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なんでこうなった①※
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短く跳ねる水音が部屋に響き、舌を搦め合った深いキスの合間に、呼応するような吐息がビャクの口から漏れる。
「ふっ、ん」
シグレはその声音に興奮を覚えながら、それでもどこか冷静な気持ちでビャクの口の中を、ゆっくりとほぐすように舌で犯していく。
「んっ」
ビャクの吐息に、気を抜くと全てを持っていかれそうな感覚を覚え、シグレがゆっくりと唇を離すと、月明かりが照らす銀糸が二人の間を繋いでいる。
「今更だけどビャク、お前、男と寝たことあるのか」
ビャクの唇を指で拭いながら、シグレは不意に問い掛ける。
「ないが関係なかろう」
「いや、だってお前。具合いが良いだの癖になるだのって」
「あれは聞き及んだ事実を言ったまでだ」
「お前ね……」
「なんだ。もう仕舞いか」
「五千万ゼラだぞ。終わりなワケあるか」
興醒めしたように溜め息を吐くビャクに、シグレは頭を抱えながらもそれを否定して、腹を括ってから必要なものがあると口にする。
「この部屋なら潤滑油か軟膏とか、そういうもんが用意してあるはずだ」
「なるほどな。ならばそこの棚の引き出し辺りではないか」
ビャクが指差した枕元の小さな引き出しをシグレが探ると、ありがたいことに効能や用途が書き込まれた薬品の瓶が入っていた。
探していた潤滑油以外にも、催淫効果がある軟膏まで用意されていて、改めてここが高級娼館であることを思い知る。
シグレはビャクを仰向けに寝かせて脚を開かせると、軟膏を指に取り、閉じた後孔にそれを塗りこんでいく。
「おい」
「変なもんじゃねえよ。塗ってしばらくすると熱くなってくるみたいだけど、解さないと」
「……まあ良いだろう」
ビャクは前髪を掻き上げ、手持ち無沙汰になった手を伸ばしてシグレの手を掴み、複雑そうに笑みを浮かべた。
「少しずつ触るぞ」
「構わん」
シグレはビャクの返事に苦笑しながら、繋いでない方の手で後孔に静かに指を沈め、浅瀬を緩やかに掻き混ぜて肉襞を掻く。
ビャクの口から僅かに吐息が漏れると、シグレは更に奥へと指を忍ばせて、空いた親指で会陰をなぞり、昂り始めた淫刀の真下の膨らみに触れる。
「くっ」
「拒むな。楽にしてろ」
手探りの中でシグレは呟くと、熟れた肉襞を擦ってさらに奥まで指を沈ませる。
指先で塗り込んだ軟膏のおかげなのか、隘路の中はとろとろに蕩けて、女の身体が濡れるのと同じようにシグレの指に絡み付いて、擦り上げる指が逸った。
「確かに、これは具合いが良いな」
指の根元までを奥に沈めると、シグレは指先を鉤型に曲げて肉襞を刺激する。
そして身体を折ってビャクの膝を大きく押し広げると、そのまま顔を埋めるようにして柔い塊に吸い付いた。
「んっ」
後孔と淫刀を同時に責め立てられて、ビャクが堪らず息を漏らすと、咥え込んだ淫刀が熱を持ち始め、次第に硬く反り返っていく。
シグレにしたって初めての体験だが、不思議と不快感はなく、むしろ背徳感にから来る愉悦に身を震わせながら、ビャクの淫刀をしゃぶっている。
「随分と立派なナニだな」
「誰と比べてだ。ああ、貴様のそれか」
「お前ね……」
「シグレ、先ほどから旨そうにしゃぶっているが、これで突かれたいと、発情した獣のような顔をしているぞ」
「わっ」
見た目にそぐわない怪力であっという間に体勢を逆転されると、ビャクの後孔をほぐしていたシグレの指が、ずるりと外に吐き出された。
「教えてやろうシグレ。俺は見た目こそ軟弱だが、捕食にしか興味がない」
「ビャク、お前」
「貴様が使ったのはこの軟膏だな」
ビャクは易々と片手でシグレの両腕を拘束すると、軟膏を指に取って、器用に足で開かせた 股座に容赦なく指先を捩じ込んだ。
「くっ」
「なに、馴染めば心地は悪くない」
シグレの後孔を責め立てながら、ビャクは口角を上げると、二本の指で隘路を大きく押し広げて浅瀬にたっぷりと軟膏を塗り込んでいく。
「お前、なんて馬鹿力してんだよ」
両手の拘束を解こうとシグレが身体を揺すると、ビャクはひどく真面目な顔で傷は付けたくないと呟いて、優しく諭すようにキスで唇を塞いだ。
「大人しくしていろ」
それはまるで恋人同士のような甘さと熱を孕み、くちゅりと水音が跳ねると、開いた唇の端から唾液が溢れて、ビャクの唇がそれを啜る。
