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6月の土曜日の朝。
梅雨入りはしたものの、今日は快晴だった。
「ゆず、袋そっちね」
イベント会場の入り口付近では、各種屋台が並び、その中の一つにふんわりベーカリーもある。屋台の中ではゆず、かんな、秋人が準備を進めていた。
「うん、かんな。お釣りの箱はここでいい?」
「うん。いい」
「かんなさん、パンのケースの位置はこの辺でいいですか?」
「うん。いい」
秋人の質問にも眈々と答えるかんなだった。
「こういうイベントにあんながいないってなんか変な感じだね」
「ゆずのせい」
かんなはジト目でゆずを見た。
「そ、そうなんだけど!私一生懸命がんばるから、かんなと秋人さんでがんばって売ってね」
「ええっ!僕とかんなさんの2人だけで売るんですか!む、無理ですよ!」
「でも、まだ袋詰めも終わってないし・・・」
ゆずが残念そうな、いや、かなり安心したような顔で、ケースの山を見た。
今朝は近所のママさんたちにもきてもらって朝から数千個のふわコロサンドを作ってきた。
が、袋詰めまでは間に合わず、現地でもやることになってしまったのだった。
やるとは言ったものの、人見知りの激しいゆずにとって接客は絶対に避けたいものだった。なのでこの展開は願ったり叶ったりだった。
「一応、応援の人たちも来てくれることになってるけど・・・あっ!」
とそこに、見知った人たちがやってきた。
「ゆずさん、おはようございます!」
「あ、麻希ちゃん、みなさん、ありがとう!」
「い、いえ・・・麻希ちゃんもちょっと心配だったし、ね?」
と麻希の後ろにいた部長の野村みゆきが答えた。横では竹岡奈帆がうなずいている。
イベントの話を聞いた麻希は、屋台での販売に興味を持ち、自分から手伝いたいと申し出たのだった。でも、知らない人たちの中に1人でいるのもいやだったので、半ば強引に(鷹文先輩も来るんだから、文芸部全員参加でいいですよね!などと言ったものだった)文芸部の先輩2人を連れてきたのだった。
「お二人もありがとうございます。助かります。かんな、秋人さん!麻希さんと、えーと・・・」
とゆずがそういえば名前知らなかった、というような焦り顔で2人を見た。
「野村みゆきです」
「竹岡奈帆です」
「うわぁ、めっちゃ助かりますありがとうございます!みんなで頑張って売りましょうね!」
秋人が嬉しそうに2人に微笑んだ。
「えっ、わ、私たちは裏方って・・・」
驚いているみゆきの後ろで奈帆がうんうんとうなずいている。
「えっ・・・か、かんなさん!」
「無理は言えない」
かんなはゆずを見ながら言った。
「・・・ですよねぇ」
「あの・・・私は販売大丈夫ですよ」
残念がる秋人を見て、麻希は小さく手を上げた。
「ほ、ほんとですか!うれしいなぁ」
秋人は両手で麻希の手を握り、嬉しそうにブンブンと握手した。
さわやかイケメンに手を握られて、麻希は頬を赤らめた。
「えっと、麻希さんですよね?じゃあ僕と一緒にこっちやりましょう。説明しますねぇ」
秋人は手を繋いだまま、嬉しそうに麻希を売り場に連れて行った。
それを見てほっと安心したみゆきたちに、こんどはゆずが控えめに話し始めた。
「今日は4種類あるんですけど、一つづつ袋詰していきます。全然間に合ってなくって、たくさん袋詰めしなきゃいけないんですけど・・・」
「大丈夫ですよ。私たち、細かい作業は得意ですから。ね、奈帆」
「はい。ひ、人前に出なくていいなら、がんばります!」
「わたしも人前は怖いですから。がんばりましょうね!」
「これ・・・美味しそうですね?」
奈帆がふわコロサンドを見つめながら言った。
「食べていいよ。味、分かってた方がいいから」
ゆずたちの成り行きを見ていたかんながぼそっと言った。
「い、いいんですか?」
奈帆の言葉にこくんとうなずくかんな。
「わ、わたしも味見したいです!」
秋人と準備を進めていた麻希も勢いよく手を上げた。
「じゃあ、4個ずつどうぞ」
とゆずが三人に4個ずつ渡すと、文芸部チームは嬉しそうに頬張った。
「明衣ちゃんあんなちゃんどう?」
一方こちらは和泉のワゴン車の中。明衣はあんなを、和泉は彩乃の着替えとメイクを担当していた。
