上 下
31 / 49

ビャクはシグレを愛したい①※

しおりを挟む
 ビャクはシグレとのキスが好きだ。
 なりふり構わず劣情を貪るようなその激しさは、ブランを求めてのことだと分かるからだ。
 ビャクはキスをしながら器用にシグレの服を脱がせると、唾液で濡れそぼった指を引き抜いて、外気に触れてぷっくりと隆起した乳首を軽く摘み上げる。
「ふうっ」
 シグレが堪らず喘ぐと、ビャクは硬くなった乳首を指先でカリッと引っ掻いてから、再び摘んでぐりぐりと強く捏ねる。
「んんっ」
 胸への刺激で下半身に熱が溜まってきたのか、シグレは身を捩ってもどかしそうに腰を揺らす。
「窮屈そうだな、婿殿よ」
 胸を弄っていた手をシグレの股間に下ろすと、下着越しに鈴口に触れ、既に濡れたその尖端を指先でカリカリ引っ掻いて更なる勃起を促す。
「アァッ」
「見てみろシグレ。布越しなのにこんなに糸を引いている」
「お前が変な酒飲ませるからだろっ」
「なに。飲み慣れればただの酒だ」
 反抗するシグレの口をキスで塞ぐと、ビャクは手首使って器用に手を動かして、下着の上から勃起した肉茎をやわやわと扱き始める。
 シグレは劣情を堪えるように硬く目を閉じて、必死になってキスに応えるが、迫り上がる快楽に抗えない様子でビャクの背中に手を回す。
 舌を搦めて唾液を掻き混ぜる音と、くちくちと鈍く泡立っていく先走りをこぼす音が、吐息の合間を埋めるように部屋に響く。
「そろそろか」
「ンッ、ビャク……」
「一度達け」
 ビャクはシグレの張り詰めた肉茎を下着から引き摺り出すと、窄めた指で鈴口から根元まで一気に擦り上げることを繰り返す。
 鈴口から漏れ出した雫が、指の滑りを補うように、くちゅんくちゅんと濡れそぼった音が次第に大きくなっていく。
「はっ、んん」
「堪える顔が唆るな、シグレ」
「うるせえ変態っ、あっ、やぁあ、アァアッ」
 ビャクの手が一層動きを速めると、シグレの身体は痙攣したように震え、肉茎が震える度にビャクの手の中に白濁した熱が吐き出され溜まっていく。
「濃い匂いがする。貴様の匂いだシグレ」
「そういうこと、言うなよ」
「そうか? 俺はこの匂いが好きで好きで堪らないんだがな」
 深く深呼吸してシグレに見せつけるように微笑むと、ビャクは手のひらに溜まった精液を、そのままシグレを仰向けに寝かせて後孔をほぐすために塗り込んでいく。
「すぐに指を呑み込んだな。そんなに俺が欲しいのか、シグレ」
「毎晩のようにされてりゃ、こんなもんは条件反射だよ」
「また強がりを。奥がヒクついて指に絡んでくるぞ」
 浅瀬から更にゆっくりと奥へと沈む指に、肉襞が絡みつくように隘路がギュッと締まる。
「だから、わざわざ声に出して言うなよ。ンッ」
「貴様が吐精したものでほぐされてるというのに、そんなに気持ちよさそうな顔をして。可愛いヤツだな」
 ビャクは拗ねた顔をするシグレにキスをすると、隘路の肉襞を擦る指で、シグレの一番感じやすいところを一気に責め立てる。
 それは大切なものを丁寧に扱うように、けれど艶かしく淫靡な手つきだ。
「アアッ、やめっ、そこ擦んな」
「どうした? また硬くして。厭らしい身体だな」
 僅かに勃ち上がった肉茎を見下ろし、ビャクはシグレの後ろをほぐしながら器用に服を脱いでいく。
 蝋燭の明かりが頼りなく揺れる薄明かりの中で、ビャクの逞しくしなやかな身体が露わになると、腹まで反り返った赤黒い淫刀に、シグレはこれから訪れる快楽を察知して喉を鳴らす。
「物欲しげな顔をする」
「お前がそう変えたんだろ」
「ああ。こんなに具合の良い身体を他には知らん」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

