家政婦さんは同級生のメイド女子高生

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誕生日から数日後の放課後、鷹文はすっかり日課になった作品づくりのため、今日も机に向かっていた。
コンコン
ドアをノックする音の後に和泉の声が聞こえた。
「鷹文くん、今いいかしら？」
「はい、どうぞ」
ドアを開けて和泉が入ってきた。
「今日も書いてるの？」
「はい。こうしてる方ががいろいろなアイディア出てくるので」
「そう。頑張ってね。ところで・・・はい、これ。誕生日プレゼント」
和泉は紙袋からフォトブックを取り出して、鷹文の机の上に置いた。
「え？今、ですか？」
「うん。やっとできたの。見てよ！」
「これ・・・」
「そうよ。パーティーのフォトブック。だから当日には渡せなかったの」
「ありがとうございます」
「いえいえ。あ、これ、私だけじゃなくてみんなからね。久しぶりの誕生日プレゼントだし、ちゃんと思い出に残る方がいいよねって話になって、作ったの」
「見て、いいですか？」
「もちろん！ちなみに編集は私、もちろん自信作よ！」
和泉の言葉を聞きながら、鷹文はフォトブックを開いた。
「な、なんで最初が俺と、彩香・・・」
そこには彩香と鷹文のツーショット写真があった。誕生日に並んで座らさらた直後の写真で、二人とも恥ずかしそうに写っているところが初々しい。
「だってぇ。鷹文くん一人じゃ花がないじゃない。で、誰と一緒にしようかなって・・・ここはやっぱり彩香ちゃんでしょ」
得意げな表情の和泉。
「そ、そうなんですか？」
「ふふふ。まあいいじゃない。思い出なんだから」
「はあ・・・」
「さあ次行ってみようか！」
和泉に促されて、鷹文はゆっくりとページを進めていった。
「・・・色々あるんですね。これは準備してるとこですか？」
「そうよ。ほらこっちなんて」
「明衣のうち」
「そ、ゆずちゃんなんてほっぺに小麦粉つけて頑張ったのよ」
「ほんとだ」
ゆずの写真を見た鷹文が笑顔になった。
「みんなすっごく頑張ってくれたのよ」
「・・・ですね」
「で次からが当日！」
「な、なんですか、これ！」
「ああこれ？いいでしょ爆乳シスターズ」
愛とゆずがアイドル衣装で頰をくっつけて手を広げて、まさにアイドル然として写っていた。
愛は元気だがゆずは恥ずかしそうだった。
「っていうか愛さん・・・」
「準備してる時からノリノリだったからねぇ、愛さん」
「ああいうことする人だとは思いませんでした」
「鷹文くんの誕生日祝えるの、嬉しかったみたいよ」
和泉が優しい声で鷹文に伝えた。
そのあとは当日の写真が沢山あり、鷹文も思い出しながらページをめくっていった。
「ね、いい思い出になったでしょ？」
「はい、ありがとうございます」
「ふふふ。でもまだ終わりじゃないのよ。つぎつぎ！」
急かす和泉。
「次がこのフォトブックのハイライトよ。さあ、見てちょうだい！」
と和泉が次のページをめくると、そこには様々な衣装の彩香がいた。
「さ、彩香・・・」
いつものメイド服姿に始まり、セーラ服、エプロン姿、普段着の彩香、水着の彩香もいる。そして学校の制服の彩香。見開きいっぱいに彩香がいた。
「うふふ。びっくりしたでしょ？」
「びっくりというか・・・」
鷹文はなんと言っていいのかわからなかった。
「あれ？彩香ちゃんじゃだめだった？」
「そういうわけじゃない、けど・・・」
鷹文の顔が赤くなった。
「うちにあった、たぁくさんの彩香ちゃんの写真の中から一番いいの選んであるから、後でゆっくりみてねぇ♡」
「・・・」
「さてさて、次が最後よ」
和泉が最後のページを開くと、そこには集合写真と寄せ書きがあった。
写真の周りに一言ずつ、鷹文へのメッセージが書かれている。
「みんな・・・」
鷹文は一つ一つ噛みしめるようにメッセージを読んでいった。
「・・・ありがとうございます」
「喜んでもらえたかしら？」
「はい。大切にします」
「よかった！あ、これ彩香ちゃんたちには見せちゃダメよ」
「み、見せません！絶対・・・」
「っていうか見せられないわよねぇ」
和泉が妖しい微笑みを浮かべながら部屋を出ていった。
鷹文はもう一度最初からフォトブックを見た後、鍵付きの引き出しに厳重にしまった。