家政婦さんは同級生のメイド女子高生

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それから彩香たちは、初詣の列に並んだ。
いつもは割と静かな境内も、今日だけは人で溢れかえっていた。
「毎年のことだけど、今年も結構並んでるな」
「ああ、まだ年明けてないのにな」
大和と鷹文は、うんざりした顔で参拝の列を見ていた。
「そう言えばさ、去年は早く来すぎて、大晦日のうちにお参り終わっちゃったよね」
と明衣が笑った。
「あれはご利益あるのか心配になったよな。なんとか合格したから良かったけど」
大和も去年のことを思い出したようだ。
「だねぇ。あれで落ちてたら」
「まじ、神さま恨んでたかもな」
明衣と大和はウンウンと頷きあった。
「それ、逆恨みだろ」
鷹文が呆れたように呟いた。
「う、受かったから、恨まなかったしぃ・・・」
「だよな。ちゃんとお礼参りもしたぜ!」
二人は言い訳がましく鷹文に反論した。
「そういえば、お礼参りの時、明衣は神様の前で勝ち誇ったような顔してたな。偉そうに『ありがとよ!』とか」
「まったく・・・あんた余計なことばっか覚えてるよね」
明衣がため息をついた。
「・・・大切なことは忘れてたけどな」
鷹文は周りに聞こえない小さな声で呟いた。

「いいね。そういう思い出って」
ゆずが3人の会話を聞いて言った。
「そうね。でも、私たちも今年一年、たくさん思い出できたわよ」
「そうだね。まさか夏休みにみんなで別荘に、それも何週間も行けるなんて思わなかった」
彩香に言われて、ゆずが懐かしそうに思い出した。
「そうだな、楽しかったなぁ」
大和も思い出したようだ。
「来年もみんなで行くからね!」と明衣。
「・・・ああ」
返事をしながら鷹文は、ちらっと彩香を見た。

階段を半分くらいまで上がると、さらに人の密度が上がっていった。
「ねえ、これ、はぐれたら見つからなくなりそうじゃない」と明衣。
「う、うん・・・」
ゆずが心配そうに返事した。
「ゆず、あんたちっちゃいんだから、はぐれないように大和の服掴んでなさい!」
明衣はゆずの手を取って、有無を言わさず大和のダウンの裾をつかませた。
「い、いいよ、明衣ちゃん・・・」
と言いつつ、手を離すと本当にはぐれてしまいそうで、ゆずは裾をしっかりと握った。
「大和も、ゆず見失っちゃダメだよ」
「あ、ああ・・・ゆずちゃん、なるべくゆっくり歩くから、しっかり掴まってろよ」
大和は横に並んでいるゆずに、優しく声をかけた。
「う、うん・・・ありがと・・・」
ゆずは耳まで真っ赤になってうつむきながら返事した。
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