家政婦さんは同級生のメイド女子高生

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彩香がいつものように夕食の準備をしていると、鷹文が飲み物を取りにキッチンにやってきた。彩香はそんな鷹文に気づきつつも、目を合わせようとせず、それでもいつのまにか口だけが動いてしまった。
「ねえ鷹文くん・・・さっき、女の子と一緒に歩いてたね」
なんでもないことのように装った彩香が鷹文に尋ねた。
「み、見てたのか？」
「見てたっていうか、見えた？」
「なんだよそれ」
「な、なんだっていいじゃない・・・部活してたら先輩が見つけたの、鷹文くんと女の子が一緒に歩いてるの」
「・・・あれは玲だ」
「玲？横山さん？」
ああそうか、という顔の彩香。
「あいつ歌詞の催促してきたから、まだできてないって答えたりしてた」
「そうなんだ。でも、なんか楽しそうにしてたね」
「そうか？あいつ、面倒なんだけど・・・」
鷹文は、さっきのことを思い出して、少し顔を赤らめていた。
「かわいそうじゃない。あんなに可愛いのに。ほんとは嬉しかったんでしょ？」
「はあ？俺は静かなのが好きなんだ！」
「そ、そうなんだ・・・静かな女の子がいいんだ」
彩香は、少し沈んだような声で応えた。
「そうじゃなくって・・・」
「で、そのあとはどこか行ったの？」
「え、駅まで、さ、散歩？」
「そうなんだ・・・ほかには？」
今日の彩香は妙に突っ込んでくる。
「いや・・・それだけ・・・」
「・・・そう」
自分でも何が聞きたいのかわからなくなった彩香は、その後の言葉が見つからず、なんとなく家事を続けた。
鷹文も、それ以上話すことが見つからずに、なんとなく気まずくなったまま、冷蔵庫から炭酸のペットボトルを取って部屋に戻った。