一年付き合ってた彼女が医大生とラブホから出てきた(NTR……涙)帰り道、川で幼女が溺れていたので助けて家まで送ったら学園のアイドルの家だった

マナシロカナタ✨ラノベ作家✨子犬を助けた
恋愛
カクヨム【日間総合1位】獲得! ―――――― 失恋した日に出会ったのは、天使のような少女とS級美少女の姉妹だった。 ―――――― 高校2年生の春。 紺野蒼太は付き合って1周年の記念デートをドタキャンされてしまった。 ガックリきた蒼太がトボトボ歩いていると、なんと彼女――葛谷詩織が金持ちイケメン医大生とラブホから出てくるシーンに遭遇してしまう。 「なにこのダサ男? まさか詩織の知り合い?」  イケメン医大生が蒼太を見下すような視線を向け、 「えっと……あ、うん、知り合いっていうか、その……ただの高校の知り合い」  詩織の放った言葉に蒼太は心の底から絶望した。  最愛の彼女は既にイケメン医大生に寝取られていたのだ――!  予想だにしない突然の悲劇。  襲い来る絶望。  悲しみに暮れる蒼太だったが、帰る途中に偶然、川で溺れていた少女――姫宮美月を助けることになる。  そして家まで送り届けたのだが、そこはなんと学園のアイドル姫宮優香の家だった――! ~あのね帳(姫宮美月)~ 先生、あのね、今日は、そうたお兄ちゃんができました。

俺をハーレムに組み込むな!!!!〜モテモテハーレムの勇者様が平凡ゴリラの俺に惚れているとか冗談だろ?〜

嶋紀之/サークル「黒薔薇。」
BL
無自覚モテモテ勇者×平凡地味顔ゴリラ系男子の、コメディー要素強めなラブコメBLのつもり。 勇者ユウリと共に旅する仲間の一人である青年、アレクには悩みがあった。それは自分を除くパーティーメンバーが勇者にベタ惚れかつ、鈍感な勇者がさっぱりそれに気づいていないことだ。イケメン勇者が女の子にチヤホヤされているさまは、相手がイケメンすぎて嫉妬の対象でこそないものの、モテない男子にとっては目に毒なのである。 しかしある日、アレクはユウリに二人きりで呼び出され、告白されてしまい……!? たまには健全な全年齢向けBLを書いてみたくてできた話です。一応、付き合い出す前の両片思いカップルコメディー仕立て……のつもり。他の仲間たちが勇者に言い寄る描写があります。

(…二度と浮気なんてさせない)

らぷた
BL
「もういい、浮気してやる!!」 愛されてる自信がない受けと、秘密を抱えた攻めのお話。 美形クール攻め×天然受け。 隙間時間にどうぞ!

帝国皇子のお婿さんになりました

クリム
BL
 帝国の皇太子エリファス・ロータスとの婚姻を神殿で誓った瞬間、ハルシオン・アスターは自分の前世を思い出す。普通の日本人主婦だったことを。  そして『白い結婚』だったはずの婚姻後、皇太子の寝室に呼ばれることになり、ハルシオンはひた隠しにして来た事実に直面する。王族の姫が19歳まで独身を貫いたこと、その真実が暴かれると、出自の小王国は滅ぼされかねない。 「それなら皇太子殿下に一服盛りますかね、主様」 「そうだね、クーちゃん。ついでに血袋で寝台を汚してなんちゃって既成事実を」 「では、盛って服を乱して、血を……主様、これ……いや、まさかやる気ですか?」 「うん、クーちゃん」 「クーちゃんではありません、クー・チャンです。あ、主様、やめてください!」  これは隣国の帝国皇太子に嫁いだ小王国の『姫君』のお話。

くまさんのマッサージ♡

はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。 2024.03.06 閲覧、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。 2024.03.10 完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m 今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。 2024.03.19 https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy イベントページになります。 25日0時より開始です! ※補足 サークルスペースが確定いたしました。 一次創作2: え5 にて出展させていただいてます! 2024.10.28 11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。 2024.11.01 https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2 本日22時より、イベントが開催されます。 よろしければ遊びに来てください。

無自覚両片想いの鈍感アイドルが、ラブラブになるまでの話

タタミ
BL
アイドルグループ・ORCAに属する一原優成はある日、リーダーの藤守高嶺から衝撃的な指摘を受ける。 「優成、お前明樹のこと好きだろ」 高嶺曰く、優成は同じグループの中城明樹に恋をしているらしい。 メンバー全員に指摘されても到底受け入れられない優成だったが、ひょんなことから明樹とキスしたことでドキドキが止まらなくなり──!?

【完結】白い森の奥深く

N2O
BL
命を助けられた男と、本当の姿を隠した少年の恋の話。 本編/番外編完結しました。 さらりと読めます。 表紙絵 ⇨ 其間 様 X(@sonoma_59)

隣人、イケメン俳優につき

タタミ
BL
イラストレーターの清永一太はある日、隣部屋の怒鳴り合いに気付く。清永が隣部屋を訪ねると、そこでは人気俳優の杉崎久遠が男に暴行されていて──?

処理中です...