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第五十七話
しおりを挟む今日は討伐レベルアップの日。
俺付きの3人の奴隷も同行している。
シャロンは俺が誘導して魔物に止めを刺している。
他のふたりもそばで順調に討伐中。
何かすぐに俺のレベル越えそうな勢いで3人とも意欲的なのですけれど?
とにかく今はミュリエルたち6人が魔物の里を麻痺させて皆が止めを刺す方法でレベルアップ優先だ。
ある程度レベルが上がったらグループに分かれて魔物狩りをする予定らしい。
戦い方の訓練はそこで行うつもりなのだろう。
レベル低いとセラフィナたちの動きが見えなかったりするからな。
「それで、前と後ろの奴らはどう対処するの?
後ろの奴らなんて1時間以上付けて来てるよね?」
「両方とも殲滅だな。
冒険者の振りをしてても1時間以上正体を現さずに付いて来てれば十分犯罪者だ。」
Sランク冒険者のセラフィナが判断したのだから、それで十分だ。
女性ばかりだと思って良からぬことを考えた奴らの末路は決まってるわな。
「とりあえず、木の上で弓構えてる奴は落としても良いかな。
ミュリエルが結界張ってるとは言え鬱陶しいからさ。」
「いいぞ、例のレーザービームか?」
「そうだね。
俺の場合人差し指でマークして中指で撃つから若干ズレるんだよね。
ミュリエルみたいに同じところから発射できると誤差無しで着弾するんだけれど。」
最低指1本分はズレるからな。
この距離ならば外れることはないと思うけど。
狙った左肩に当たった。
頭から落ちてるけど、生きてるかな。
「おい、おい、俺たちは伯爵様に雇われた冒険者だぞ。
攻撃してただで済むと思うなよ。」
「おお、捕まった伯爵の子飼いだと白状してくれてるよ。
鑑定の結果も盗賊だね。
どうせ前の奴らで何人か生き残るだろうから、こいつらは全滅で良いよね。
さあ、皆が苦しい生活をしていた元凶の一部が来てくれたからやりたい人は攻撃して良いよ。
こう火を出して、それが奴らに飛ぶようにイメージすれば攻撃できるはずだから。
それくらいのレベルアップはしてるからさ。
殺人も犯している盗賊だし、魔物より質悪いんだから容赦しなくても良いよ。」
俺が見本に出した炎が前に出ていた男を追いかけて着弾する。
余り魔力を込めなかったので皆の分は残ってるだろう。
続けて寡婦さんたちからも攻撃が飛んで行く。
逃げ出した盗賊は足をレーザービームで撃ち抜いてやる。
7人居た冒険者崩れの盗賊たちはたちまち火に包まれていた。
「次は前方だな。
アジトも探索範囲に有るから殲滅しても大丈夫だ。
魔力に余裕が有れば撃っても良いぞ。
遠い奴はわたしたちが始末するから、見えた奴から攻撃開始だ。
盗賊に情けを掛ける必要は無いからな。
自分たちしか居なければ犠牲になるのは自分たちなんだし、逃せば他の誰かが犠牲になると思え。」
対人初心者には厳しいかも知れないな。
俺も初心者のはずだけど何も思う所は無いな。
前方の50人くらいの盗賊にもファイアーボールを撃ち込んでいく。
寡婦さんたちもどうにか撃ち続けている。
200人弱からのファイアーボールとか容赦無いな。
逃げ出した盗賊はミュリエルたちが始末したようだ。
死体はゴブリン用のマジックバッグに入れておく。
どちらもインベントリには入れたくなかったから用意してあったのだ。
一応賞金が掛かってたりするからね。
ちょっと顔色悪くしてる人も居るので休憩させて俺とセラフィナでアジトへ向かう。
3人アジトの洞窟前に残っていたけどレーザービームで始末した。
洞窟の中には捕まっていた商人と貴族と女性5人。
捕らえられたばかりで盗賊がすぐに出て行ったので女性に被害は無かったようだ。
とりあえず煩い貴族は放っておいて俺はお宝の回収、セラフィナは女性たちを解放している。
商人は静かなものだけど、貴族は早く出せとか金品を返せとか煩過ぎる。
「煩いな、まさか仲間の盗賊を呼び寄せてるんじゃないだろうね。
さっき盗賊が伯爵に雇われてるとか言ってたけどあんたのことじゃないだろうな。」
鑑定したら伯爵だったので知らんぷりして冤罪吹っかけてみる。
流石に静かに成った。
まあ、商人がセラフィナのことを知っていただけだけど。
Sランク冒険者にあれこれ指示は出せないわな。
商人は他領からあの冒険者もどきの護衛で帰って来るところで捕らえられたそうだ。
あいつらは前領主の伯爵が捕まってることを知らなかったのか。
こっちの伯爵は王都に行く途中襲われて、護衛を殺され身代金目的で連れて来られたらしい。
そうなると商人も身代金目的で生かされたのか?
女性たちは乗り合い馬車で襲われたとか。
御者と男の乗客と護衛の冒険者は殺されたそうだ。
まあ50人位の盗賊だったから敵わないか。
女性たちは寡婦に働き口が有ると噂を聞いてこちらに来た人たちだった。
俺たちが切欠で盗賊被害にあったのかい。
このまま保護して雇用で大丈夫かな。
セラフィナの精霊チェックが反応していないみたいなのでOKかな。
とりあえず皆と合流して一番近いカッセルへと向かう。
伯爵が煩いのでその辺に捨てたくなるな。
伯爵と商人は家令さんに任せてしまおう。
ミランダを呼んでくる程のことではないだろう。
商人にはこっそり格安で荷物を返してあげたけど、伯爵からはたんまり礼金搾り取ってね。
商人には冒険者ギルドからの補填も賠償金も出るだろう。
護衛依頼を受けた冒険者が盗賊だったのだから。
セラフィナたちの証言が有るので確定だろう。
ステータスでの町の出入り管理を始めた方が良さそうだ。
ミュリエルの結界から一部機能だけなら魔道具に落とし込めるかな。
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