家政婦さんは同級生のメイド女子高生

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「彩香、びっくりだね」
「うん。玲さんが来るなんて思わなかった」
彩香と明衣は、パラソルの下で休んでいた。
和泉の提案で、午後はみんなで海で過ごすことになった。
隣のパラソルでは、しのが何かを描いている。その隣にはゆずがしのに張り付くように、スケッチブックをのぞき込んでいた。
「しの先輩は泳がないんですか?」
「は、はい。わ、私は、陽の光が、苦手で・・・」
しのはつば広の帽子にアームカバーにサングラスという、見方によってはかなり怪しい格好で絵を描いていた。
「そ、それに、こ、こんな光景、なかなか、お目に書かれませんから、筆が、進みます」
と海辺で泳いでいる魅惑的な姿の和泉や玲のビキニ姿を双眼鏡でじっくりと見つめていた。
「しのさん怪しいよ」たまらず明衣が言った。
「で、でも・・・この方が、ちゃんと見えるし」と彩香の方を向いたしのが、彩香の水着姿を見てハッと息を飲んだ。
「さ、彩香さん、申し訳ないのですが、その場で、立ち上がってもらっても、いいですか?」
「ええ。いいですけど」と立ち上がる彩香。
「お、おおおおお~」と上から下までまじまじと舐め回すように見つめるしの。
「せ、先輩。その、恥ずかしいんですけど」
「はっ!す、すみません!」
慌てて目を背けたしのだったが、次の瞬間にはデッサンを始めていた。
「ここがこうなって、そう、そうです!こ、この、ライン・・・」
しのはデッサンに夢中になってしまったようだった。
すごいスピードで描きあげていくしのに、ゆずは見とれていた。
しばらくすると、しのは満足した様子でペンを止めた。
そこには、水着姿の彩香が、まるでカメラで撮ったかのように描かれていた。
「す、すごい・・・」ため息を漏らすゆず。
しのも、しばらくは描きあげた絵を満足げに見ていたのだが、急にゆずの方を向いた。
「ゆ、ゆずさんも、立ってもらえますか」
「え?わ、私、ですか?」
彩香へのねっとりとした視線を覚えているしのは、もじもじしながらも、でも大ファンのしのには逆らえず、立ち上がった。
隣のゆずが立ち上がると、しのの目の前に大きな丸いものが二つ、たゆんと揺れ動いた。
「お、おおおお!この距離で、そ、それは・・・」
「ははは、恥ずかしいです!」
思わずかがみこんで胸を隠すゆず。
「いいい、いいじゃないですか。お、女同士、ですし」
ゆずの胸に心を奪われてしまったしのは、目を大きく見開き、ゆずの胸に触ろうとでもいうのか、そろそろと手を伸ばしていった。
「た、たすけて・・・」
蛇に睨まれた蛙のように動けなくなってしまったゆずは、掠れた声で助けを呼んだ。
「せ、先輩!」
とその時、彩香が大きな声を出した。
「あっ!す、すいません。つい・・・」
怖がっているゆずにやっと気づいたしのは、もう少しで触れてしまうところだった手を、慌てて引っ込めた。
「ももも、もうしませんから」
「ほんとですか?」疑いの目を向ける彩香。
「ほほ、ほんとです。す、すいません」
すっかり小さくなってしまったしの。
「ゆず、大丈夫?」
「幽霊より、怖い、かも」
ゆずはしのの目に恐怖していた。
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