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第百三十三話

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熟成させたお酒の試飲会が開かれる今日。
何故か大宴会のお触れが出され朝から応援侍女部隊も総動員しておつまみなどが作られている。
料理担当となっているアンさんのインベントリに次々に仕舞われていた。
全住民が参加したら場所もお酒も足りなくなるだろうよ。

メインストリートにテーブルとイスがセットされていた。
全員集合して飲めるとか用意が良いな。
トレント材で速攻作ったそうだ。

ビアガーデン風なのでビールを沢山用意してやる。
ビールサーバーと大ジョッキも作った。


等間隔にバーベキューできる場所もセットした。
オーク肉が余ってるので焼き肉のタレに漬けておく。
コカトリスの焼き鳥も大量に準備する。

子供たち用の飲み物として果物を使ってジュースも用意する。
これ、かき氷のシロップも作れるな。
ちょっと試しに作ったら皆がマネして魔法でかき氷を作っている。
シロップを作った端から持って行かれてるじゃん。
掻き込んで頭抱えてる人が多いな。
通過儀礼だから放置だ。

お子様ランチも大量に作られている。
作り慣れたようで手早く用意された。
ちょっとずつ入れるものを変えて毎日作られているそうな。


各地のエルフさんたちもやってきてお土産を置いていく。
そっちにまで宴会の話は広まってるのかい。
ワインも持参しているようなので良いけどな。
ちょっと預かって夜までアマリア様に熟成してもらうか。
いつも飲んでいるなら比べ甲斐が有るだろう。
少しだけブランデーにしちゃっても良いかな。

「あら、このワインからこのお酒ができるのね。
まだアルコールの香りがキツいけれど、熟成すれば良いのね?」

アマリア様に大量のお酒を預けます。
オーク材の樽とブドウが採れたトレント材の樽の2種類用意してみたけど、どうなるかね。
ワインもブドウのトレント材の樽で作れば良いんじゃないかと思ったのだけれど。

「それぞれのトレント材で作った樽は面白いですね。
相性は良さそうなんですけれど。」

この空間だと時間に余裕が有るので魔力回復もさせてもらった。

「後でお料理もお願いしますね。
多分ミュリエルたちも持って来てくれるとは思いますけど。」

2次会は決定済みなのね。
預けてるお酒が無くなりそうだな。

「折角魔力も回復したのですし、どんどん作ってくださいね。
人の手で作れるようになるまで時間も掛かるでしょうから、当分は創造魔法製ですね。」

まだ商売にする訳じゃ無いから魔法だけで間に合うか。
エルフさんたちも居て人数多いけどな。

「あと、お寿司はできませんか?
海が有るのですから活用しましょう。」

生魚はこちらの人にはどうなのかね。
創造魔法で一桶出しちゃいますけどね。

「マグロに似た魔物は泳いでますし、他にも魚は居ると思いますよ。
魔物の方が絶滅の心配も有りませんから良いでしょう?」

サメも魔物だったな。
あれを獲れるんだからマグロの魔物も大丈夫か。
山葵を見つけないといけないか。
またミュリエルに聞いてみよう。

食堂前に戻ると皆昼食にしていた。
バーベキューしてるグループも有るし。
焼き肉のタレを瓶で置いてあげるか。

ミランダたちも仕事を切り上げて昼食を摂っていた。

「今日は皆午前中でお仕事は終わりです。
多分明日の午前中もお休みになるでしょう。」

明日は全休になりそうだけどな。
爺さんも酒の職人を連れて来たようだ。

「男どもが入れないと知って悔しがっていたぞい。
新しい酒をいくつか持ち帰らせてもらえるかのう。」

残ったらね。
確約はできませんわ。

爺さんはお子様ランチ大人用を頼んでいた。
食べ切れるのかい。
魔力の多い者は大概大食だな。
食べ物で魔力回復させてるのかね。
エルフさんたちもケーキまで沢山食べているし。


日が沈む前に宴会は始まった。
お酒のお試し会のはずなのに。
子供たちはお子様ランチを食堂で食べている。
コカトリスのから揚げ大盛りだそうだ。
魔力が増える素質でも備わっているのだろうか。
残さずよく食べるわ。
デザートにかき氷やアイスクリームも食べてるし。
その上ケーキも行くとかエルフさん並みだな。

子供たちは自分で帰宅するそうだ。
日本並みの安全性が有るから大丈夫なのだな。
まだ早い時間なので部屋に集まって遊んでそうだけどな。

大人たちは軽く食事を摂ったあとお酒の配給を待っている。
ビールはセルフサービスでお願いしますね。
ジョッキでレバーを押し込めば流れて来るから。
まだ泡だらけにする者が多いな。
その内慣れるだろう。

そして俺の作ったお酒や熟成したワインの出番。
中々好評のようだ。
ワインを持って来たエルフさんたちも違いに驚いている。
アマリア様が張り切って時間を進めてくれたみたいだからな。
ケイトたちが食事と一緒にお酒も供えに行った。
お酒は味見した後だろうけど、食事やおつまみはリクエストも有ったし大量に持って行くようだ。
時間遅延の空間で飲んでいたらいくら有っても足りないだろうに。

各テーブルにはボトル分けしたものを持って行ったのに追加で取りに来る者が途切れない。
ついでに食事やらおつまみのお皿もどんどん持って行くし。
アンさんのインベントリがすぐに空になりそうだぞ。

それぞれのエルフさんの長老さんたちも来ているようだ。
職人を派遣してお酒の作り方も学ぶらしい。
爺さんの所の職人さんと一緒に試行錯誤してもらいましょうかね。
果物のダンジョンに行くにもエルフさんたちが居れば安心だし。
樽も作らなきゃいけないから忙しそうだな。

そしてエルフさんのワインを蒸留したブランデー。
少ないので限られた者での試飲だ。
他の皆には創造魔法製のブランデーを渡した。

「どちらの樽のブランデーも捨てがたいわね。
向こうではオークの木の樽なのよね。
でもブドウのトレント材も良いわよね?」

ミュリエルはどちらの樽も気に入ったようだ。
手間は変わらないから両方作ってもらうか。

ついでに熟成を頼んだウィスキー。
まずは楽に手に入る小麦のウィスキーだ。
お米も手に入れ易いみたいだけどな。
とうもろこしは有ったっけ?
有るらしいので材料買って来たら作るか。

酔っ払いが量産されたので俺はそろそろ部屋に逃げるか。
追加でお酒は出しておいたので大丈夫だろう。

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