「はーい。もう少しでできます。結衣、ブラシとってくれる」
「はい、お姉ちゃん」
木村家姉妹は阿吽の呼吸であんなの準備を進めている。
「お願いね!さて彩乃ちゃん。アイメイクするからお目目つぶってね」
「ふ、ふぁい」
慣れないメイクをされて緊張気味の彩乃は、メイクが崩れないかと心配して、返事もままならないようだ。
「どうしたの、彩乃ちゃん。緊張してる?」
「お、お化粧なんてしたことなかったから・・・」
「そっか。そうよね。まだ中学生だもんね。それでもこんなに可愛いなんて・・・やっぱり姉妹ね」
メイクの手を止めた和泉は、目を閉じている彩乃をじっと見つめた。
「うーん。この子連れて帰りたい!」
「だ、だめですよ、和泉さん!彩乃は私の友達なんだから!」
結衣が、心配そうに目を閉じている彩乃を見た。
「あはは、冗談よ。さてっと・・・これからあなたは彩香ちゃんになりますよぉ・・・」
「わ、私、お姉ちゃんに、なる・・・」
和泉はメイクをしながら彩乃を洗脳し始めた。
そして彩香たち。
入り口で渡されたスタッフシールを胸に貼り、彩香と鷹文はステージ裏にいた。
撮影の時は父の真似をして白シャツのことが多い彩香だったが、今日は上下とも黒系で、髪の毛も小さくまとめ、キャップをかぶっている。メガネこそかけていないが全体的にボーイッシュにまとめ、出来るだけ彩奈らしさを排除しようとしているようだった。
「いつもと違うんだな」
そんな姿を見て、鷹文が言った。
「うん。なるべく目立たないようにしようと思ってね。大丈夫だとは思うんだけど、気づかれると怖いし」
「だな。もともとはみんな彩香目当てで来てるんだろうし」
「そ、そんなことないよ!」
「彩香ちゃん、鷹文くん、おはよ!」
彩香が顔を赤らめていると、三脚とカメラケースを持った舞菜がやってきた。
「お、おはようございます、舞菜さん。今日はよろしくお願いします」
「おはようございます」
「鷹文くん、今日は彩香ちゃんの護衛、頑張ってね」
「はい。彩香、自覚が足りないようなんで気をつけます」
「自覚って・・・大丈夫ですよ。誰も私のことなんて見ませんよ」
「・・・大変そうね、鷹文くん」
「はい・・・」
舞菜と鷹文は、不安そうに頷き合った。
「君たちが副編が言ってたカメラの子?」
彩香たちが話していると、大きな三脚とカメラバッグを持った男性がやってきた。
「はい。おはようございます。小林と言います。今日はよろしくお願いします」
舞菜の言葉に、彩香たちも頭を下げた。
「私は遠野です。よろしくお願いします」
「俺は小森。よろしくね・・・っていうかさ、君たちむしろ撮られる側じゃない?」
小森が特に彩香を観察しながら言った。
「それはその・・・」
口籠る彩香。
「で、君は?」
小森は彩香の隣にいた鷹文に話しかけた。
「はい、俺は遠野のサポートをします、斉藤です」
「そっか。その方がいいね。そっちの彼女はちゃんと守ってやらないと・・・」
小森はまじまじと彩香の顔を覗き込んだ。
「ていうかさ!君。彩奈の子じゃないの?」
「え、ええ、まあ・・・」
曖昧に答える彩香。
「えっ、ってことは今日は出ないの⁉︎俺、君の写真撮るの楽しみにしてたのに・・・」
小森はあからさまに残念そうな顔をした。
「す、すいません!でも、今日は妹が出ますから」
「そっかぁ・・・妹さんって、君に似てるの?」
「そっくりですよ。私、最初完全に騙されましたもん」
舞菜が言った。
「そっかぁ。じゃあ楽しみにしとくか。彼氏くんもちゃんと守ってやってね」
「か、彼氏ってわけじゃ・・・」
鷹文と彩香が同時に真っ赤になるのも気にせず、小森は打ち合わせを始めた。
「じゃあ俺、先行くから。終わったらまたここ集合ね。データー貰いたいから」
「「はい、よろしくお願いします!」」
小森が出て行った後、彩香と舞菜は間違いのないように打ち合わせの確認を行った。
「えっと・・・小森さんが中央からで、私が右、彩香ちゃんが左ね。鷹文くん、彩香ちゃんちゃんと守ってあげげね」
「はい。今日は脚立から落ちないように気をつけます」
「?・・・あー、そうね、うふふ」
大磯でのことを思い出した舞菜は、彩香見ながらニンマリと笑った。
「ま、舞菜さん!鷹文くんも!」
2人のやりとりに彩香はむくれ顔になった。
