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第二百一話
しおりを挟む俺が魔力供給するなら精霊王も現れるだろうと言うことで、エルフさんたちから時間を決めるように言われた。
ぜひとも姿を見て魔力を与えたいのだそうだ。
皆が時間有りそうなお昼時、食堂に行くときで良いか。
お仕事の人も昼休憩を取れるだろう?
「魔力が十分になればいつでも出て来るようになるだろうから、しばらくの間だけだろう。
そうすれば時間を気にしなくても良くなるぞ。」
セラフィナが一番気にしていたみたいだけどな。
うちの里の精霊樹の精霊と言うことで特別なのかもしれない。
基本的に俺は毎日何かを作っているか、魔力回復に寝室へ行っているかなのでスケジュールはどうにでもなる。
寝室行きのお相手のスケジュールの方が優先されたりするからな。
各里へのヒール巡りを終えているので出掛ける予定も無いし。
魔力供給を一気に終わらせないで時間掛けるようにすれば良さそうだな。
昼目前に精霊樹の下へ来た。
昨日見られなかった人もやって来ているのか大勢が集まっている。
俺が近づいただけで精霊王は出て来た。
気の早いものは既に魔力を渡し始めている。
このまま俺が供給しないでいれば皆が供給できる?
「可哀そうでしょう。
さっさと魔力をあげなさいな。」
ミュリエルに怒られた。
待ての状態で居るのも悪いので供給しますか。
それでも精霊樹に与えてたのと同じくらいに抑えてだけどな。
周りのエルフさんたちも代わる代わる魔力を与えている。
精霊王も今日は素直に受け取っているみたいだ。
「大量の魔力が要るのだからナギサだけでは足りないと分かったのでしょう。
大精霊たちと比べて姿も幼いことに気付いたのね。
神の力入りの魔力だけを選り好みしている場合ではないと思ったのでしょうね。」
神の力で純粋育成したらとんでもない精霊になりそうだから、そこは諦めてくれ。
それにしても魔力を与えるほどに精霊樹の輝きが増しているような?
「この子も精霊樹の中では特別なのよ。
わざわざアマリアが選んでナギサに与えたのよ?
久しぶりの精霊樹になるだけではなく、世界を立て直す先駆けになるの。
最悪、この子だけでも立て直せるようにしているはずよ。」
一応、他の種は予備に育つかもしれなかったもんな。
数百年ぶりの精霊樹と言うことで厳選された可能性は有る。
先代神の力が注がれることも織り込まれていただろうし。
結局他の里の精霊樹にも注いでるけど、この精霊樹には大量に注いでいる。
特別になるべくしてなっているのだな。
精霊王は他の人のところも回りながら魔力を受け取っている。
俺がそのまま精霊樹に注いでいるので過剰になりそうだけど、大丈夫なんだな。
「さすがに精霊王だけあってこのくらいでは全然足りないわよ。
精霊樹にも精霊たちにも流しているから少ないくらいよ。
ナギサももう少し多めにあげて構わないわ。」
周囲に魔力が溢れているからアダマンタイトが集めて来る魔力も多い。
精霊王にあげたアダマンタイトの指輪も沢山集めているはずだよな。
大勢から捧げられてるのに許容量が天井知らずみたいだ。
大精霊の上の精霊王ともなればこんなものかね。
「そのうち神の力を欲してナギサの側に控えるようになるかもしれないわね。
姿を消されたらナギサでは気付けないわよね?」
魔力を吸い取られてたら気付きそうだけどな。
致してる現場は神の力も魔力も溢れていそうだから忍び込まれそうだな。
「あの瞬間は他の者に与えられる力だから割り込むようなことはしないはずよ。
ナギサ以外からは強制的に徴収しないはずよね。」
まだ俺から強制的に持って行く可能性はあるのかよ。
気付かないうちに俺が気を失ってるとかにならないよね?
「寝ている間に取られるかもしれないわね。
誰かに相手をしてもらえば回復するのだから大丈夫よ。」
それは大丈夫とは言わない。
なるべく昼ご飯の時間で満足させられるように魔力を送るしかないな。
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