家政婦さんは同級生のメイド女子高生

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今日はイベントなどはなく、和やかにみんなで談笑していた。
「お姉ちゃん、これ結衣ちゃんが作ってくれたんだよ」
「え?これって・・・」
昨日彩香が彩乃にリクエストした茶碗蒸しが、彩香の前に置かれた。出汁と柚子のいい香りがする。
「彩乃ちゃんに作りかた教えてもらったんです。うちのよりおいしいから、これからうちもこっちで作りますね」
「あらぁ。お母さんの味、負けちゃったわねぇ」
とのんびりと笑う愛。
「す、すいません」
彩香が申し訳なさそうな顔をした。
「いいのよぉ。私の、みんなテキトーだから」
「え?ママの料理、みんな適当なの?」
驚く彩乃。
「ええ。なんとなく見よう見まねでねぇ」
愛は涼しい顔で答えた。
「それで、あのクオリティってある意味すごいんじゃ・・・」
明衣も驚いた。
「ママ、そう言うところ昔からセンスあったみたいでねぇ」
「料理って、センスで作れるものなの?」
興味津々の明衣は、目をキラキラさせながら愛に尋ねた。
「由美さんが作るの、よく見てたからかもねぇ」
「って、えっ?かあさんも由美さんの真似してたの?」
「だから明衣たちも、彩香ちゃんのがおいしく感じるんじゃないかしら」
「木村家の謎が一つ解明された」
明衣が顎の下で人差し指と親指を広げ、探偵のように頷いた。
「お姉ちゃんも、彩香さんの作るとこずっと見てれば上手くなるんじゃない?」
「そうかも、あしたからやってみよっと!」
明衣がポンと手を叩いた。
「め、明衣・・・」
「でもさぁ、よくよく考えてみればうちの味も彩香のおばあちゃんの味だったってことだよね?」
「ほんとだね。これからは彩香師匠さまとお呼びしなくちゃ」
結衣が彩香の方を向き、胸元で両手を握り締めながら恭しく彩香を見つめた。
「結衣ちゃん。やめてよ」
彩香の顔が赤くなった。
「いいえ。彩香さまは私のお師匠さまです」
彩香の手を取って見つめる結衣だった。
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