43 / 61
今のハナシ29
しおりを挟む
~キッチン~
んーまぁ大体のものは作れるね。
「響介ー何食べたい?」
「なんでもいいー」
何でもいいが一番困るんだけど・・・
適当に何か作るか。
~二十分後~
「出来た。」
今日はチャーハンと中華スープとサラダ。
多分美味しい。
「響介。出来たよ。」
「お、美味そう。」
「「いただきます。」」
「・・・うっま。やっぱり篠は料理上手だな。」
良かった。
「華恋さんも上手だったしなぁ・・・」
「お母さんはお菓子作りも上手だった。」
いつも私たちのお菓子作ってくれてたし。
「覚えてるのか?」
「え?うん。お母さんが料理上手だったおかげで私にも遺伝したんだよきっと。」
「そうか。」
急にどうしたんだろう。
すっごい悲しそうな、苦しそうな顔してる。
・・・・・・そっか、私に気を使ってるのか・・・
「私は・・・大丈夫だよ。覚えてるけど、悲しいけど、あの日助けてくれた響介がいるから。」
私はそう言って笑う。
「ありがとな。」
響介の気が紛れたみたいでよかった。
「さて、私はちょっと外行ってくる。一時ぐらいには帰ってくるから。」
「分かった。行ってらっしゃい。」
「行ってきます。」
~煌龍幹部室~
ガチャ
「篠っ!」
私がドアを開けると白が一番に気づいて抱き着いてくる。
「久しぶり・・・でもないか。零斗。総長、まだ決まらないの?」
「いえ、ほぼ決まっています。その人が良いと言ってくれればそれで決まりです。」
「誰?」
私がそう言うとみんなは顔を見合わせる。
誰が言うか迷ってるみたいだった。
「・・・・・・篠葉さん・・・あなたです。」
結局零斗がそう言った。
私は・・・
「出来ないよ。やらない。私に双が守ってきたこの仲間を率いていくなんてこと出来ない。私にはその資格なんてない。」
「「そんなことないよ。」」
蒼と白がそう言った。
「どうして?いつも言ってるでしょ?双が死んだのは私のせいだって。私が双と同じ立場に居れるわけない。」
「篠を庇ったからって篠のせいになるわけじゃない。」
「俺達は篠ちゃんが良いと思ったから総長にしたい。総長もきっとそう思ってる。だって今この中で一番強いのは篠ちゃんだよ?」
「けどっ・・・!」
「こちらこそ何度も言っているでしょう。あなたは悪くないしみんなも憎んでなどいない。この倉庫に居る全員に言ったんです。篠葉さんは私たち幹部の誰よりも強いと。そして聞きました次の総長は誰がいいかと。全員こう言ったんですよ。一番強い奴。と。あなたは姫である以前に私たちの仲間です。仲間の中で一番強い奴が次の総長だと決めたのは双さんなんです。だからあなたには総長になる資格があります。私たちを、双さんを超える力があるんですから。あなたはただ守られるだけの弱い人じゃなく、人を守れる力を持っているでしょう。今度は幸せを奪われるだけではなく自分で守りなさい。あなたにはそれだけの力がある。ね?篠葉さん。私たちの総長になってください。」
私が・・・守る・・・?
守れるだけの力がある・・・?
今度こそ大事な家族を・・・仲間を・・・守れる・・・?
「・・・・・・分かった。やる。今度こそ守って見せる。」
んーまぁ大体のものは作れるね。
「響介ー何食べたい?」
「なんでもいいー」
何でもいいが一番困るんだけど・・・
適当に何か作るか。
~二十分後~
「出来た。」
今日はチャーハンと中華スープとサラダ。
多分美味しい。
「響介。出来たよ。」
「お、美味そう。」
「「いただきます。」」
「・・・うっま。やっぱり篠は料理上手だな。」
良かった。
「華恋さんも上手だったしなぁ・・・」
「お母さんはお菓子作りも上手だった。」
いつも私たちのお菓子作ってくれてたし。
「覚えてるのか?」
「え?うん。お母さんが料理上手だったおかげで私にも遺伝したんだよきっと。」
「そうか。」
急にどうしたんだろう。
すっごい悲しそうな、苦しそうな顔してる。
・・・・・・そっか、私に気を使ってるのか・・・
「私は・・・大丈夫だよ。覚えてるけど、悲しいけど、あの日助けてくれた響介がいるから。」
私はそう言って笑う。
「ありがとな。」
響介の気が紛れたみたいでよかった。
「さて、私はちょっと外行ってくる。一時ぐらいには帰ってくるから。」
「分かった。行ってらっしゃい。」
「行ってきます。」
~煌龍幹部室~
ガチャ
「篠っ!」
私がドアを開けると白が一番に気づいて抱き着いてくる。
「久しぶり・・・でもないか。零斗。総長、まだ決まらないの?」
「いえ、ほぼ決まっています。その人が良いと言ってくれればそれで決まりです。」
「誰?」
私がそう言うとみんなは顔を見合わせる。
誰が言うか迷ってるみたいだった。
「・・・・・・篠葉さん・・・あなたです。」
結局零斗がそう言った。
私は・・・
「出来ないよ。やらない。私に双が守ってきたこの仲間を率いていくなんてこと出来ない。私にはその資格なんてない。」
「「そんなことないよ。」」
蒼と白がそう言った。
「どうして?いつも言ってるでしょ?双が死んだのは私のせいだって。私が双と同じ立場に居れるわけない。」
「篠を庇ったからって篠のせいになるわけじゃない。」
「俺達は篠ちゃんが良いと思ったから総長にしたい。総長もきっとそう思ってる。だって今この中で一番強いのは篠ちゃんだよ?」
「けどっ・・・!」
「こちらこそ何度も言っているでしょう。あなたは悪くないしみんなも憎んでなどいない。この倉庫に居る全員に言ったんです。篠葉さんは私たち幹部の誰よりも強いと。そして聞きました次の総長は誰がいいかと。全員こう言ったんですよ。一番強い奴。と。あなたは姫である以前に私たちの仲間です。仲間の中で一番強い奴が次の総長だと決めたのは双さんなんです。だからあなたには総長になる資格があります。私たちを、双さんを超える力があるんですから。あなたはただ守られるだけの弱い人じゃなく、人を守れる力を持っているでしょう。今度は幸せを奪われるだけではなく自分で守りなさい。あなたにはそれだけの力がある。ね?篠葉さん。私たちの総長になってください。」
私が・・・守る・・・?