梅雨入りはしたものの、今日は快晴だった。
「ゆず、袋そっちね」
イベント会場の入り口付近では、各種屋台が並び、その中の一つにふんわりベーカリーもある。屋台の中ではゆず、かんな、秋人が準備を進めていた。
「うん、かんな。お釣りの箱はここでいい?」
「うん。いい」
「かんなさん、パンのケースの位置はこの辺でいいですか?」
「うん。いい」
秋人の質問にも眈々と答えるかんなだった。
「こういうイベントにあんながいないってなんか変な感じだね」
「ゆずのせい」
かんなはジト目でゆずを見た。
「そ、そうなんだけど!私一生懸命がんばるから、かんなと秋人さんでがんばって売ってね」
「ええっ!僕とかんなさんの2人だけで売るんですか!む、無理ですよ!」
「でも、まだ袋詰めも終わってないし・・・」
ゆずが残念そうな、いや、かなり安心したような顔で、ケースの山を見た。
今朝は近所のママさんたちにもきてもらって朝から数千個のふわコロサンドを作ってきた。
が、袋詰めまでは間に合わず、現地でもやることになってしまったのだった。
やるとは言ったものの、人見知りの激しいゆずにとって接客は絶対に避けたいものだった。なのでこの展開は願ったり叶ったりだった。
「一応、応援の人たちも来てくれることになってるけど・・・あっ!」
とそこに、見知った人たちがやってきた。
「ゆずさん、おはようございます!」
「あ、麻希ちゃん、みなさん、ありがとう!」
「い、いえ・・・麻希ちゃんもちょっと心配だったし、ね?」
と麻希の後ろにいた部長の野村みゆきが答えた。横では竹岡奈帆がうなずいている。
イベントの話を聞いた麻希は、屋台での販売に興味を持ち、自分から手伝いたいと申し出たのだった。でも、知らない人たちの中に1人でいるのもいやだったので、半ば強引に(鷹文先輩も来るんだから、文芸部全員参加でいいですよね!などと言ったものだった)文芸部の先輩2人を連れてきたのだった。
「お二人もありがとうございます。助かります。かんな、秋人さん!麻希さんと、えーと・・・」
とゆずがそういえば名前知らなかった、というような焦り顔で2人を見た。
「野村みゆきです」
「竹岡奈帆です」
「うわぁ、めっちゃ助かりますありがとうございます!みんなで頑張って売りましょうね!」
秋人が嬉しそうに2人に微笑んだ。
「えっ、わ、私たちは裏方って・・・」
驚いているみゆきの後ろで奈帆がうんうんとうなずいている。
「えっ・・・か、かんなさん!」
「無理は言えない」
かんなはゆずを見ながら言った。
「・・・ですよねぇ」
「あの・・・私は販売大丈夫ですよ」
残念がる秋人を見て、麻希は小さく手を上げた。
「ほ、ほんとですか!うれしいなぁ」
秋人は両手で麻希の手を握り、嬉しそうにブンブンと握手した。
さわやかイケメンに手を握られて、麻希は頬を赤らめた。
「えっと、麻希さんですよね?じゃあ僕と一緒にこっちやりましょう。説明しますねぇ」
秋人は手を繋いだまま、嬉しそうに麻希を売り場に連れて行った。
それを見てほっと安心したみゆきたちに、こんどはゆずが控えめに話し始めた。
「今日は4種類あるんですけど、一つづつ袋詰していきます。全然間に合ってなくって、たくさん袋詰めしなきゃいけないんですけど・・・」
「大丈夫ですよ。私たち、細かい作業は得意ですから。ね、奈帆」
「はい。ひ、人前に出なくていいなら、がんばります!」
「わたしも人前は怖いですから。がんばりましょうね!」
「これ・・・美味しそうですね?」
奈帆がふわコロサンドを見つめながら言った。
「食べていいよ。味、分かってた方がいいから」
ゆずたちの成り行きを見ていたかんながぼそっと言った。
「い、いいんですか?」
奈帆の言葉にこくんとうなずくかんな。
「わ、わたしも味見したいです!」
秋人と準備を進めていた麻希も勢いよく手を上げた。
「じゃあ、4個ずつどうぞ」
とゆずが三人に4個ずつ渡すと、文芸部チームは嬉しそうに頬張った。
「明衣ちゃんあんなちゃんどう?」
一方こちらは和泉のワゴン車の中。明衣はあんなを、和泉は彩乃の着替えとメイクを担当していた。
「はーい。もう少しでできます。結衣、ブラシとってくれる」
「はい、お姉ちゃん」
木村家姉妹は阿吽の呼吸であんなの準備を進めている。
