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第七十二話

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ミュリエルたちに瘴気のことを教えてもらおうと思ったら何故かダンジョン行きになった。
黒の森にあるダンジョンの41階層、ここからアンデッド系の魔物が出るそうだ。
瘴気と言ったらアンデッド系が分かり易いとのことでこちらに連れてこられた。
今回は辞退者が相次ぎ、俺とティファニー、ミュリエルとセラフィナの4人だけ。
教会関係の皆まで避けるとか、どうなのよ。

まずはスケルトンの相手から。
ミュリエルが手本に光魔法を浴びせている。
集束しないで照らす感じで浄化すると砂のようになって消えちゃうのか。
スポットライトみたいなのをイメージすれば良いか?
物理的な攻撃なら胸の魔石を砕くらしいけど、魔石がもったい無いじゃんねぇ。
素材をドロップしないらしいし。

「光魔法の訓練にもなるから丁度良いかもしれないわね。
この階層なら骨しか出てこないから逃げた皆も今度連れてきましょうか。」

腐臭もそれ程では無いし、この階は楽っぽいな。
この階層を周回するだけで良い気がする。
セラフィナは物足りないようで、いちいち頭を切り飛ばしてから浄化している。
物理攻撃しかしてこないスケルトンではSランクには楽勝だよね。
数体、セラフィナに浄化しないまま倒してもらって瘴気を帯びた魔石を見せてもらう。
確かにおどろおどろしい感じは有るかな。
はっきり黒い靄とか纏ってれば分かり易いのに。
俺が感知できないだけか。
ミュリエルとセラフィナには見えているらしいし、ティファニーにも何となく見えている感じは有るらしい。
エルフ系の血のなせるわざか。
精霊さんを見るのと同じなのだろうな。

セラフィナが時折剣を浄化しているので直接触れると瘴気を帯びてしまうのだろう。
アンデッド系じゃない魔物でも起こるのだろうな。
それが原因でマノンさんが瘴気のあざを受けたのだし。

俺は気配察知をしながら瘴気の感じを捕えようとしている。
気配じゃ無理か?
違和感は何となく分かって来たけど。

ちょっとスケルトンに触れてクリーンとか掛けてみたくなるな。
触れるだけで瘴気もらいそうなのでやらないけど。
それじゃあ、通りそうな場所にクリーンを掛けてみる罠。
おお、足が浄化されて崩れていく。
ティファニーにも同じことをしてもらったけど効果が無かった。
神の力のせいか、元々俺に浄化作用が付随しているのか。
また訳分からん現象を見つけてしまった。

「また理不尽な異世界人の能力を見付けたわね。
子供でも使えるクリーンで浄化できるなら誰も苦労しないわよ?
まあ良いわ、5分おきくらいにわたしたちにもクリーン掛けてね。」

更に実験。
ティファニーに水たまりを作ってもらってからのクリーン。
聖水もどきになるんじゃね?
思った通りに水に沈むように溶けて消えるスケルトン。
コップに入れた聖水もどきでも効果が有った。
光魔法を込めるんじゃなかったのかい。
後でマノンさんにも飲ませてみよう。

「後で魔石にクリーン付与してみて。
池やプールに漬けておけば当分効き目が有るのではない?」

それは良い使い方かもしれない。
魔物除けにもなりそうだな。
ダンジョン内ならセーフティゾーンを自前で作れそうだ。

「結界みたいに範囲が広げられないから無理ね。
よほど大きい魔石に何日も掛けて込めれば可能かもしれないわよ。」

そりゃそうか。
意識すれば部屋全体にクリーンを掛けられるけど、魔石に込めた時点で範囲指定が無くなるか。

実験はこれくらいにして、瘴気の認識と光魔法の訓練に戻ります。
大分飽きて来たのかミュリエルもセラフィナもレーザービームで薙ぎ払い始めた。
遠い所の魔石を拾う気が無いな?
まあ、安いらしいから良いのかもしれないけど。

ああ、もうひとつ実験。
俺の魔力をティファニーに込めて、撃たれたティファニーの光魔法の効果が上がるかどうか。
スケルトン相手じゃ差が分からないか。
別の魔物で試すしかないな。

一通りスケルトンが消えたので今日はここまで。
帰宅するためにダンジョンを出た。
何となく瘴気を把握できた気がする。
転移で帰宅したら3人を念入りにケアして浄化。
最初にクリーン掛けちゃったから必要ない気もするが望まれたからには全身撫で回すしかあるまい。
ティファニーも慣れちゃったみたいだな。

クリーンを掛けた聖水もどきはキス以上の効果が有りそうだった。
保存が効くなら売りに出しても良さそう?

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