288 / 428
1
287
しおりを挟む放課後、いつものようにバイトに来た彩香は、着替える前に冷蔵庫の前にしゃがみ込んでいた。
「あー、やっぱり足りないかぁ・・・」
冷蔵庫と戸棚を確認して買い足す食材の見当をつけた後、彩香は鷹文の部屋へやってきた。
「ごめんね鷹文くん。今日、いいかな?」
「買い物か?」
机に座っていた鷹文は、さりげなくノートを閉じながらドアの前に立つ彩香を見た。
「うん。ちょっと多くなりそうだから」
「ああ。いいんだが・・・ちょっとだけ待ってくれるか?」
鷹文はちらっとノートを見た。
「うん、下で待ってるね。ありがとう」
彩香が階段を降りていく軽い足音を聞いた後、鷹文はもう一度ノートを開き書き込みを済ませ、玄関へ向かった。
鷹文が降りていくと、彩香はエコバッグを持って玄関にいた。
「すまん、待たせた」
「ううん。じゃあ行きましょうか」
二人は駅に向かって歩き始めた。地元のスーパーは駅前にある。
「もう日が暮れるんだな」
鷹文が空を見上げると、雲が茜色に染まっていた。
「そうね。でもだいぶ遅くなってきたわよ」
「そうなのか?」
「一ヶ月前くらいだと、この時間もう真っ暗だったし」
「そうだったか?」
意外なことを覚えているもんだなと思いながら、鷹文は彩香の横顔を見た。
彩香の横顔は、夕日に照らされて輝いていた。
「うん。少しずつだけど春が近づいてきてるんだね」
「まだ十分寒いけどな」
鷹文が冷たそうに手を擦り合わせた。
「そうね。っていうか鷹文くん手袋使わないの?」
「・・・面倒だろ」
鷹文はポケットに手を突っ込みそっぽを向いた。
「まったく、男の子って・・・」
彩香は呆れ顔で鷹文を見た。
「あー、やっぱり足りないかぁ・・・」
冷蔵庫と戸棚を確認して買い足す食材の見当をつけた後、彩香は鷹文の部屋へやってきた。
「ごめんね鷹文くん。今日、いいかな?」
「買い物か?」
机に座っていた鷹文は、さりげなくノートを閉じながらドアの前に立つ彩香を見た。
「うん。ちょっと多くなりそうだから」
「ああ。いいんだが・・・ちょっとだけ待ってくれるか?」
鷹文はちらっとノートを見た。
「うん、下で待ってるね。ありがとう」
彩香が階段を降りていく軽い足音を聞いた後、鷹文はもう一度ノートを開き書き込みを済ませ、玄関へ向かった。
鷹文が降りていくと、彩香はエコバッグを持って玄関にいた。
「すまん、待たせた」
「ううん。じゃあ行きましょうか」
二人は駅に向かって歩き始めた。地元のスーパーは駅前にある。
「もう日が暮れるんだな」
鷹文が空を見上げると、雲が茜色に染まっていた。
「そうね。でもだいぶ遅くなってきたわよ」
「そうなのか?」
「一ヶ月前くらいだと、この時間もう真っ暗だったし」
「そうだったか?」
意外なことを覚えているもんだなと思いながら、鷹文は彩香の横顔を見た。
彩香の横顔は、夕日に照らされて輝いていた。
「うん。少しずつだけど春が近づいてきてるんだね」
「まだ十分寒いけどな」
鷹文が冷たそうに手を擦り合わせた。
「そうね。っていうか鷹文くん手袋使わないの?」
「・・・面倒だろ」
鷹文はポケットに手を突っ込みそっぽを向いた。
「まったく、男の子って・・・」
彩香は呆れ顔で鷹文を見た。
0
お気に入りに追加
252
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転校して来た美少女が前幼なじみだった件。
ながしょー
青春
ある日のHR。担任の呼び声とともに教室に入ってきた子は、とてつもない美少女だった。この世とはかけ離れた美貌に、男子はおろか、女子すらも言葉を詰まらせ、何も声が出てこない模様。モデルでもやっていたのか?そんなことを思いながら、彼女の自己紹介などを聞いていると、担任の先生がふと、俺の方を……いや、隣の席を指差す。今朝から気になってはいたが、彼女のための席だったということに今知ったのだが……男子たちの目線が異様に悪意の籠ったものに感じるが気のせいか?とにもかくにも隣の席が学校一の美少女ということになったわけで……。
このときの俺はまだ気づいていなかった。この子を軸として俺の身の回りが修羅場と化すことに。
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。


雌蛇の罠『異性異種格闘技戦』男と女、宿命のシュートマッチ!
コバひろ
大衆娯楽
格闘技を通して、男と女がリングで戦うことの意味、ジェンダー論を描きたく思います。また、それによる両者の苦悩、家族愛、宿命。
性差とは何か?

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる