家政婦さんは同級生のメイド女子高生

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「ではいただきます」
いつもの盛雄の号令で、遅めの昼食が始まった。
「まじうめー」と大和。
「彩香、ダシ効いてるね」明衣もご満悦だ。
「お店で食べるみたい。美味しいです!」
結衣は初めての彩香の料理に感動しているようだった。
「さいちゃん、お店出せるんじゃない」同意するゆず。
「・・・」(ちらっと盛雄を見る鷹文)
「いやあ、彩香くんの料理はいつもおいしいですねぇ」
鷹文の視線に気づかないのか素直に料理を褒める盛雄。
「ところで先生。一人の間、生活は大丈夫でした?」
「え、ええ。近くに蕎麦屋もありますし、温泉もあるので・・・」
「温泉あるんですか!」と飛びつくゆず。
「うん。この家にも引いてるんだよ」
明衣が代わりに答えた。
「おんせん♪」
ゆずが珍しくウキウキしながらそうめんを食べていた。

それからしばらくして、ほぼ食事も終わる頃。
「彩香ちゃん、今日はメイド服じゃないんだな」
大和は残念そうだった。
「私も見たかったかも!彩香さんのメイド服姿」
結衣がキラキラした目で彩香を見つめた。
「えっ・・・さすがにここじゃ・・・」
恥ずかしそうな顔をする彩香。
「あ!そういえば和泉さんから渡されてたんだった!」
と明衣が大きな紙袋を二つ、彩香に渡した。
「和泉さん、から?」
「うん。なんかリゾートバージョンとか言ってたよ」
恐る恐る袋から中身を取り出す彩香。
思った通り、白と黒の布が出てきた。
「あ、やっぱり・・・」
「さいちゃん。これ、ちょっとちがうよ」
「ねえ、着てみなよ、彩香!」
事前に和泉からある程度話を聞いている明衣はスマホを見ながら、彩香を急かした。
「え・・・でも」
「せっかく和泉さんが用意してくれたんだしぃ」
「わ、わかったわよ!」
仕方なく着替えに向かう彩香。
「ねえ、明衣ちゃん。こっちの袋は?」
「ん?そっちは後のお楽しみ。女子だけでね」
「なんだなんだ、明衣。女子だけって」
「大和はいいの!あとでわかるから」
「そ、そうか・・・」
「あの・・・」と言いながら彩香が恥ずかしそうに戻ってきた。
「さいちゃん!」ゆずが彩香に飛びついた。
「ゆ、ゆず。どうしたの?」
「こ、これ・・・」と彩香のメイド服を愛おしそうに見つめるゆず。
「これなんだって!」
明衣が先程から用意していたスマホの画面をみんなに見せた。
「うおー!彩香ちゃんの絵だ!」
「ちがうわよ。これは彩奈!」
「彩奈って・・・」
「そ!にゃんパラのメイドさん。モデル彩香だし」
「ってもここまで同じだとなぁ」
「ああ、これね、夏前にヒンシノ先生からの依頼で和泉さんが作ってたんだって。リゾートバージョンの彩奈メイド服」
「ってことはオリジナル!すげえな」
「うん。次号のにゃんパラでこれきた彩奈が出てくるって言ってたよ」
「す、すげえ!」
「彩香、袋にもう一着入ってたでしょ?」
「うん。これだけで三着あったけど、別のもあった」
「それ、ゆず用だよ」
「え?わ、わたし⁉︎」
「うん。そっちはリゾートミカにゃんとか言ってった」
「み、ミカにゃん!」
明衣の言葉にゆずは彩香が持っていた紙袋をゴソゴソし始めた。
「あ、あった!」
「ゆずも着ておいでよ」
明衣が衣装をゆずに渡した。
「え?・・・は、はずかしぃ、ょ・・・」
「あー、そうだよね。じゃあさ、夜に、私にだけ見せて!」
「め、明衣ちゃんだけ、なら」
「まじかよー、俺もみてー」
「や、大和、くんは、だめ・・・」
少しかすれ声になって拒否する声がいろっぽくなってしまったゆず。
「お、おう・・・」
真っ赤になって恥ずかしそうにするゆずに、それ以上何も言えない大和だった。
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