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しおりを挟む「ここが音楽室なんだ。なんか懐かしい雰囲気ね」
「こっちです、どうぞ」
入るとそこには、ゆずも含めたバンドのメンバーが最後の練習をしていた。
心配なのか、鷹文も奥の席に座って演奏を聴いているらしかった。
「ゆず、だいぶ慣れたみたいだね」
「うん。よかった」
ゆずを見つけた彩香と明衣が嬉しそうな顔をした。
「和泉さん!お疲れ様です」
和泉が来たことに気づいた玲が挨拶した。
「玲ちゃん、調子はどう?」
「はい、バッチリです」
「そういえば、学園祭の後の予定、ちゃんとわかってる?」
玲の専属プロデューサー(自称)の和泉が抜かりなく尋ねた。
「もちろんです!収録に向けてバッチリレッスンしてます!」
「よろしくね。もう半年もないから、どんどん進めなくちゃだから」
「はい!」
「玲さんって何かやってるんですか?」とベース女子。
「あれ、言わなかったっけ。私、来年声優でデビューするの」
「ええっ!声優⁉︎」
「ええ。にゃんパラってアニメあるでしょ。あれの新キャラのモデルになってて、その縁で声優と、挿入歌も歌うことになってるわ」
「あー、玲ちゃん。歌のところはまだ言っちゃダメ、なんだけどなぁ」
和泉がダメでしょ、という顔になった。
「あ!す、すいません。みんな。年明けまでは黙っててね」
「う、うっす」とドラム男子。
「バンドの女子諸君、集合!」
和泉がみんなの視線を集めた。
「ねえ大和くん。ここ、更衣室とかある?」
「あ、準備室空いてますんでそっち使ってください」
「じゃあ大和くん、荷物そっちに入れてくれる?それから明衣ちゃん、お手伝いよろしく!」
「はーい。じゃあ私、ちょっと行ってくるね」
彩香を除いた女子全員が準備室に入った。
「なあ彩香、何か聞いてるか?」
鷹文が彩香に尋ねた。
「私は何も。明衣は知ってたみたいだけど」
「大和は?」
「いや、俺も」
「いったいどうなってんだ?」
それからしばらくして、和泉と明衣が出てきた。
「はーいお待たせしました!ではお披露目タイムでーす!」
和泉の声に、玲が一人、出てきた。
「おおー!」と男子。「玲さんステキ!」彩香も玲の姿に見惚れた。
玲の服はセーラー服をデフォルメしたもので、セーラー服は全体に青系で、白のニーハイとミニスカートが例のあの領域を作り出している。金髪ツインテの髪の色がいいアクセントになっていた。
「と、当然じゃない!」
玲は自信たっぷりそうな顔をしていたが、彩香に褒められたのが嬉しいようだ。
「夏のメイド服は赤だったじゃない。だから、今回は青系にしたの。空色っていうの?綺麗でしょ」
和泉も自信たっぷりだった。
「ほら、次は二人の番よ。出てらっしゃい。みんな見たがってるわよ」
和泉が準備室をのぞき込んだ。
「い、和泉さん・・・私、これで?」
ゆずが尻込みしていた。
「わ、わたしも、ですか?」
「そうよ。せっかくの晴れ舞台なんだから、ちゃんと目立たなくっちゃ」
「えっ・・・む、無理です!」
「ベース、引っかかりませんかね」
ベース女子はパニエで広がったスカートを気にしていた。
「大丈夫よ。そういうのはちゃあんと考えて作ってるから」
「ほら二人とも。出てきなよ!」
準備室に戻った明衣が、二人を押し出した。
二人も玲と同じデフォルメされたセーラーで、玲を引き立てるためなのか、少しおとなしめの印象の仕上がりになっていた。しかし、いずれも例のあの領域は確保されていた。
「お、おおー!」「二人とも、かわいい」
ゆずとベース女子は、自分たちの個性を保ちつつも、全体で玲を引き立てるような衣装になっていた。
「ふっふっふ。ほら御覧なさい。3人並ぶと完璧でしょ!」