守れるだけの力がある・・・?
今度こそ大事な家族を・・・仲間を・・・守れる・・・?
「・・・・・・分かった。やる。今度こそ守って見せる。」
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
選ばれたのは美人の親友
杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。
【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!
ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、
1年以内に妊娠そして出産。
跡継ぎを産んで女主人以上の
役割を果たしていたし、
円満だと思っていた。
夫の本音を聞くまでは。
そして息子が他人に思えた。
いてもいなくてもいい存在?萎んだ花?
分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。
* 作り話です
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
【完結】捨てられ正妃は思い出す。
なか
恋愛
「お前に食指が動くことはない、後はしみったれた余生でも過ごしてくれ」
そんな言葉を最後に婚約者のランドルフ・ファルムンド王子はデイジー・ルドウィンを捨ててしまう。
人生の全てをかけて愛してくれていた彼女をあっさりと。
正妃教育のため幼き頃より人生を捧げて生きていた彼女に味方はおらず、学園ではいじめられ、再び愛した男性にも「遊びだった」と同じように捨てられてしまう。
人生に楽しみも、生きる気力も失った彼女は自分の意志で…自死を選んだ。
再び意識を取り戻すと見知った光景と聞き覚えのある言葉の数々。
デイジーは確信をした、これは二度目の人生なのだと。
確信したと同時に再びあの酷い日々を過ごす事になる事に絶望した、そんなデイジーを変えたのは他でもなく、前世での彼女自身の願いであった。
––次の人生は後悔もない、幸福な日々を––
他でもない、自分自身の願いを叶えるために彼女は二度目の人生を立ち上がる。
前のような弱気な生き方を捨てて、怒りに滾って奮い立つ彼女はこのくそったれな人生を生きていく事を決めた。
彼女に起きた心境の変化、それによって起こる小さな波紋はやがて波となり…この王国でさえ変える大きな波となる。
【完結】愛に裏切られた私と、愛を諦めなかった元夫
紫崎 藍華
恋愛
政略結婚だったにも関わらず、スティーヴンはイルマに浮気し、妻のミシェルを捨てた。
スティーヴンは政略結婚の重要性を理解できていなかった。
そのような男の愛が許されるはずないのだが、彼は愛を貫いた。
捨てられたミシェルも貴族という立場に翻弄されつつも、一つの答えを見出した。
私をもう愛していないなら。
水垣するめ
恋愛
その衝撃的な場面を見たのは、何気ない日の夕方だった。
空は赤く染まって、街の建物を照らしていた。
私は実家の伯爵家からの呼び出しを受けて、その帰路についている時だった。
街中を、私の夫であるアイクが歩いていた。
見知った女性と一緒に。
私の友人である、男爵家ジェーン・バーカーと。
「え?」
思わず私は声をあげた。
なぜ二人が一緒に歩いているのだろう。
二人に接点は無いはずだ。
会ったのだって、私がジェーンをお茶会で家に呼んだ時に、一度顔を合わせただけだ。
それが、何故?
ジェーンと歩くアイクは、どこかいつもよりも楽しげな表情を浮かべてながら、ジェーンと言葉を交わしていた。
結婚してから一年経って、次第に見なくなった顔だ。
私の胸の内に不安が湧いてくる。
(駄目よ。簡単に夫を疑うなんて。きっと二人はいつの間にか友人になっただけ──)
その瞬間。
二人は手を繋いで。
キスをした。
「──」
言葉にならない声が漏れた。
胸の中の不安は確かな形となって、目の前に現れた。
──アイクは浮気していた。
一年で死ぬなら
朝山みどり
恋愛
一族のお食事会の主な話題はクレアをばかにする事と同じ年のいとこを褒めることだった。
理不尽と思いながらもクレアはじっと下を向いていた。
そんなある日、体の不調が続いたクレアは医者に行った。
そこでクレアは心臓が弱っていて、余命一年とわかった。
一年、我慢しても一年。好きにしても一年。吹っ切れたクレアは・・・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる