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34.せっかくだから呼びますか
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絋亮も察知したのかスマホを手に取ると、SNSを開いて届いてるコメントや個別メッセージを確認し始めた。
悠仁は慶太郎に付き合うことになったことと、絋亮は確かに負傷したけど問題ないとだけ返す。
【良かったー。ヘドさん大怪我したとか、入院してて面会謝絶とか色んな噂があってドキドキしてた!無事なら良いんだわ。ていうかいつの間に!?おめでとう!】
【あ、もしかして今一緒に居る的な?なんだよ自慢かよ。どちくしょう、混ぜろよ】
2通続けて色んな意味でテンションの高い返事が慶太郎から返ってきて、悠仁は思わず苦笑いする。
「なあ絋亮、慶太郎呼ぶ?」
「うん、無花果さんに会いたい」
「いや慶太郎だけど。さすがに化粧してこないよ」
「分かってるよ」
可笑しそうに笑いながら、それでも無花果としてしか交流がないからと礼儀のつもりのようだ。
悠仁はすぐに慶太郎に電話を掛ける。2コールほどするとすぐにスマホの向こうがうるさくなる。
『はいもしもしー』
「なにお前、今どういう状況?」
『今日打ち合わせで出てたから、今ようやくコーヒー飲みにカフェに寄ったとこ。どした?ヘドさんと一緒なんじゃないの?』
「いや、お前が心配してるって話したら会いたいって言ってて。俺んちに居るんだけど、お前夕飯食いに来ないかと思って」
『なにそれ楽しそう。でも俺おじゃま虫じゃん』
悠仁に対して無遠慮な慶太郎にしては珍しく、遠慮する様子で断ろうとする空気になる。
「邪魔じゃないから連絡してんだよ。晩飯は餃子とお好み焼き。適当に飲み物買ってきてくれたら助かる」
『マジか!じゃあ行くわ。仕事終わったらまた連絡入れるよ。ヘドさんによろしくね』
「分かった。あ、泊まるなら雑魚寝だからな」
『そこまでお邪魔しませんよー。でももし潰れたら廊下で寝るし』
「なんだよそれ。おう、じゃあ後でな」
『はいはーい』
賑やかな電話を切ると、会話が筒抜けだったのか絋亮が笑いながら楽しくなるねと呟く。
「うるさくはなるだろうけどな」
「無花果さんって、普段からあんな感じなんだね」
「無花果がどんな感じなのか俺は分かんないけど、慶太郎はこんな奴だよ」
スマホをテーブルに置くと、また慶太郎からメッセージが届いた。
【ヘドさん甘いの平気?ケーキがいいかな。アイス?】
お酒以外にもなにか差し入れてくれるつもりだろう。
「慶太郎がケーキとアイスどっちが良いかって。他のでも頼めば買ってくると思うけど」
「そうなの?なんでも嬉しいよ。でもアイスの方がいいかな。夕飯の後にケーキまで食べらんないかも知れないし」
「おっけー」
早速慶太郎に返信すると、絋亮の手元を見てコメントの返信は終わったのかと状況を確認する。
「どうやらストーカーに刺された。程度の範囲だけど話が出回ってるっぽい。イベントの途中で騒ぎ起こしたから仕方ないっちゃ仕方ないんだけど」
「具体的な被害の内容は、警察しか知らないってことだな?」
「もちろん。荷物届けてくれた人たちだって知らないからそこは大丈夫だよ」
「なら良いんだけど……」
「大丈夫だよ。みんな配慮して個別メッセージでくれてるし、コメントはステージ見たお客さんからで、内容も変なもんは混じってないから」
「そうか。お前、本当に大丈夫なのか」
「正直そうでもない。だから悠仁と過ごせるのが心強いよ」
「……早く家探そうな」
「ありがとう」
困ったように笑う絋亮を抱きしめると、悠仁はその背中を優しく撫でた。
悠仁は慶太郎に付き合うことになったことと、絋亮は確かに負傷したけど問題ないとだけ返す。
【良かったー。ヘドさん大怪我したとか、入院してて面会謝絶とか色んな噂があってドキドキしてた!無事なら良いんだわ。ていうかいつの間に!?おめでとう!】
【あ、もしかして今一緒に居る的な?なんだよ自慢かよ。どちくしょう、混ぜろよ】
2通続けて色んな意味でテンションの高い返事が慶太郎から返ってきて、悠仁は思わず苦笑いする。
「なあ絋亮、慶太郎呼ぶ?」
「うん、無花果さんに会いたい」
「いや慶太郎だけど。さすがに化粧してこないよ」
「分かってるよ」
可笑しそうに笑いながら、それでも無花果としてしか交流がないからと礼儀のつもりのようだ。
悠仁はすぐに慶太郎に電話を掛ける。2コールほどするとすぐにスマホの向こうがうるさくなる。
『はいもしもしー』
「なにお前、今どういう状況?」
『今日打ち合わせで出てたから、今ようやくコーヒー飲みにカフェに寄ったとこ。どした?ヘドさんと一緒なんじゃないの?』
「いや、お前が心配してるって話したら会いたいって言ってて。俺んちに居るんだけど、お前夕飯食いに来ないかと思って」
『なにそれ楽しそう。でも俺おじゃま虫じゃん』
悠仁に対して無遠慮な慶太郎にしては珍しく、遠慮する様子で断ろうとする空気になる。
「邪魔じゃないから連絡してんだよ。晩飯は餃子とお好み焼き。適当に飲み物買ってきてくれたら助かる」
『マジか!じゃあ行くわ。仕事終わったらまた連絡入れるよ。ヘドさんによろしくね』
「分かった。あ、泊まるなら雑魚寝だからな」
『そこまでお邪魔しませんよー。でももし潰れたら廊下で寝るし』
「なんだよそれ。おう、じゃあ後でな」
『はいはーい』
賑やかな電話を切ると、会話が筒抜けだったのか絋亮が笑いながら楽しくなるねと呟く。
「うるさくはなるだろうけどな」
「無花果さんって、普段からあんな感じなんだね」
「無花果がどんな感じなのか俺は分かんないけど、慶太郎はこんな奴だよ」
スマホをテーブルに置くと、また慶太郎からメッセージが届いた。
【ヘドさん甘いの平気?ケーキがいいかな。アイス?】
お酒以外にもなにか差し入れてくれるつもりだろう。
「慶太郎がケーキとアイスどっちが良いかって。他のでも頼めば買ってくると思うけど」
「そうなの?なんでも嬉しいよ。でもアイスの方がいいかな。夕飯の後にケーキまで食べらんないかも知れないし」
「おっけー」
早速慶太郎に返信すると、絋亮の手元を見てコメントの返信は終わったのかと状況を確認する。
「どうやらストーカーに刺された。程度の範囲だけど話が出回ってるっぽい。イベントの途中で騒ぎ起こしたから仕方ないっちゃ仕方ないんだけど」
「具体的な被害の内容は、警察しか知らないってことだな?」
「もちろん。荷物届けてくれた人たちだって知らないからそこは大丈夫だよ」
「なら良いんだけど……」
「大丈夫だよ。みんな配慮して個別メッセージでくれてるし、コメントはステージ見たお客さんからで、内容も変なもんは混じってないから」
「そうか。お前、本当に大丈夫なのか」
「正直そうでもない。だから悠仁と過ごせるのが心強いよ」
「……早く家探そうな」
「ありがとう」
困ったように笑う絋亮を抱きしめると、悠仁はその背中を優しく撫でた。
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