「ほんとですね。すっごく素敵です」
「ああ、いいな、これ」
「でもさ、和泉さん、ステージには俺たちもいるんだけど」
「そこも抜かりないわよ。みんな楽器持って並んでみて」
と和泉に言われるまま、ドラムを中心にいつもの配置で楽器を持って並んだ。
「彩香ちゃん、鷹文くん、どう?」
「・・・ちゃんとバランス取れてますね」と彩香。
「でしょ!私、こういう仕掛け大好きなんだから」
和泉は得意満面の笑みを浮かべた。
「ねえ、鷹文。どんな感じなの?」
「あ、ああ。彩香、カメラ持ってるか?」
「持ってない、けど」
「あ、彩香ちゃん、これ使って」
「和泉さん・・・」
「さすが、用意がいい」
彩香は、和泉から渡された一眼レフで玲たちを数枚撮った。
「ほら、こんな感じよ」
データーを取り込んだノートパソコンで、みんなに今撮った画像を見せた。
「ほんとだ・・・すっごくいいバランス」
「ああ、俺たち、邪魔になってないな」
「っていうか、俺たち抜けたら物足りなくなるかも」
「よくわかったわね。男子二人は白シャツっていう前提で作ってあるのよ!」
「うわ、この人マジすげー」
「でしょ、すっごいよね!」となぜか明衣が得意がった。
「和泉さん、ありがとうございます!」
玲が丁寧にお辞儀した。
「いえいえ。この歳で学園祭に参加できるなんてなんか嬉しくって。だからつい気合い入っちゃったのよ」
「ねえ、せっかくだからこの衣装で一曲やってみようよ!和泉さんにも見てもらいたいし」
「そうだな。やっとくか!」
大和たちはそのまま練習に入った。
彩香はしばらくの間、大和たちの演奏を見ていた。
「明衣、私たちは」
「あ、そうだね。写真の準備しなくちゃ」
「彩香ちゃんの方はどう?」
「はい。あと少しで終わると思います」
「そうなの。明日楽しみにしてるわ。頑張ってね」
「はい。では、失礼します」
彩香と明衣は、写真部の教室へ戻っていった。
「こっちです、どうぞ」
入るとそこには、ゆずも含めたバンドのメンバーが最後の練習をしていた。
心配なのか、鷹文も奥の席に座って演奏を聴いているらしかった。
「ゆず、だいぶ慣れたみたいだね」
「うん。よかった」
ゆずを見つけた彩香と明衣が嬉しそうな顔をした。
「和泉さん!お疲れ様です」
和泉が来たことに気づいた玲が挨拶した。
「玲ちゃん、調子はどう?」
「はい、バッチリです」
「そういえば、学園祭の後の予定、ちゃんとわかってる?」
玲の専属プロデューサー(自称)の和泉が抜かりなく尋ねた。
「もちろんです!収録に向けてバッチリレッスンしてます!」
「よろしくね。もう半年もないから、どんどん進めなくちゃだから」
「はい!」
「玲さんって何かやってるんですか?」とベース女子。
「あれ、言わなかったっけ。私、来年声優でデビューするの」
「ええっ!声優⁉︎」
「ええ。にゃんパラってアニメあるでしょ。あれの新キャラのモデルになってて、その縁で声優と、挿入歌も歌うことになってるわ」
「あー、玲ちゃん。歌のところはまだ言っちゃダメ、なんだけどなぁ」
和泉がダメでしょ、という顔になった。
「あ!す、すいません。みんな。年明けまでは黙っててね」
「う、うっす」とドラム男子。
「バンドの女子諸君、集合!」
和泉がみんなの視線を集めた。
「ねえ大和くん。ここ、更衣室とかある?」
「あ、準備室空いてますんでそっち使ってください」
「じゃあ大和くん、荷物そっちに入れてくれる?それから明衣ちゃん、お手伝いよろしく!」
「はーい。じゃあ私、ちょっと行ってくるね」
彩香を除いた女子全員が準備室に入った。
「なあ彩香、何か聞いてるか?」
鷹文が彩香に尋ねた。
「私は何も。明衣は知ってたみたいだけど」
「大和は?」
「いや、俺も」
「いったいどうなってんだ?」
