家政婦さんは同級生のメイド女子高生

1

186

「そういえば、洗濯物見てくるの忘れてた」
昼休み。お弁当を食べながら、彩香はそんなことを思い出していた。
「ああそれ、昨日ゆずと私でやっといたよ」
とさらっと答える明衣。
「えっ、本当に？」
「うん。お天気良かったから、明衣ちゃんとお話しして、昨日行ったの」
「ゆずまで・・・本当にごめんね」
「いいって言ったじゃん」
「そうだよ！私も手伝うって言ったし」
「そ、そうなんだけど、私バイトでやってるし・・・」
「あーそれ、安心して、私たちもバイト代もらったから」
「え？そうなの？」
「うん。『彩香くんが引け目を感じないようにね』だって。さすがおじさんだよね。私もああいう大人になりたいわ」
と明衣は感心しながら、コロッケにパクついた。
「ちゃんと二人分あったんだよ。私、びっくりしちゃった」
「・・・」彩香がまた申し訳なさそうな顔になった。
「ああ、それも大丈夫。彩香の半分の時給で二人分だから」
そんなところまできっちり気遣いのできる素敵な大人だった。
「じゃ、じゃあ今日は戻ったらお掃除ね」
彩香が気を取り直すように宣言した。
「だね。でさぁ、私たちも行くから」と明衣。
「えっ、どうして？」
「おじさんにね『彩香くんの監視をお願いします』って言われてんの」
と明衣がニコニコしながら答えた。
「監視って・・・」
「病み上がりでも彩香、絶対無理するから、無理しないように監視してくださいってね。あ、これは彩乃ちゃんが言ってたんだよ」
「彩乃まで・・・」
「お姉ちゃん思いの素敵な妹だね」
ゆずが微笑みながら言った。
「みんな彩香のこと心配してるんだから、ほんとに無理しちゃダメだよ」
「う、うん・・・」
彩香はいたたまれない気持ちになった。
「ほら、そこで落ち込まない！雇い主にこんなに愛されるなんて、嬉しいことじゃない」
「そ、そうだね」
「それにぃ、おじさんさぁ、ゆずに会えるの嬉しい、とか言ってたよ」
とニヤニヤしながら明衣はゆずの顔を見た。
「も、もう、明衣ちゃん！」
ゆずは真っ赤な顔で明衣の腕を叩いた。