家政婦さんは同級生のメイド女子高生

coche

文字の大きさ
10 / 428
1

10

しおりを挟む
「こんにちは!」
彩香は授業が終わっるとすぐ、今日は初日だからと、明衣、ゆずを待たずに一人で先に下校した。斉藤の家についた彩香は、渡されていた鍵でドアを開け、家の中に入った。
彩香は、盛雄がいるだろう書斎のドアをノックした。するとすぐ「はい、どうぞ」と返事があったので書斎のドアを開けた。
「こんにちは、今日からよろしくお願いします」
彩香は元気よく挨拶した。
「はい、こちらこそお願いしますね。何かわからないことありましたら、遠慮なく聞きに来てください」
「ありがとうございます」そう言って、彩香は書斎から出た。 
「あ、彩香ちゃん待ってたわよ!」
リビングから出てきた和泉が、彩香に声をかけた。
「こんにちは、和泉さん。今日もお仕事ですか?」
「あー、お仕事っていうか、趣味っていうか・・・彩香ちゃん、制服のままお仕事じゃ汚れちゃわない?」
「そうなんですよね。着替え持ってこようか少し迷いましたけど、今日は試しにこのままやってみようかなって」
「そうなの!なら丁度よかった。彩香ちゃんのために、お仕事用の服持ってきたんだ」
「え?ほんとですか?」
思ってもいなかったことに彩香は驚いた。
「ええ。と言っても私が使ってたのを少し手直しして持ってきただけなんだけどね。制服よりもう動きやすいと思うから、使ってみてよ」
と和泉は彩香の前に紙袋を差し出した。
「ありがとうございます」と彩香は笑顔で紙袋を受け取り「じゃあ、せっかくなので使わせてもらいますね。どこで着替えようかな?」
「2階の奥の部屋、鍵がかかるから、そこ着替えに使うといいわよ」
和泉に案内されて、鍵付きの部屋へむかった。
「よくご存知ですね。鍵かかる部屋があるなんて」
「私も時々使わせてもらってるのよ」
何に使っているんだろうと思いつつ、彩香は、渡された紙袋を持ってその部屋に入った。
「廊下で待ってるから、着替えたら出てきてね」
「はい」
待ってもらうほどのものだろうかと思いつつも、彩香は言われるまま部屋に入り鍵をかけた。

しばらくして・・・
ドア越しに彩香の声がした。
「あ、あの・・・和泉さん。私、これで働くんですか?」
「どう、サイズ大丈夫でしょ?」
「は、はい。それは大丈夫なんですけど・・・」
「じゃあ、開けてよ。ちゃんと着られたか確認しなきゃだし」
「は、はあ・・・」
彩香は、鍵を開け、そおっとドアを開けた。
「私の思った通り、彩香ちゃんバッチリ似合ってるわよ!」
「あ、あの・・・これ・・・かなり恥ずかしいんですけど・・」
「いいじゃない。とってもかわいいわよ!」
出てきた彩香は、白いフリルのついた黒のメイド服を着ていた。
「あの・・・このカチューシャも・・・」
「私、つけるわね」
和泉は彩香の手からカチューシャを受け取り、彩香の髪の毛につけた。
「うん、バッチリね。サイズも・・・ぴったりでしょ!髪も長かったから、カチューシャあったほうがまとまっていいかなって思ったんだけど、やっぱり正解ね」
和泉は少し後ろに下がって、彩香のメイド姿を見ながら、嬉しそうに頷いた。
「はい。サイズ、ぴったりです・・・どうして私のサイズ、わかったんですか?」
どう見ても手作りのメイド服が、自分にぴったり合っていることを不思議に思った彩香は、和泉に尋ねた。
「昨日、一回りしてもらったでしょ」
「はい。たしかに・・・」
「私ね、女の子サイズ、見ただけでわかっちゃうんだ!」
「え?ほんとですか?」
「うん。彩香ちゃんはぁ・・・上から84-58―85Cカップ。どう?大体あってるでしょ?」
「大体どころか・・・ぴったり合ってます」彩香はびっくりしながらも、恥ずかしそうに自分の体を抱きしめた。
「うふふ。その顔見るの好き!」
和泉は、彩香の驚いた顔を満足げに見つめていた。
「ねえ彩香ちゃん、『にゃんパラ』って知ってる?」
「いえ・・」
「そっか・・・あのね、猫耳の女の子とメイドさんがメインの4コマ漫画なんだけど、そのメイドさん、彩香ちゃんに似てるのよ。性格は違うっぽいけど。それでね、私の持ってたメイド服を彩香ちゃんのサイズに調整してみたんだ。思った通り、彩香ちゃん、彩奈そっくり」
「そ、そうなんですか?」
和泉は持っていたスマホを操作して、にゃんパラの彩奈の画像を表示させた。
「ほら!髪の長さとか、全体の雰囲気とか、彩香ちゃんそっくりでしょ?」
彩香は、姿見に映った自分と画像を見比べてみた。
「言われてみると似てますね。・・・なんか不思議」
「ほんとよね。作者『ヒンシノ』っていう人なんだけど、彩香ちゃんのこと見たことあるのかしら?」
「漫画家さんの知り合いなんて、私、いませんよ」
「だよねぇ。でもさ、これで彩香ちゃんがメイド服似合うってことわかっでしょ!さあ、がんばってお仕事しよう‼︎」
どんなこじつけ、と思いながらも彩香は言われるまま、今日の仕事を始めた。
 
