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第五十一話
しおりを挟むセラフィナたちは朝早くからドラゴン退治の依頼に出掛けた。
俺はケイトと空輸のお仕事。
帰りに教会に寄って神官さんを連れて帰る予定だそうだ。
ケイトはあの教会を見たときの神官さんの驚きを楽しみにしている。
今日もカッセルから塩を運んだだけで、帰りの配送は無し。
飛びつく商会が居ないのは残念だ。
もう機会は無いと思うよ。
ケイトと共に教会へ行くとふたりの女性神官が待っていた。
リディアさんとヴァネッサさん。
とりあえずはこのふたりだけのようだ。
ミュリエルたちが居る地に行けることも喜んでいる。
このふたりにも魔物を使った身体の仕組みの教育をすることになるかもね。
ケイトたちに任せても教えられるか。
ケイトたちが誘いの手紙を残した修行仲間の聖女見習いたちはまだ帰還していないらしい。
ダンジョンに籠るだけでなく、行き来にも時間掛かるからな。
乗って来たセスナ型の飛行機でスプリング領の教会に炊き出しの材料を配りながら帰宅する。
ケイトは早速ふたりを教会へ案内するようだ。
スージーとアグネスとヘレンも待機していた。
彼女たちも車を確保しているので大丈夫だろう。
町中に寡婦さんたちも住み始めているしね。
一応食料品を売っているお店も有る。
俺はセラフィナたちが帰るまで嫁たちと寝室へ。
最初のミランダが今日のスケジュールを管理している。
無理の無い人数と聞いているが大丈夫だろうか。
いや、ミランダからしてセクシー下着を着熟してるのでダメかもしれない。
この短期間でよく研究されているようだ。
沢山作らなきゃいかんね。
その分俺は撃沈されちゃうけれどな。
まんまと俺がセクシー下着の連打に踊らされつつ、夕食前にセラフィナたちが帰って来た。
討伐も問題無く済ませたそうだ。
上空から地龍を土の壁で囲み、地上に降りたセラフィナが剣で倒したらしい。
魔法ででも討伐できるものをわざわざ地上に降りたのはセラフィナの趣味だそうだ。
ミュリエルは土壁以外に手伝う必要も無かったと呆れていた。
セラフィナは久しぶりに手応えの有る戦いを求めていたのだな。
いつかのクラーケンも大した手応えを感じていなかったものね。
無事セラフィナは魔物方面のストレスを発散したようだ。
大きな魔石もお土産に持って帰って来た。
テンション上がったままのセラフィナに連れられ黒の森の屋上露天風呂へ。
セラフィナの語るドラゴン退治の様子を聞きながらセラフィナの身体をチェックしている。
固い鱗を剣で叩いた右手に細かくヒールを掛けてマッサージをする。
結局は全身に掛けた方が良いと判断した。
しかし、ドラゴンの鼻先に蹴り入れるとかやはり凄いな。
楽しそうにドラゴンを倒す話をしている姿が可愛い。
後で遺骸を見せてもらおう。
「セラフィナ、他に違和感が有る所は?」
「ああ、いや、腕以外は大丈夫だ。」
「いざと言うときにわずかな隙も致命傷に繋がるから、ちゃんと言うんだぞ。
特にセラフィナはそんなのばかり相手にしてるんでしょう?
ちょっと隅々までチェックさせてもらうからね。」
全身を撫で回しながらヒールを掛けていると時折手応えの有る箇所が見つかる。
ヒールが通常の肌ケアと違う形で効くということは何か異常が有るという訳だ。
簡易的な診断スキャンで原因は特定できないけれどヒールで治る程度なので気にしなくても良いだろう。
恐らくミュリエルが迎えに来るまでふたりきりだろうから、隅々までセラフィナを堪能させてもらおう。
妻たちひとりひとりとこう言う時間を持つためにも空間拡張の時間制御を何とかせねばいけないな。
多分アマリア様にコピーできるか試されている気がするし。
それは置いておいて、今はセラフィナだ。
俺を求めてくれるセラフィナに全身全霊でお応えしよう。
セラフィナが甘えてくれていることだしな。
これで俺の背がもう少し高ければ絵になるのだろうが、こればかりは仕方ない。
レベルアップで成長が早くなったりしないかね?
寝室に移動したタイミングでミュリエルも転移して来た。
遠くに居ても気配を伺っているのだろうか。
満足したセラフィナをお姫様抱っこで運んだ途端だ。
セラフィナの「任せる。」の一言で始まるミュリエルのターン。
ミュリエルが着ていた服をインベントリに仕舞うとセクシーな下着姿になった。
ミランダたちへのリサーチが既に行われていたのか。
情報が大事だとミュリエルたちに散々言って来たけど、こうやって情報を使われるとは。
勿論、美味しく頂きました。
セラフィナまでセクシー下着になって再戦となったけどな。
これからも沢山作らねばならんな。
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