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3.①
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「なんでこうなるんだよ」
「余裕あるじゃん」
タクシーに乗り込んでどこに向かうかと思えば、通い慣れた貴臣の家に到着するなり股間をしゃぶられている。
玄関で靴だって脱いでないのに、だらしなくズボンとボクサーパンツをずり下ろされた状態で、しゃがみ込んだ貴臣が俺の股間に顔を埋めてる。
ジュポッと生々しい音を立てて怒張した尖端を吸い上げられると、貴臣の舌と俺の鈴口が厭らしく糸を引いて繋がってる様が異様にエロい。
屹立の根元を握り込んでいた貴臣の右手が忙しなく上下に動くと、あまりの気持ち良さに尖端から先走りが漏れ、吐精感がどんどん迫り上がってくる。
「ちょっと待てって」
上目遣いに俺を見上げる貴臣の肩を押すと、口に出して構わないと再び咥え込まれ、窄めた唇が怒張した屹立を扱く。
「おい貴臣」
「なんだよ……」
口淫に耽る貴臣の髪を掴んで強引にやめさせると、とりあえず部屋に上がりたいとズボンを穿く。
「玄関は萎えるわ。ここめっちゃ寒いし」
「じゃあ部屋でイッとく?」
「その言い方と仕草やめろ」
口になにかを咥えるアピールをしてくる貴臣の頭を叩くと、ようやく靴を脱いで部屋に上がる。
貴臣がどうしてこんなに迫ってくるのか分からないが、とりあえず色欲に負けて有耶無耶に体の関係を結ぶのはなんだか違う気がする。
「つか、腹減らねえのお前」
「デリバリーでも頼むか」
「さっきまで咥えてたお口を、まず濯いで来なさい」
「あ、そういうの気になるタイプ?」
「普通に汚ねえって言ってんの。俺お風呂にも入らせてもらえてないのに」
両手で顔を覆って泣くフリをすると、分かったよと呟いて貴臣が洗面所に向かう。
その様子を見送ってソファーに腰を下ろすと、勝手にテレビの電源を入れ、ゲーム機を操作してサブスクをチェックする。
「圭吾、お前今なに食べたい? 俺?」
「……アホなこと言ってんなよ。俺ご飯系が良い」
「そっか。じゃあトンカツとかが良いかな」
「ああ、腹膨れそうだな」
さりげなく隣に座った貴臣を警戒しつつ、観たい作品がないか探していると、スマホを渡されてメニューを選びカートに追加する。
「じゃあ頼むぞ」
「あ、豚汁つけて」
「良いね、俺も頼も。よしオッケー、三十分くらいで着くってさ」
「了解。これで足りる?」
財布から三千円取り出して手渡すと、貴臣は律儀だなと呟く。
「無理に連れて来られた自覚ないのかよ」
俺の頭をワシワシ撫でると、人が良過ぎると苦笑してからフワッと抱き寄せる。
「ちょ、おい!」
「ああもう……お前可愛過ぎる」
無駄に整った顔が間近にあって、すぐにそのままキスされてしまう。
女の子のふわふわした柔らかくて甘い唇とは全然違うのに、少し乱暴で力強いキスはひどく官能的で背徳感もあって体の奥がカッと熱くなる。
(ダメだ、流されるな)
頭の中ではそう思うのに、まるであっさりと理性が本能に侵蝕されるように、深まるキスを拒めなくなってしまう。
だから貴臣の舌が入り込んできても、気が付けば抗うことなく受け入れて、あまつさえ自分の舌を絡めて応えていた。
クチュッと跳ねるような鈍い水音と、肉感的な舌の感触。今までしてきたどんなキスよりエロくてドキドキする。
ついさっきまで、この唇と舌が自分の股間を美味そうにしゃぶっていたのを思い出すと、背徳的な絵面が蘇ってきて一気に股間に熱が集まる。
「圭吾……」
キスの合間に名前を呼ばれ、スラックスの上から膨らみかけた性器をそっと撫でられると、ビクッと腰が揺れてしまう。
また流されてしまうのかと、半ば諦めた気持ちになると、そのタイミングでインターホンが鳴って貴臣の唇が離れていく。
正直ホッとした。
翻弄されっぱなしで拒むことも出来ない自分が情けないけど、心の底から貴臣とセックスしたいのかと考えると、抱く覚悟も抱かれる覚悟も出来てない。