「お願いね!さて彩乃ちゃん。アイメイクするからお目目つぶってね」
「ふ、ふぁい」
慣れないメイクをされて緊張気味の彩乃は、メイクが崩れないかと心配して、返事もままならないようだ。
「どうしたの、彩乃ちゃん。緊張してる?」
「お、お化粧なんてしたことなかったから・・・」
「そっか。そうよね。まだ中学生だもんね。それでもこんなに可愛いなんて・・・やっぱり姉妹ね」
メイクの手を止めた和泉は、目を閉じている彩乃をじっと見つめた。
「うーん。この子連れて帰りたい!」
「だ、だめですよ、和泉さん!彩乃は私の友達なんだから!」
結衣が、心配そうに目を閉じている彩乃を見た。
「あはは、冗談よ。さてっと・・・これからあなたは彩香ちゃんになりますよぉ・・・」
「わ、私、お姉ちゃんに、なる・・・」
和泉はメイクをしながら彩乃を洗脳し始めた。
そして彩香たち。
入り口で渡されたスタッフシールを胸に貼り、彩香と鷹文はステージ裏にいた。
撮影の時は父の真似をして白シャツのことが多い彩香だったが、今日は上下とも黒系で、髪の毛も小さくまとめ、キャップをかぶっている。メガネこそかけていないが全体的にボーイッシュにまとめ、出来るだけ彩奈らしさを排除しようとしているようだった。
「いつもと違うんだな」
そんな姿を見て、鷹文が言った。
「うん。なるべく目立たないようにしようと思ってね。大丈夫だとは思うんだけど、気づかれると怖いし」
「だな。もともとはみんな彩香目当てで来てるんだろうし」
「そ、そんなことないよ!」
「彩香ちゃん、鷹文くん、おはよ!」
彩香が顔を赤らめていると、三脚とカメラケースを持った舞菜がやってきた。
「お、おはようございます、舞菜さん。今日はよろしくお願いします」
「おはようございます」
「鷹文くん、今日は彩香ちゃんの護衛、頑張ってね」
「はい。彩香、自覚が足りないようなんで気をつけます」
「自覚って・・・大丈夫ですよ。誰も私のことなんて見ませんよ」
「・・・大変そうね、鷹文くん」
「はい・・・」
舞菜と鷹文は、不安そうに頷き合った。
「君たちが副編が言ってたカメラの子?」
彩香たちが話していると、大きな三脚とカメラバッグを持った男性がやってきた。
「はい。おはようございます。小林と言います。今日はよろしくお願いします」
舞菜の言葉に、彩香たちも頭を下げた。
「私は遠野です。よろしくお願いします」
「俺は小森。よろしくね・・・っていうかさ、君たちむしろ撮られる側じゃない?」
小森が特に彩香を観察しながら言った。
「それはその・・・」
口籠る彩香。
「で、君は?」
小森は彩香の隣にいた鷹文に話しかけた。
「はい、俺は遠野のサポートをします、斉藤です」
「そっか。その方がいいね。そっちの彼女はちゃんと守ってやらないと・・・」
小森はまじまじと彩香の顔を覗き込んだ。
「ていうかさ!君。彩奈の子じゃないの?」
「え、ええ、まあ・・・」
曖昧に答える彩香。
「えっ、ってことは今日は出ないの⁉︎俺、君の写真撮るの楽しみにしてたのに・・・」
小森はあからさまに残念そうな顔をした。
「す、すいません!でも、今日は妹が出ますから」
「そっかぁ・・・妹さんって、君に似てるの?」
「そっくりですよ。私、最初完全に騙されましたもん」
舞菜が言った。
「そっかぁ。じゃあ楽しみにしとくか。彼氏くんもちゃんと守ってやってね」
「か、彼氏ってわけじゃ・・・」
鷹文と彩香が同時に真っ赤になるのも気にせず、小森は打ち合わせを始めた。
「じゃあ俺、先行くから。終わったらまたここ集合ね。データー貰いたいから」
「「はい、よろしくお願いします!」」
小森が出て行った後、彩香と舞菜は間違いのないように打ち合わせの確認を行った。
「えっと・・・小森さんが中央からで、私が右、彩香ちゃんが左ね。鷹文くん、彩香ちゃんちゃんと守ってあげげね」
「はい。今日は脚立から落ちないように気をつけます」
「?・・・あー、そうね、うふふ」
大磯でのことを思い出した舞菜は、彩香見ながらニンマリと笑った。
「ま、舞菜さん!鷹文くんも!」
2人のやりとりに彩香はむくれ顔になった。
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