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「ねえ明衣、あの親子よく生きてるわね」
昼休みになり、朝の出来事を思い出した彩香は、おかずをつまんだまま怒っていた。
「先生なんてとても朝ごはんなんて言えないもの食べてるのよ!鷹文くんは朝は何もべないっていうし。お昼だってこの前もパン一つでしょ。あんなおっきな体してあれで大丈夫なのかしら?」
「うちのお母さんも言ってた。前にね、鷹文が買い物してるの見かけたらしいんだけど、食パンしか買ってなかったんだって。それでね、家政婦さん休みの日は、お母さんがおかず作ってくれて、私が持っていってたんだ」どうやら斉藤家の食生活は以前からあまりよくないようだった。
「そうよね。誰が見ても心配よね、あんな食生活」
「さいちゃん・・・声大きい」ゆずが彩香をたしなめた。
「だって・・・今朝の食卓見たらなんか悲しくなっちゃって。それでね、明日から朝ごはん作りにいくことにした」
「なんか気合入ってるね」
「あの2人、あのままにしといたら栄養失調で倒れちゃうよ!もっとちゃんとしたもの食べさせなきゃ・・・」
「彩香、なんかお母さんみたい」
明衣は目を丸くして彩香を見た。
「さいちゃんって・・・怒ると、こわいね」
ゆずは彩香のエキサイトぶりを見て引いていた。
「それでね、明衣、今日お買い物付き合ってくれる?」
「うん。いいけど」
「ありがとう。多分荷物いっぱいになっちゃうから。冷蔵庫見たら食材ほとんど入ってなかったの。一度家に戻ってちゃんと確認してから買い出しに行くから、よろしくね!」
彩香はやる気満々だっだ。
「私も・・・行こうかな?」ゆずが小さな声で言った。
「ゆず、鷹文んちだけど怖くない?」
「・・・ちょっと怖いけど、さいちゃんと明衣ちゃんがいれば、多分、大丈夫だから。それに、私、斉藤くんに、謝らなきゃ・・・」
最後の方は声が小さくて二人には聞き取れなかった。
「よし!ゆずのリハビリ込みでみんなで鷹文んちを攻略しよう!」
明衣が元気よく宣言した。
昼休みになり、朝の出来事を思い出した彩香は、おかずをつまんだまま怒っていた。
「先生なんてとても朝ごはんなんて言えないもの食べてるのよ!鷹文くんは朝は何もべないっていうし。お昼だってこの前もパン一つでしょ。あんなおっきな体してあれで大丈夫なのかしら?」
「うちのお母さんも言ってた。前にね、鷹文が買い物してるの見かけたらしいんだけど、食パンしか買ってなかったんだって。それでね、家政婦さん休みの日は、お母さんがおかず作ってくれて、私が持っていってたんだ」どうやら斉藤家の食生活は以前からあまりよくないようだった。
「そうよね。誰が見ても心配よね、あんな食生活」
「さいちゃん・・・声大きい」ゆずが彩香をたしなめた。
「だって・・・今朝の食卓見たらなんか悲しくなっちゃって。それでね、明日から朝ごはん作りにいくことにした」
「なんか気合入ってるね」
「あの2人、あのままにしといたら栄養失調で倒れちゃうよ!もっとちゃんとしたもの食べさせなきゃ・・・」
「彩香、なんかお母さんみたい」
明衣は目を丸くして彩香を見た。
「さいちゃんって・・・怒ると、こわいね」
ゆずは彩香のエキサイトぶりを見て引いていた。
「それでね、明衣、今日お買い物付き合ってくれる?」
「うん。いいけど」
「ありがとう。多分荷物いっぱいになっちゃうから。冷蔵庫見たら食材ほとんど入ってなかったの。一度家に戻ってちゃんと確認してから買い出しに行くから、よろしくね!」
彩香はやる気満々だっだ。
「私も・・・行こうかな?」ゆずが小さな声で言った。
「ゆず、鷹文んちだけど怖くない?」
「・・・ちょっと怖いけど、さいちゃんと明衣ちゃんがいれば、多分、大丈夫だから。それに、私、斉藤くんに、謝らなきゃ・・・」
最後の方は声が小さくて二人には聞き取れなかった。
「よし!ゆずのリハビリ込みでみんなで鷹文んちを攻略しよう!」
明衣が元気よく宣言した。
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