「圭吾、テーブルの上適当に片付けて」
「おう」
「余裕あるじゃん」
タクシーに乗り込んでどこに向かうかと思えば、通い慣れた貴臣の家に到着するなり股間をしゃぶられている。
玄関で靴だって脱いでないのに、だらしなくズボンとボクサーパンツをずり下ろされた状態で、しゃがみ込んだ貴臣が俺の股間に顔を埋めてる。
ジュポッと生々しい音を立てて怒張した尖端を吸い上げられると、貴臣の舌と俺の鈴口が厭らしく糸を引いて繋がってる様が異様にエロい。
屹立の根元を握り込んでいた貴臣の右手が忙しなく上下に動くと、あまりの気持ち良さに尖端から先走りが漏れ、吐精感がどんどん迫り上がってくる。
「ちょっと待てって」
上目遣いに俺を見上げる貴臣の肩を押すと、口に出して構わないと再び咥え込まれ、窄めた唇が怒張した屹立を扱く。
「おい貴臣」
「なんだよ……」
口淫に耽る貴臣の髪を掴んで強引にやめさせると、とりあえず部屋に上がりたいとズボンを穿く。
「玄関は萎えるわ。ここめっちゃ寒いし」
「じゃあ部屋でイッとく?」
「その言い方と仕草やめろ」
口になにかを咥えるアピールをしてくる貴臣の頭を叩くと、ようやく靴を脱いで部屋に上がる。
貴臣がどうしてこんなに迫ってくるのか分からないが、とりあえず色欲に負けて有耶無耶に体の関係を結ぶのはなんだか違う気がする。
「つか、腹減らねえのお前」
「デリバリーでも頼むか」
「さっきまで咥えてたお口を、まず濯いで来なさい」
「あ、そういうの気になるタイプ?」
「普通に汚ねえって言ってんの。俺お風呂にも入らせてもらえてないのに」
両手で顔を覆って泣くフリをすると、分かったよと呟いて貴臣が洗面所に向かう。
その様子を見送ってソファーに腰を下ろすと、勝手にテレビの電源を入れ、ゲーム機を操作してサブスクをチェックする。
「圭吾、お前今なに食べたい? 俺?」
「……アホなこと言ってんなよ。俺ご飯系が良い」
「そっか。じゃあトンカツとかが良いかな」
「ああ、腹膨れそうだな」
さりげなく隣に座った貴臣を警戒しつつ、観たい作品がないか探していると、スマホを渡されてメニューを選びカートに追加する。
「じゃあ頼むぞ」
「あ、豚汁つけて」
「良いね、俺も頼も。よしオッケー、三十分くらいで着くってさ」
「了解。これで足りる?」
財布から三千円取り出して手渡すと、貴臣は律儀だなと呟く。
「無理に連れて来られた自覚ないのかよ」
俺の頭をワシワシ撫でると、人が良過ぎると苦笑してからフワッと抱き寄せる。
「ちょ、おい!」
「ああもう……お前可愛過ぎる」
無駄に整った顔が間近にあって、すぐにそのままキスされてしまう。
女の子のふわふわした柔らかくて甘い唇とは全然違うのに、少し乱暴で力強いキスはひどく官能的で背徳感もあって体の奥がカッと熱くなる。
(ダメだ、流されるな)
頭の中ではそう思うのに、まるであっさりと理性が本能に侵蝕されるように、深まるキスを拒めなくなってしまう。
だから貴臣の舌が入り込んできても、気が付けば抗うことなく受け入れて、あまつさえ自分の舌を絡めて応えていた。
クチュッと跳ねるような鈍い水音と、肉感的な舌の感触。今までしてきたどんなキスよりエロくてドキドキする。
ついさっきまで、この唇と舌が自分の股間を美味そうにしゃぶっていたのを思い出すと、背徳的な絵面が蘇ってきて一気に股間に熱が集まる。
「圭吾……」
キスの合間に名前を呼ばれ、スラックスの上から膨らみかけた性器をそっと撫でられると、ビクッと腰が揺れてしまう。
また流されてしまうのかと、半ば諦めた気持ちになると、そのタイミングでインターホンが鳴って貴臣の唇が離れていく。
正直ホッとした。
翻弄されっぱなしで拒むことも出来ない自分が情けないけど、心の底から貴臣とセックスしたいのかと考えると、抱く覚悟も抱かれる覚悟も出来てない。
「圭吾、テーブルの上適当に片付けて」
「おう」
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