32 / 261
第三十二話
しおりを挟む海に出たり建物建てたりしている内に領都へ出る日になった。
そろそろ代理の人も来ているかもしれない。
まずは冒険者ギルドでサメの魔物の報告。
提出はしないで見せてあげるだけ。
貴重なコラーゲンですからね。
ギルドからもミュリエルへの依頼に関して情報が有った。
何でも可能性は有ると報告したことで本人がこちらへ向かっているらしい。
それも治癒がいつになるか分からないので王族の地位を捨ててしまうつもりだと言うのだ。
どの程度の欠損か知らないけれど、こんな世界だから王族として表には出られないかもしれないものね。
騎士とかなら名誉の負傷も有るかもしれないけれど、王族が直接戦闘とかしてないだろうし。
ジャクリーヌさんの予想では王女かもしれないと言っていたので婚姻の駒にも成り難いのだろう。
それは男女ともに言えることか。
治癒まで何年も掛かるならこの世界の適齢期を逃すかもしれない。
そういった判断で追い出されたのかもしれないな。
王侯貴族の面子とか良く判らんわ。
家族での勢力争いとかもね。
ジャクリーヌさんの予想を聞いたときにフラグが見えた気がしたけど、更に旗をバサバサ振っている気がするな。
特にうちには実家から絶縁された女子が沢山居るからね。
ポンと治癒して送り返す、とならない気がするよね。
そう言えば欠損の治療費っていくらに設定すれば良いのだろう。
かなり高額になるのは間違いないだろうけど。
それを王家が出せないとかの話も有りそうだな。
依頼を出した金額はいくらだったのだろう。
できるできないの話だけしてたので聞いてなかった。
「依頼料は未定よ。
一応前例が無かったことになっているのですもの。
命が係っている訳でもないし難しいわね。
経費としてはゴブリン10匹くらいとマナポーション2本分の魔力かしら。
あと、ナギサが奉納した下着代も有ったわね?
それでもかなり安上がりだったわ。
ただ治療としてはかなりの高額をもらわないといけないわね。」
そりゃあまあ安く欠損を治す訳にはいかないよね。
これから教会の人が修行してできるようになる苦労を考えれば。
誰でもできるようになる訳でも無いだろうし。
霊薬を考えれば億円単位行くかな。
ミュリエルとセラフィナが褒章でもらったのと同じくらいってことか。
つまり金貨100枚単位か。
「そうね、そのくらいはもらっても良さそうね。
手足が生えてくるならそのくらいは出すでしょう。」
褒章にこの国は金貨200枚出したけど、個人のためだったら出せるかな?
隣国がよほど裕福なら出せるだろうけど。
まあ、相手がどれだけ出す気になるかってのが肝心か。
公式には史上初、非公式でも500年ぶりだしな。
その価値をどれだけ評価できるのか、だな。
侯爵邸へ行ってみると家令さん涙目。
まだ代理人が来ないそうです。
人選が難しいのかね?
元令嬢関係者はハネないといけないだろうし。
役立たず送られても困るし。
可愛そうだから一泊でもさせてあげる?
素気無くミランダに却下されました。
やはり使用人の男勢に厳しいよね?
家令さんには海で取れた塩を見せる。
この世界で一般的な岩塩と違って混ざりもののない塩に驚いている。
最初は煮詰めて作ったものの、最後はミュリエルと錬金術で精製しちゃったからね。
手ほどきされながら1トン近くできちゃったから仕方ないね。
これも売り物になりそうだ。
国の専売とかどこかの貴族連中で抑えてるとかは無い?
商業ギルドに売って各地への輸送は任せちゃえば良いか。
魔道具に落とし込めれば侯爵家直営で安定収入確保できるね。
領民には格安で売るのも良いかもしれない。
転売で小銭稼いでも良いだろうし。
サラリー的に第2の通貨になっても構わないだろう。
塩1kgコインでも作って変動相場制で投機も始めてみる?
なにせ岩塩1kgで大銅貨1枚、5000円前後するらしい。
産地なら銅貨20枚、2000円くらいらしいから運送費がかなり掛かってるよね。
日本に比べるとそれでも元から高いけど。
魔物が居るので護衛必須で何日も掛けて移動してれば経費嵩むわな。
やはり交通の課題が一番かもしれない。
ミランダたちの話し合いの議題にもなるようだ。
味付けの基本は塩しかない世界なのに、それが高いとか食文化発展しないわな。
醤油と味噌は売りに出せる程作っていない。
今のところ創造魔法でしか作れないからな。
カキのバター醤油焼きは好評だったので醤油も売れるとは思うけど。
「領内から寡婦を集め海女を養成しましょう。
カキも十分あの町の商品になります。」
ミランダさん、女性ばかり集める気持ちが溢れていますよ?
ミュリエルとセラフィナの影響なのだろうか。
アンさんも拾っちゃったもんね。
輸送を考えると干物にすれば領外でも売れるだろうけど。
燻製とかオイル漬けとかも有りか?
