家政婦さんは同級生のメイド女子高生

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「ふう、荷物こんなもんだよね。二人ともありがと」
二つもある大きな冷蔵庫に食材を詰め込み終わった彩香が、手伝ってくれたゆずと結衣にお礼を言った。
「ううん。みんなで食べるんだし」
「そうですよ。お姉ちゃんやふみにいは何にもしてくれないけど・・・」
結衣は少し不満そうだった。
「そういえば、これまでって食事はどうしてたの？」
「はい。大抵外食で。でもお姉ちゃんがバーベキューとか必ず言い出すので、その時は私が準備してました」
「ゆいちゃん、えらいね」ゆずが結衣の頭を優しく撫でた。
「でも、今年は彩香さんとゆずさんがいてくれて嬉しいです」
にっこりする結衣。
「ねえ結衣ちゃん。明衣ってそんなに料理ダメなの？」
「はい。ここでも何度かやろうとはしたんですけど・・・」
虚ろな目をする結衣だった。
「彩香ぁ。どう？」
そこに明衣がやって来た。
「うん。もう片付け終わったよ。そっちはどう？」
「おじさんに聞いたら、掃除とかは全部やってあるんだって」
「え⁉︎先生が？」
「な訳ないじゃん。人雇ってだよ」
「あ、そうよね・・・」ある意味安心した彩香だった。
「彩香、お昼はどうするの？私お腹すいたよ！」
「そうね、もうお昼過ぎちゃってるし、先生は？」
「うん。何も食べてないって」
「そうなんだ、やっぱり・・・」
思った通りの行動の盛雄に彩香ははあと、ため息をついた。
「じゃあ、手っ取り早くめんにしよっか」
「うん。いいねえ。夏、そうめん！」
「氷、まだ固まってないから、あんまり冷たくできないけどね」
なんて言いながら、彩香を中心に遅めの昼食の準備が始まった。

「全部あるって言ってたけど、本当に全部あるわね」
彩香は感心しながらキッチンを使っていた。
「そうなんですよ。ふみにいのお母さんが全部揃えたって言ってました」
「だから、家とみんな同じなのね」
と彩香は、自分の家とも同じだなと改めて思っていた。
「結衣ちゃん上手ね。お姉ちゃんとは違うのね」
包丁で小気味よくネギを刻んでいく結衣を見て、彩香はどうして明衣は・・と思った。
「家でもママと一緒によく作ってますから。パパは私が作るとっても嬉しそうにしてくれるんです」とニコニコしながら答える結衣。
「さいちゃん、めんつゆは？」
「めんつゆはこっち」
と彩香は2リットルのボトルを取り出した。
「え？彩香さん持ってきたんですか？」
「うん。お昼はそうめんかなって思って、昨日の夜作っておいたの。冷たい方がおいしいでしょ」と相変わらずの彩香だった。
「す、すごい・・・」驚く結衣。
「さいちゃん、本当によく気づくよね・・・」ゆずもぽかんとしていた。
「そ、そんなことないよ。たまたま今日のこと考えてて、作っておこうかなって」
彩香は恥ずかしそうに言い訳した。