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第五十五話

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とりあえず予定していた運河は掘り終えた。
後は水が満ちるのを待つこととなった。
その間に商会の従業員のレベルアップをする。
農地を任せるにしてもお店を任せるにしてもレベルアップさせておいた方が安全になる。
ついでにスプリング公爵領でアロエを採れる場所を確保したい。

いつの間にか200人を越える寡婦さんたちが集められていたので、グループ分けして何回かの狩りを行う。
スプリング公爵領の状況が悪いせいで人数がかなり増えたそうだ。
子供連れも多いので託児所も沢山作らないといけないな。
これからも保護する者が増える予定らしい。
奴隷落ちしていた者も悪さした前領主や商人の財産を没収したお金で買い取っている。
そのまま解放してもまた売られると困るので商会員として雇って自分で買い戻させるらしい。
荒れた領地の後始末は面倒が多いな。
他にもこんな領地が有りそうだよな。
王太子が話を持ってきても次は引き受けないぞ。

ゴブリンの里3つとオークの里ひとつを討伐完了した。
4つの里それぞれをミュリエルとセラフィナとローラたちの6人で丸ごと麻痺させては従業員たちが止めを刺していったのだ。
里を丸ごと麻痺とかできちゃうのかよ。
ダークエルフとエルフが6人も集まると恐ろしい戦力だな。
国が兵を出してきても端から切り刻まれていく様が想像できる。
でも、ミュリエルとセラフィナのふたりで俺の魔力を補充に持って行くのはやめてー。
ポーション持ってるはずでしょう。

人数が多かったので3~4のレベルアップだったようだ。
この討伐を5回くらいやればそこら辺の魔物にも盗賊にも負けることはないだろう。
一日おきくらいの討伐でも運河に水が溜まるのには間に合うかな。

寡婦さんたちの体力が続かないので昼過ぎに今日の分は終わり。
明日は座学で読み書きと計算を習うこととなる。
この繰り返しで運河全面開通を待つらしい。


そしてこの場には俺とミュリエルとセラフィナ、教会組の6人とローラたち4人が集まった。
魔物を教材にした治癒魔法の勉強会だ。

「人族のふたりはナギサの施術だけでも良いかもしれないけれど、100歳を越えてるローラたちはなるべくならナギサに抱かれた方が良いわよ。
ナギサの持ってる神の力で瘴気やら怨嗟やらを払ってもらえるわ。
わたしとセラフィナやケイトとアグネスのように分け与えられた神の力で少し浄化もできるようになれるのだし、教会組なら欲しくなる力よね。

王妃たちも散々貴族たちに浴びせられた怨嗟が消えているでしょう?
高位の者程恨みや妬みで瘴気を持ったままで居たりするのよ。
魔物を沢山倒してきたわたしたちも瘴気まみれだったのを改善してもらったわ。
浄化してもらえるだけではなくて、気持ちも良いからお勧めよ?」

ミュリエルがぶっちゃけちゃったけど、俺と致すと浄化の効果も有るそうなのだ。
浄化される気持ちの良さも有って離れ難いらしい。
ミランダたちの様に本人が恨みを持ちそうになっていたのも抑える効果が有るとか。
それですぐに嫁にしようとしたのだよな。
必要性をミュリエルが判断して参加の管理だったのだ。
まあ、施術だけで十分な効果が有るので無理にすることも無いのだけれど、そこはアレな快感のせいだ。
胸の施術でその気になっちゃったりするのも浄化の影響らしいし。
コラーゲンとアロエのローションじゃなくて、俺の施術に媚薬効果が有るようなものか。

時間的余裕ができるかもしれないとなってからはミュリエルたちの審査が甘いような。
増やすことで何かアマリア様やセラフィナと企んでいる気がするのだが。
そういうこともあって浄化が必要になりそうな立場の寡婦さんや奴隷、孤児たちを集めているらしい。
大人は女性限定だけどな。
施術で浄化できて肌が若返るのならお得だよね。

瘴気に塗れた男性は王太子に処されるが良いさ。
王太子自身の瘴気は婚約者にどうにかしてもらい給え。
婚約者はケイトたちが施術する予定だから神の力を僅かでも分けてもらえるかもしれない。
或いは教会に足繁く通って祈るが良い。

ローラたち4人はこちらに着いてから施術の回数が多いとは思ってはいたけど、纏ってる瘴気が多いせいなのね。
そういった判断も精霊さん情報らしいので、俺には分からないんだよね。
彼女たちも施術の効果を気に入って自分たちでも試し合って習得を目指している。
来ていない仲間たちにも施術するつもりでいるようだ。

まあ、胸の施術は俺の創造魔法の影響も有るのでミュリエルたちでさえ習得は難しいのだ。
俺がやることになるんだろうな。
瘴気を払うとかの効果はアマリア様に上手く使われている気がしないでもない。

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