家政婦さんは同級生のメイド女子高生

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海から戻った彩香は、疲れた様子も見せず、早速夕食の支度を始めていた。
「わたしも何か手伝う？」
すでに誰も違和感を感じなくなっているメイド姿の彩香に、特にやることがなかった玲が声をかけた。
「じゃあこれ、並べてもらってもいい？」
と小皿やお箸の乗ったお盆を渡す彩香。
「わかったわ。それにしても大人数よね」
「そうね。あ、これもいい？」
お盆の空いているところに、もう1セット小皿が追加された。
「う、うん・・・」
彩香は人数など気にする様子もなく、手際よく料理を進めていく。
「彩香さんって・・・すごいわね」
「え？なにが？」
「何がって料理よ。一人でやってるんでしょ」
「うん。だから今日は簡単なものにしたんだ」
玲がよくみると、漬物に煮物、おひたしなどが並べられていた。大皿には刺身も盛られている。これで簡単なのかしらと、玲は首を傾げた。
「それに、ゆずも結衣ちゃんも大和くんも忙しいみたいだから。」
リビングを見ると、ゆずがテレビの前に陣取って、どうやらアニメを見ているようだった。
「大和⁉︎大和も料理するの？」
「ええ。結構うまいわよ。大和くん」
「そ、そうなんだ・・・」
「玲さんは？何か得意な料理とかある？」
「えっ、わ、わたしは・・・」
と笑顔で尋ねる彩香に、まともに返事もできず、玲は黙々と食器を並べ続けた。

それからしばらくすると、料理が出来上がった。
「あとはわたし一人で大丈夫よ。助かったわ、玲さん。ありがとう」
「い、いえ・・・」
彩香の手際の良さにあっけにとられた玲は、返す言葉も見つからなかった。