「痛くはしない。俺は貴様を気に入っているんだ、シグレ」
「ビャク、てめえ」
「好きにして構わんとは言ったが、抱かれてやるとは言ってないぞ」
「ふっ、ん」
シグレはその声音に興奮を覚えながら、それでもどこか冷静な気持ちでビャクの口の中を、ゆっくりとほぐすように舌で犯していく。
「んっ」
ビャクの吐息に、気を抜くと全てを持っていかれそうな感覚を覚え、シグレがゆっくりと唇を離すと、月明かりが照らす銀糸が二人の間を繋いでいる。
「今更だけどビャク、お前、男と寝たことあるのか」
ビャクの唇を指で拭いながら、シグレは不意に問い掛ける。
「ないが関係なかろう」
「いや、だってお前。具合いが良いだの癖になるだのって」
「あれは聞き及んだ事実を言ったまでだ」
「お前ね……」
「なんだ。もう仕舞いか」
「五千万ゼラだぞ。終わりなワケあるか」
興醒めしたように溜め息を吐くビャクに、シグレは頭を抱えながらもそれを否定して、腹を括ってから必要なものがあると口にする。
「この部屋なら潤滑油か軟膏とか、そういうもんが用意してあるはずだ」
「なるほどな。ならばそこの棚の引き出し辺りではないか」
ビャクが指差した枕元の小さな引き出しをシグレが探ると、ありがたいことに効能や用途が書き込まれた薬品の瓶が入っていた。
探していた潤滑油以外にも、催淫効果がある軟膏まで用意されていて、改めてここが高級娼館であることを思い知る。
シグレはビャクを仰向けに寝かせて脚を開かせると、軟膏を指に取り、閉じた後孔にそれを塗りこんでいく。
「おい」
「変なもんじゃねえよ。塗ってしばらくすると熱くなってくるみたいだけど、解さないと」
「……まあ良いだろう」
ビャクは前髪を掻き上げ、手持ち無沙汰になった手を伸ばしてシグレの手を掴み、複雑そうに笑みを浮かべた。
「少しずつ触るぞ」
「構わん」
シグレはビャクの返事に苦笑しながら、繋いでない方の手で後孔に静かに指を沈め、浅瀬を緩やかに掻き混ぜて肉襞を掻く。
ビャクの口から僅かに吐息が漏れると、シグレは更に奥へと指を忍ばせて、空いた親指で会陰をなぞり、昂り始めた淫刀の真下の膨らみに触れる。
「くっ」
「拒むな。楽にしてろ」
手探りの中でシグレは呟くと、熟れた肉襞を擦ってさらに奥まで指を沈ませる。
指先で塗り込んだ軟膏のおかげなのか、隘路の中はとろとろに蕩けて、女の身体が濡れるのと同じようにシグレの指に絡み付いて、擦り上げる指が逸った。
「確かに、これは具合いが良いな」
指の根元までを奥に沈めると、シグレは指先を鉤型に曲げて肉襞を刺激する。
そして身体を折ってビャクの膝を大きく押し広げると、そのまま顔を埋めるようにして柔い塊に吸い付いた。
「んっ」
後孔と淫刀を同時に責め立てられて、ビャクが堪らず息を漏らすと、咥え込んだ淫刀が熱を持ち始め、次第に硬く反り返っていく。
シグレにしたって初めての体験だが、不思議と不快感はなく、むしろ背徳感にから来る愉悦に身を震わせながら、ビャクの淫刀をしゃぶっている。
「随分と立派なナニだな」
「誰と比べてだ。ああ、貴様のそれか」
「お前ね……」
「シグレ、先ほどから旨そうにしゃぶっているが、これで突かれたいと、発情した獣のような顔をしているぞ」
「わっ」
見た目にそぐわない怪力であっという間に体勢を逆転されると、ビャクの後孔をほぐしていたシグレの指が、ずるりと外に吐き出された。
「教えてやろうシグレ。俺は見た目こそ軟弱だが、捕食にしか興味がない」
「ビャク、お前」
「貴様が使ったのはこの軟膏だな」
ビャクは易々と片手でシグレの両腕を拘束すると、軟膏を指に取って、器用に足で開かせた 股座に容赦なく指先を捩じ込んだ。
「くっ」
「なに、馴染めば心地は悪くない」
シグレの後孔を責め立てながら、ビャクは口角を上げると、二本の指で隘路を大きく押し広げて浅瀬にたっぷりと軟膏を塗り込んでいく。
「お前、なんて馬鹿力してんだよ」
両手の拘束を解こうとシグレが身体を揺すると、ビャクはひどく真面目な顔で傷は付けたくないと呟いて、優しく諭すようにキスで唇を塞いだ。
「大人しくしていろ」
それはまるで恋人同士のような甘さと熱を孕み、くちゅりと水音が跳ねると、開いた唇の端から唾液が溢れて、ビャクの唇がそれを啜る。
「痛くはしない。俺は貴様を気に入っているんだ、シグレ」
「ビャク、てめえ」
「好きにして構わんとは言ったが、抱かれてやるとは言ってないぞ」
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