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「こんにちはー!」
次の日の午前中、みんなが思い思いにのんびりしていると、ひときわ大きな声が別荘の中に響いた。
「和泉さん、いらっしゃい!」
その声に、メイド服姿の彩香が出てきた。
「お、彩香ちゃん、ちゃんときてくれてるのね!」
「は、はい。なんかもういいやって感じで・・・」
彩香は冷めた笑いをした。
「うふふ。よく似合ってるわよ。あれ?二人とも!早く入りなさいよ!」
「二人?」
「しのちゃんとね・・・特別ゲスト連れてきたんだぁ。あ、鷹文くん!3人部屋ってあったわよね」
奥から顔をのぞかせた鷹文に、和泉が尋ねた。
「はい、今回はそこ使ってもらう予定にしてます」
「よかった!ほらほら、二人とも照れてないで入ってらっしゃい!」
玄関の外に出た和泉は、二人の腕を引っ張って中に引き入れた。
「はじめまして。しのさん・・・れ、玲さん⁉︎」
「うふふ。別荘のこと話したらなんか来たそうな顔してたから、連れてきちゃった!」
玲の腕をとり嬉しそうな顔をする和泉。
「わ、私はべ、別に・・・」
「でもぉ。ちゃんとお泊まりセット持ってきてくれたじゃない」
「そ、それは・・・」真っ赤になって俯く玲だった。
「さ、さいかさん、その、は、はじめまして!わ、わたし、品川、しの、です」
メイド服姿の彩香を見てしばらく呆然となっていたしのが、思い出したように彩香に挨拶した。
「はじめまして。先輩なんですよね?」
「は、はい。中学のせせせ、先輩、です。ほ、本物の、彩香さん・・・」
しのは、彩香を見てぽおっとしてしまった。
そこにゆずもやってきた。不安よりも興味が勝ったようで、珍しく自分から声をかけた。
「ヒンシノ、先生、ですか?」
「はい、わ、私がヒンシノ、こと品川しの、です」
「わ、わ、わ、ひ、ヒンシノ、先生。ほほほ、ホンモノ・・・」
ゆずがアワアワしながら、しのに近づいていった。
「あ、あの、あく、あく、握手、いいですか?」
と言いながら、すでにゆずはしのの手をぎゅっと握りしめていた。
「ゆ、ゆず・・・しのさん、大丈夫ですか?」
「は、はい、ちょ、ちょっと痛いかも、です」
「はっ!す、すいません」
しのの言葉で自分の行動に気づいたゆずは、ハッと後ろに下がった。
「しのちゃんもゆずちゃんに会えて嬉しいのよねー」
「ははは、はい。生ゆず、さん、素敵です」
「生ゆずって・・・」明衣は呆れ顔だった。
「いつまでも玄関でなんですから、とりあえずリビングにでも」
彩香が動き出した。
「そうね。しのちゃん、玲ちゃん、こっちよ!」
と和泉がいつものように元気よく二人をリビングに連れていった。



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