あまり海の物が出回っていないようなので商売にはなるよね。
無理やり砂浜も作ってアサリやハマグリを狙っても良いかもしれない。
子供と一緒に潮干狩りできるのは良いかも。
家令さんから女性の奴隷を買ってはどうかとの意見も。
ミランダ他2名の過去をえぐっちゃってるけど大丈夫?
塩対応が加速しちゃうよ?
ある程度高収入で自分を買い戻す手にすることもできるかもしれないけどさ。
取り敢えず海に頼った産業が最初に来そうだね。
領都との運河でも掘っっちゃうか?
今のところ船だけは動力源あるからね。
水の代わりに空気噴き出すことも考えてるけど。
1
お気に入りに追加
1,466
あなたにおすすめの小説
【R18 】必ずイカせる! 異世界性活
飼猫タマ
ファンタジー
ネットサーフィン中に新しいオンラインゲームを見つけた俺ゴトウ・サイトが、ゲーム設定の途中寝落すると、目が覚めたら廃墟の中の魔方陣の中心に寝ていた。
偶然、奴隷商人が襲われている所に居合わせ、助けた奴隷の元漆黒の森の姫であるダークエルフの幼女ガブリエルと、その近衛騎士だった猫耳族のブリトニーを、助ける代わりに俺の性奴隷なる契約をする。
ダークエルフの美幼女と、エロい猫耳少女とSEXしたり、魔王を倒したり、ダンジョンを攻略したりするエロエロファンタジー。
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
俺のスキル『性行為』がセクハラ扱いで追放されたけど、実は最強の魔王対策でした
宮富タマジ
ファンタジー
アレンのスキルはたった一つ、『性行為』。職業は『愛の剣士』で、勇者パーティの中で唯一の男性だった。
聖都ラヴィリス王国から新たな魔王討伐任務を受けたパーティは、女勇者イリスを中心に数々の魔物を倒してきたが、突如アレンのスキル名が原因で不穏な空気が漂い始める。
「アレン、あなたのスキル『性行為』について、少し話したいことがあるの」
イリスが深刻な顔で切り出した。イリスはラベンダー色の髪を少し掻き上げ、他の女性メンバーに視線を向ける。彼女たちは皆、少なからず戸惑った表情を浮かべていた。
「……どうしたんだ、イリス?」
アレンのスキル『性行為』は、女性の愛の力を取り込み、戦闘中の力として変えることができるものだった。
だがその名の通り、スキル発動には女性の『愛』、それもかなりの性的な刺激が必要で、アレンのスキルをフルに発揮するためには、女性たちとの特別な愛の共有が必要だった。
そんなアレンが周りから違和感を抱かれることは、本人も薄々感じてはいた。
「あなたのスキル、なんだか、少し不快感を覚えるようになってきたのよ」
女勇者イリスが口にした言葉に、アレンの眉がぴくりと動く。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
大好きな彼女を学校一のイケメンに寝取られた。そしたら陰キャの僕が突然モテ始めた件について
ねんごろ
恋愛
僕の大好きな彼女が寝取られた。学校一のイケメンに……
しかし、それはまだ始まりに過ぎなかったのだ。
NTRは始まりでしか、なかったのだ……
金貨1,000万枚貯まったので勇者辞めてハーレム作ってスローライフ送ります!!
夕凪五月雨影法師
ファンタジー
AIイラストあり! 追放された世界最強の勇者が、ハーレムの女の子たちと自由気ままなスローライフを送る、ちょっとエッチでハートフルな異世界ラブコメディ!!
国内最強の勇者パーティを率いる勇者ユーリが、突然の引退を宣言した。
幼い頃に神託を受けて勇者に選ばれて以来、寝る間も惜しんで人々を助け続けてきたユーリ。
彼はもう限界だったのだ。
「これからは好きな時に寝て、好きな時に食べて、好きな時に好きな子とエッチしてやる!! ハーレム作ってやるーーーー!!」
そんな発言に愛想を尽かし、パーティメンバーは彼の元から去っていくが……。
その引退の裏には、世界をも巻き込む大規模な陰謀が隠されていた。
その陰謀によって、ユーリは勇者引退を余儀なくされ、全てを失った……。
かのように思われた。
「はい、じゃあ僕もう勇者じゃないから、こっからは好きにやらせて貰うね」
勇者としての条約や規約に縛られていた彼は、力をセーブしたまま活動を強いられていたのだ。
本来の力を取り戻した彼は、その強大な魔力と、金貨1,000万枚にものを言わせ、好き勝手に人々を救い、気ままに高難度ダンジョンを攻略し、そして自身をざまぁした巨大な陰謀に立ち向かっていく!!
基本的には、金持ちで最強の勇者が、ハーレムの女の子たちとまったりするだけのスローライフコメディです。
異世界版の光源氏のようなストーリーです!
……やっぱりちょっと違います笑
また、AIイラストは初心者ですので、あくまでも小説のおまけ程度に考えていただければ……(震え声)
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる