分かるのかね?

「魔力をあげるときにコミュニケーションを取るようにすれば良いでしょう。
精霊樹の様子でも教えてもらえば良いじゃない。」

そうして慣れて行くしかないか。
共通の話題は精霊樹くらいだしな。

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