家政婦さんは同級生のメイド女子高生

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食事を終えた盛雄は、和泉を連れて書斎に移動した。
「和泉くんは、遠野雄大を知っていますよね?」
「はい、由美先輩から伺っています。由美さんの親友、奈緒さんの旦那さんで写真家の・・・って、彩香ちゃん⁉︎」
気づいた和泉は驚きを隠せなかった。
「そうなんです。彩香くんは雄大くんの娘なんですよ」
「でも、それならどうして・・・」
どうにも腑に落ちないという顔で、和泉は盛雄を見た。
「彩香くんも、そして鷹文も、どうやら覚えていないようなんです」
「えっ・・・」
和泉は絶句した。
「二人とも辛い思いをしてきました。そのせいで過去のことを封印しているのかもしれません」
「・・・鷹文くん、由美さんが亡くなってから大変でしたもんね。学校にも行かなくなっちゃって」
「はい。あの頃はまだ小学1年生でしたから、母親を無くしたショックというのは相当なものだったと思います。由美が残してくれた言葉のおかげで、なんとか普通に生活できていますが・・・」
「先生の童話も大きかったじゃないですか!『ひとりぼっちの王様』あれを読んでからですよ。鷹文くんの目に力が戻ってきたの」
「・・・そうですね。それに、明衣ちゃんと大和くんがいてくれて本当に良かった・・・あの二人がいなかったら、鷹文は学校に行けなかったかもしれません」盛雄は昔を思い出すように話を続けた。
「彩香くんも雄大くんが行方不明になって・・・とても辛い思いをしたのだと思います。由美が他界した次の年ですから、彩香くんもまだ小学2年生です」
「そう、なんですね」
「彩香くんは雄大くんの撮影によく付いて行っていたそうです。『パパとお出かけしたの』と言いながら、彩香くんが撮って来た写真を見せてもらったこともまります。その時の彩香くんの嬉しそうな顔は今でも忘れられません。そんな大好きなお父さんが突然行方不明になってしまって・・・」盛雄は悲しそうな目をした。
「それに彩香くんのお母さん・・・奈緒さんも由美の葬儀以来お会いしていません。由美の墓参りには来てくださっているようですが」
「え?そうなんですか?」
「はい。奈緒さんもまだ、由美を亡くしたショックは癒えていないのでしょう」
「由美さん、奈緒さんが唯一の親友だって言ってましたね・・・」和泉は由美の言葉を思い出していた。
「それで、和泉くんにお願いなのですが・・・」
「はい」
「しばらくは、彩香くんにも、鷹文にも昔のことは話さないでほしいんです。二人とも、過去を忘れることで今の生活をなんとか頑張っている状況ではないかと思いますので」
「・・・そうかもしれませんね」
「いずれは奈緒さんとお会いする日がくると思います。それまでは・・・二人が自然に思い出すまでは、そっとしておいてあげたいと思います」
「わかりました。私は今まで通りにしますね」
「はい。ありがとうございます。何よりあの子たちには、今の・・・これからの生活が大切だと思いますから」
二人とも少し寂しそうな顔をしていた
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