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第十八話
しおりを挟む元公爵令嬢ミリアム18歳。
聖女見習い組のケイト18歳と並んで元貴族令嬢たちの最年長。
恐らくミリアムがミランダたち領地運営組、ケイトが聖女見習い組をそれぞれまとめてくれていると期待している。
ミリアムも聞いていたのと違うと言ってたけれど、一度その閨教育とやらを聞いてみたいね。
後継を残す事が第一だと何か違うのだろうか。
する事は一緒なのだから互いに気持ち良い方が良いだろうに。
何なら排卵周期計算した方が貴族的には有効じゃない?
まあ、この世界にはオギノ博士は居ないか。
きっと閨教育ではオカルト的なことが伝わってるんだろうね。
ミリアムが育ったグランダール公爵家、2代前つまりミリアムの曾爺さんが王子だったそうだ。
そろそろ公爵家から侯爵家になりそうだったとミリアムが言っている。
下手をすれば一気に伯爵位になってたかもとも。
今の当主、ミリアム父は血筋しか見るべきところが無く、子はミリアムしか居ないのに勘当してしまう程のアレなのだそうだ。
格下の伯爵令息に婚約破棄されたことに腹を立てていたらしい。
ミリアムが帰還しないと言った今、公爵家終わるじゃん。
養子取って存続させる程の歴史も功績も無いらしいし。
なので、ミリアムはミリアム母を呼び寄せてしまうつもりで居る。
ミリアム父が更にアレな事を起こす前に離縁させてしまいたいそうだ。
お馬鹿の被害者は少ない方が良いよね。
父親への断りの手紙と共に母親へ別ルートで手紙を送ったそうだ。
ミリアム母のことだからすぐに手続きを済ませグリエール領に直接来るだろうと言っている。
ミリアムはきっとミリアム母の血だけを受け継いだのだな。
ミリアム母は公爵夫人として、アレな公爵を支えて来たそうだ。
社交界にも影響力を持っているのでミランダの為にも来て欲しいとのこと。
そんな夫人を失ったら公爵家はすぐに終わるな。
或いは野望を持ってやって来る後妻に狙われて、食い潰される未来が見える。
それを承知で父親や旦那を切り捨てるミランダとミランダ母は凄いな。
貴族の世界は弱肉強食なのだな。
ミリアムを連れて先ほどの部屋に戻ると、まだジオラマで盛り上がっていた。
中央に精霊樹らしき背の高い樹が立っているのはセラフィナの仕業か?
地球にはそんな樹は無いから。
634mのツリーは日本に在るけどな。
そんなの建てたら王都からも見えちゃうぞ。
皆ワインを飲んで好き勝手にジオラマで遊んでいるようだ。
城まで有るのは、こちらの人にはやはり上に立つ者として必要なのだろうか。
それとも防衛拠点として必須なのだろうか。
具体的な計画を盛り込んだものは別に作ると言ってあるので構わないのだけどね。
後、海にイカっぽいクラーケンらしきものが有るのは不吉なので止めて下さい。
実在してたりしないよね?
ミリアムはミランダが引き取り、ミュリエルがアンさんを差し出してきた。
サラーちゃんは既にお風呂を終え、聖女見習い組が添い寝しているそうだ。
何その一致団結、準備万端な体制は。
既に順番とか予定は組まれているのね。
アンさんはもらって行きますけどね。
アンさんがミュリエルとセラフィナに聞かされてたものを体験してもらって、欲求の不満を解消して頂きましょう。
とは言え、特別なことをする訳でも無く、俺としてはいつも通りなのですけどね。
アンさんに満足して頂いた頃、ミュリエルとセラフィナが乱入して来た。
いつも思うけど気配探ってタイミング見計らっての乱入だよね。
俺は構わないのだけれど、急な展開にミランダやアンさんは驚くよね。
今日はアンさんが控えていたからミリアムのときには来なかったけれど、その内ミリアムも驚かされるんだろうな。
そしてふたりも満足したらアンさんを連れてお風呂に向かって行った。
アンさんが脱力しちゃってたのでふたりが両脇を抱えて行った。
サラーちゃん抜きでも何気に仲良くなってる3人だよね。
きっとまた3人で話し合いをするんだろう。
ミュリエルたちと入れ替わりにミランダがやって来た。
今晩はミランダが朝までベッドに居る当番らしいです。
そんなのも決めてあったのか。
取り敢えず俺たちもお風呂に行きましょうかね。
客室ごとにお風呂が有るので鉢合わせはしない。
3人は俺の論評しているだろうから聞きたくないもんね。
多分ミランダもミリアムと閨教育絡みで話し合ったりしたのだろうけど、人と比べられても俺としてはどうしようもないことなので。
そんな事よりも目の前の嫁に集中している俺です。
「先ほどの町作りを想像していて、わたくしたちの町を作るのだと楽しみになりました。
あれこれと皆で意見を出し合ってそれが仮初とは言え形になるのはうれしいものですね。
予行演習とナギサ様がおっしゃっていたのが分かりました。
この気持ちをグリエール領にも持てるようにしなくてはいけないのですね。」
ミランダ、ええ娘や。
デートする場所を考えてたとは言わないでおこう。
返事代わりにもっとミランダを愛でましょう。
「もう少し建物が増えたら使用人たちを呼んでもよろしいでしょうか。
王都の侯爵邸も最低限の管理ができる人数を残して移動させようかと思うのですが。」
「そうだね、馬車に収まり切れない人たちには待ってもらっているからね。
王都の人たちも仕事が無いのは申し訳ないか。
あれだけ広い町に俺たちだけって言うのも寂しいしね。
使用人たちなら守秘義務も大丈夫でしょう。
暮らしてみての意見も多い方が良いよね。」
「わたくしたちが思い付かなかった、必要な施設も教えてもらえるかもしれませんからね。
セラフィナ様とミュリエル様以外は町中での暮らしに疎い者ばかりです。
まだまだ足りないものが有ると思いますわ。」
俺なんてこちらの世界での生活に疎いからね。
100枚毎に繰り上がると思ってた硬貨に50枚相当の大が付く硬貨があるって最近知ったばかりだものね。
そりゃあ90枚のおつりとか出されても重くて嵩張って困るんだからあるよね。
50枚毎でも元々重い硬貨ばかりなんだから、どうなのよと思うけどね。
15歳の身体は素晴らしく、ミランダには少し無理をさせたかもしれない。
そっち方面のパラメーターが有るんじゃないだろうな。
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