チートな嫁たちに囲まれて異世界で暮らしています

第百二十九話

神罰を受けたトライア王国からは続々と難民が団地に転移しているそうだ。
既に両方の団地合わせて１万人に到達したとか。
受け付けてるお役人さんお疲れ様です。
団地を作り続けているエルフさんたちもお疲れ様です。

一部寡婦さんや孤児たちは直接こちらに送られてくるようだ。
いきなり大神殿に転移して来るらしい。
転移して来る方もいきなり立派な建物の中に来て驚いているとか。
神殿長リディアさんたちも現れた人たちに驚いたそうだ。
いや、俺もそんな事聞いてなかったので文句言われましても困るんですが。

元々国の状況が悪かったようで捨てられた子が多かった。
本人たちの状態も悪く、ケイトたちも動員され治癒の魔法を掛けている。
寡婦さんたちも同じように治療されている。
団地の方にも治療のできる者を派遣しないといけないな、こりゃ。
エルフさんたちなら治療もできるだろうが、団地造成の上に仕事を増やすのも悪いしな。

王都の教会からも神官を派遣してもらうようだ。
カッセル商会の人や侍女さんたちも治癒魔法使えるからどうにか間に合うか。

「ほうほう、それでは我らも実地で研修させてもらうかの。」

爺さん、まだ居たのか。
アマリア様の像を受け取って帰ったのかと思ってたよ。
連れの女性神官と合わせて１０人居れば戦力にもなるか。
炊き出しとかにも慣れているんだろうし。
本当はダンジョンでレベル上げてからの実地研修となるはずだけど、人手が足りないからお願いするか。
爺さんはレベル高そうだし。
聞けば大神殿と食堂しか行き来していないらしい。
精霊樹にはエルフさんたちがあまりいい顔をしないので近付けさせてもらえないそうだ。
人族には素材くらいしか恩恵が無いから警戒されるのも仕方ないだろうさ。

とりあえず伝染病の持ち込みが怖いのでクリーンは掛け捲ってもらおう。
最初に掛けるようには言っておいたはずだけど難民の数が増えて掛けそこなった人が居ると困るからな。
過剰に掛ける分にはクリーンは無害だろう。
何なら本人たちにも毎日掛けるように教えておけば良いだろう。

団地は運河沿いに作っているのでこう言ったときにも便利だ。
ケイトたちと共に爺さん一行は団地へ出掛けた。
ケイトは難民たちへの食材とエルフさんへのチョコケーキを大量に持って行った。
ついでに試しに作ったインスタントカフェオレも持って行ってもらった。
インスタントのスープも作っておけば炊き出しのときに便利かもしれないな。
フリーズドライじゃなくて単純に水分を魔法で抜くだけだったので簡単にできるし。


さて、俺は大量の服と下着を作り始める。
廉価版の綿素材だけどな。
ミランダたちが難民に支給するそうだ。
寡婦さんたちの手作りでは数が間に合わないので俺も作ることとなったのだ。
治療のついでに着替えさせられれば良かったけどな。

まずはここへ来た寡婦さんと孤児たちの分から。
既に寡婦さん５０人と孤児１００人余りになっているらしい。
孤児はトライアに残された男性神官が集めたのだよな？
と言うか、まだ王都から移動してないだろうから、たった一日で王都の１００人以上の孤児を見つけたと言うことか。
ちゃんと仕事しているようで何より。
彼らにもあとで下着くらいはあげようか。

「あら、キャロラインたちはトライアを出られたのね。
神罰を受けなくて良かったわ。」

ソフィアママことトルメキの元王妃エヴァンジェルさんはトライアの王妃たちと知り合いのようだ。
まあ、隣国の王家同士なら知っているか。
ソフィアママもトルメキ王国から帰って来たのね。

「わたくしとキャロラインはいとこ同士ですわ。
国が違っても王家なら多少なりとも血は繋がっているものです。
フォレスティエ王家とも何代か前で婚姻が有ったと思いますわ。

それよりも、トルメキとトライアの国境は凄いことになっているみたいですよ。
トライアの貴族がトルメキに逃げ込もうとしても国境前で弾き返されて馬車や罪のない従者たちだけが通れるのです。
馬車の中に乗っていたのにですよ？
返す手段も無いので財産は難民たちに使わせて頂くことに決定しました。
こちらからトライアに入ろうとする者は居ませんからね。
それから、通れた貴族子女はこちらにお連れしましたのでよろしくお願いしますね。
男の子は何人かこちらへ入れないようですのでカッセルへ向かわせました。
年齢制限が有るのですね？」

神の力に余裕が有るからアマリア様もこの際色々やりたいようにやっているみたいだな。
神罰は徹底的にやらないとな。
と言うか何故貴族子女をこちらに？
トルメキでお世話しても良いのよ？

「神罰の降った国の貴族令嬢はどんな扱いを受けるか分かりませんもの。
条件の悪い婚姻を押し付けられでもしたら可哀そうでしょう？
こちらで役人に成るか、神官に成るか、商人に成るか、ナギサ様の嫁に成るか選べるのですから連れて来ましたわ。」

俺の嫁がこっそり選択肢に入ってるのはどう言うことよ。

「あら、わたくしたちもナギサ様にもらわれて来たのですよね？」

トライアの王妃はミュリエルの言ったことを覚えていたか。
ミュリエルはほとんど本気だからな。

「あらあら、わたくしの方が先ですわよ？
フランソワーズ様にも色々聞いておりますし、ソフィアの母としても権利を行使させて頂きますわ。」

ソフィアの母親の権利って何よ？
娘婿を試さずにはいられないのか？
それにしても元王族の方でもアレな話題が出ていたのね。
女性陣は集まってそんなことばかり話してない？

俺が綿の下着を作ってる横でそんな話をしている元王族たち。
ちょっと、そこ、試着するんじゃありません。
爺さん居なくなって気軽に脱ぎだしたな。
連れて来られた貴族子女が引いているぞ。
まあ君たちもすぐにこうなるだろうけどな。

俺が下着を作っている間に俺付きの皆で浄化とエステを実施した。
やはりトライアの人は濃い瘴気に塗れていたのか徹底的に浄化しないといけないようだ。
貴族子女にも下着をあげるからね。
魔物素材の下着なら浄化の効果も有るみたいだし。

そして小規模お胸様祭り開催。
トルメキとトライアの元王妃ふたりと貴族子女と共に来れた母親に施術した。
お付きの侍女さんたちも年齢高目だったので参加。
やはり３０代以上は効果が顕著に分かる。
２０代後半の令嬢も施術したけど少しだけの効果しか見られないな。
それでも本人が喜んでいたので効果は有ったのだろう。

これはミュリエルが新たなローテーションを組んでいそうだな。
それでなくても順番待ちしていた侍女さんがこっそり入っていたりするのに。

まずは元王妃たち含めてダンジョン行きでレベルアップが待っているのだろうけどな。
寡婦さんたちも参加するだろうから、また訓練計画を立てなくては。