それからしばらくして、和泉と明衣が出てきた。
「はーいお待たせしました!ではお披露目タイムでーす!」
和泉の声に、玲が一人、出てきた。
「おおー!」と男子。「玲さんステキ!」彩香も玲の姿に見惚れた。
玲の服はセーラー服をデフォルメしたもので、セーラー服は全体に青系で、白のニーハイとミニスカートが例のあの領域を作り出している。金髪ツインテの髪の色がいいアクセントになっていた。
「と、当然じゃない!」
玲は自信たっぷりそうな顔をしていたが、彩香に褒められたのが嬉しいようだ。
「夏のメイド服は赤だったじゃない。だから、今回は青系にしたの。空色っていうの?綺麗でしょ」
和泉も自信たっぷりだった。
「ほら、次は二人の番よ。出てらっしゃい。みんな見たがってるわよ」
和泉が準備室をのぞき込んだ。
「い、和泉さん・・・私、これで?」
ゆずが尻込みしていた。
「わ、わたしも、ですか?」
「そうよ。せっかくの晴れ舞台なんだから、ちゃんと目立たなくっちゃ」
「えっ・・・む、無理です!」
「ベース、引っかかりませんかね」
ベース女子はパニエで広がったスカートを気にしていた。
「大丈夫よ。そういうのはちゃあんと考えて作ってるから」
「ほら二人とも。出てきなよ!」
準備室に戻った明衣が、二人を押し出した。
二人も玲と同じデフォルメされたセーラーで、玲を引き立てるためなのか、少しおとなしめの印象の仕上がりになっていた。しかし、いずれも例のあの領域は確保されていた。
「お、おおー!」「二人とも、かわいい」
ゆずとベース女子は、自分たちの個性を保ちつつも、全体で玲を引き立てるような衣装になっていた。
「ふっふっふ。ほら御覧なさい。3人並ぶと完璧でしょ!」
「ほんとですね。すっごく素敵です」
「ああ、いいな、これ」
「でもさ、和泉さん、ステージには俺たちもいるんだけど」
「そこも抜かりないわよ。みんな楽器持って並んでみて」
と和泉に言われるまま、ドラムを中心にいつもの配置で楽器を持って並んだ。
「彩香ちゃん、鷹文くん、どう?」
「・・・ちゃんとバランス取れてますね」と彩香。
「でしょ!私、こういう仕掛け大好きなんだから」
和泉は得意満面の笑みを浮かべた。
「ねえ、鷹文。どんな感じなの?」
「あ、ああ。彩香、カメラ持ってるか?」
「持ってない、けど」
「あ、彩香ちゃん、これ使って」
「和泉さん・・・」
「さすが、用意がいい」
彩香は、和泉から渡された一眼レフで玲たちを数枚撮った。
「ほら、こんな感じよ」
データーを取り込んだノートパソコンで、みんなに今撮った画像を見せた。
「ほんとだ・・・すっごくいいバランス」
「ああ、俺たち、邪魔になってないな」
「っていうか、俺たち抜けたら物足りなくなるかも」
「よくわかったわね。男子二人は白シャツっていう前提で作ってあるのよ!」
「うわ、この人マジすげー」
「でしょ、すっごいよね!」となぜか明衣が得意がった。
「和泉さん、ありがとうございます!」
玲が丁寧にお辞儀した。
「いえいえ。この歳で学園祭に参加できるなんてなんか嬉しくって。だからつい気合い入っちゃったのよ」
「ねえ、せっかくだからこの衣装で一曲やってみようよ!和泉さんにも見てもらいたいし」
「そうだな。やっとくか!」
大和たちはそのまま練習に入った。
彩香はしばらくの間、大和たちの演奏を見ていた。
「明衣、私たちは」
「あ、そうだね。写真の準備しなくちゃ」
「彩香ちゃんの方はどう?」
「はい。あと少しで終わると思います」
「そうなの。明日楽しみにしてるわ。頑張ってね」
「はい。では、失礼します」
彩香と明衣は、写真部の教室へ戻っていった。
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