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第百七十話
しおりを挟むショッピングセンター北館5階で売られる魔物素材の服の中には皇太后たちのブランド品も置かれる。
別店舗にすることも提案したのだけど、そうすると王太后たち目当てでお茶会の場にされそうだと言うことで彼女たちが却下した。
お茶会がてらのブティックも有りだと思うけどな。
ケーキ屋さんの隣にでもすれば出前で済むだろう。
侍女さんは沢山居るし、カダイから来ている貴族夫人や令嬢の就職先にできるかもしれないな。
王太后たちはそれぞれの名をブランド名にして帽子から靴まで一揃いできるものを提供する。
アクセサリーも含まれていて、しかも侍女たちを含めた自分たちで作り上げているらしい。
金と銀は加工できるようになってるのね。
もしかして俺よりレベル高くなってるんじゃなかろうか。
自分たちで素材を採りにダンジョンへ行ってるみたいだしな。
更には他の元王妃たちもブランドを立ち上げそうだ。
6階を追加した方が良いかもしれないな。
その内寡婦さんたちも立ち上げるかもしれないし。
販売員候補も沢山居るから早めに店員教育を始めた方が良いかもしれない。
魔物素材の布を縫うミスリルの針を扱える者はかなり増えた。
布を織るミスリル製織機も。
俺が関わるのはゴムの生産と魔物素材の端切れを集めて再生産することだ。
後は特別注文の品を作り上げるくらいだろうか。
ウェディングドレスのような手の込んだものとか。
まだ結婚式は広まっていないので注文は来ないとは思うけど。
それでも令嬢のお披露目など、特別に着飾る機会は有るようだ。
向こうの七五三とか成人式の乗りだろうな。
そのまま婚約者選びに直結したりするようなので、向こうより重要なのかもしれない。
下手に俺の創造魔法製を着せたりしたら後が大変よ?
縫い目と言うか、縫い代が無い分軽くなるしな。
神の魔力入りなので色々効果が出ちゃうみたいだし。
最低でも魔物素材の服出ないと満足できなくなったりしているそうだ。
お針子の寡婦さんたちのスカウトも予想できるけど、魔物素材をふんだんに使えるこの里を離れる気にはならないそうだ。
ミスリルの道具一式は貸与なので、買うとしたらかなりお高いし。
簡単に彼女たちを連れて行かれてもカッセル商会が困るからな。
魔物素材の布の出荷は抑えているそうだ。
どうせ服の注文を捌くのに足りないくらいだものな。
なにせ爺さんが注文した神官服がまだまだ足りない。
やはり宗教国家はお金持ってるな。
食堂の一角で王太后たちを含めたファッションショーが開催されている。
これから売り出す新デザインだそうだ。
王太后たちも自らモデルとなって歩いている。
どうせサイズや細かいところを変える1点物だから、自分のサイズで作ったのだろう。
買い取るにも安くできるものな。
侍女さんや寡婦さんたちも自分で作り上げた服を着て並んでいる。
マネキンで店内に並べるにも十分な量ができているようだ。
オーダーメイドなので試着できないのが何とかならないかね。
鏡でCG合成みたいに着ている姿が見られる幻影の魔法とか?
「できないことは無いのだけれど、服の種類が増えると対応できるかしら。
例えばそのカタログの服を全部とか無理よ?」
記憶させた魔石の入れ替えで対応できないかね?
その魔道具を扱う人も覚え切れないか。
「カタログを小分けして作り直せば覚える必要は無くなるわね。
開店には間に合わないと思うけれど、考えてみるわ。」
ミュリエルが考えてくれるようだ。
幻影の魔法とか使い勝手が良さそうだよね。
犯罪目的でかなり使われそうだけど。
「鑑定を持っていれば引っ掛からないわ。
悪用しようと思えばどの魔法でも危険は有るものよ。」
確かに、何でも使い手次第だわな。
一般人はそこまでレベルの高い魔法が使えないのが救いか。
この里の関係者は精霊さんチェックされるので大丈夫だろう。
ファッションショーは好評なようで、エルフさんたちが早速注文している。
エルフさんは普段着に使ってるよね?
まだインベントリに野生のコカトリスが入ってたりするのだろうか。
ダンジョンに入ればすぐにお金になるか。
この好景気の恩恵を一番受けているのはエルフさんたちだな。
在庫をお金に変えて好きなものを満足するまで買っているようだし。
「そうね、新しい精霊樹も生まれて気持ちが高ぶっているからお買い物も楽しんでるわ。
今まで聞いたことの無いものが沢山有るから、つい買ってしまうのね。
その分ダンジョンに行くからレベルも上がって良いことばかりね。」
ちょっとずつだろうけどレベルが上がってるのね。
増々エルフさんたちが強くなるのだな。
領民たちも質の差は有れ、好景気で満足できる生活ができるようになっているらしいし、バカに邪魔されても大丈夫な戦力が有るのだな。
他大陸への食料供給もしばらく続くだろうから好景気が長持ちしそうだ。
不安は残る2大陸の状況くらいか。
対価が払えない相手なら難民として労働力確保に使わせてもらおう。
精霊さんチェックで犯罪者や馬鹿は現地に残るだろうから、ほぼ神罰を代行してるような。
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