最初は気になってチラチラと鏡に映る自分を見ていた彩香だったが、しばらくすると仕事に夢中になり、着心地が良かったのもあって、メイド服のことはすっかり忘れてしまっていた。
「彩香くん、お茶、お願いできませんか?」
「はい!すぐお持ちします!」
盛雄の呼びかけに、彩香は掃除を中断して、お茶を用意した。
「失礼します」
ノックして書斎に入った彩香は、壁一面の本棚に圧倒された。
「先生、お待たせしました。すごい量の本ですね」
「そうですか。自分で読んだものや資料として集めたものを並べていったらいつのまにかこんなになっていました・・・彩香くん、今日は随分と可愛らしい服を着ているんですね」
原稿用紙から顔を上げた盛雄は、彩香の様子に気づいて言った。
彩香は真っ赤になって「和泉さんに渡されて、その・・・」
「いや、これはいいものを見せてもらいました!これからもその服装で家事して下さるんですか?」
「・・・その方がいいですか?」
彩香は少し恥ずかしそうに尋ねた。
「はい、ぜひ!彩香くんにとっても似合っていますし。男二人のむさ苦しい家に可憐な花が咲いたようです」
盛雄は彩香を見てニコニコしていると、和泉が書斎に入ってきた。
「あー、先生!彩香ちゃんにセクハラですか?ダメですよ!」
「・・・コホン。綺麗なものを綺麗というのがセクハラなら、世の中セクハラだらけになってしまいますな」
盛雄は自分は悪くないとでも言うように、指でメガネを押さえた。
「あはは。まあ、先生もああ言ってることだし、ね、彩香ちゃん。これからもこのメイド服で働いてね!」
「は、はい・・・」もうどうにでもなれという感じで諦めた彩香だった。
 
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜

遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった! 木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。 「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」 そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。

黒に染まった華を摘む

馬場 蓮実
青春
夏の終わりに転校してきたのは、忘れられない初恋の相手だった——。 高須明希は、人生で“二番目”に好きになった相手——河西栞に密かに想いを寄せている。 「夏休み明けの初日。この席替えで、彼女との距離を縮めたい。話すきっかけがほしい——」 そんな願いを胸に登校したその朝、クラスに一人の転校生がやってくる。 彼女の名は、立石麻美。 昔の面影を残しながらも、まるで別人のような気配をまとう彼女は——明希にとって、忘れられない“初恋の人”だった。 この再会が、静かだった日常に波紋を広げていく。 その日の放課後。 明希は、"性の衝動"に溺れる自身の姿を、麻美に見られてしまう——。 塞がっていた何かが、ゆっくりと崩れはじめる。 そして鬱屈した青春は、想像もしていなかった熱と痛みを帯びて動き出す。 すべてに触れたとき、 明希は何を守り、何を選ぶのか。 光と影が交錯する、“遅れてきた”ひと夏の物語。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

処理中です...