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今のハナシ17
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~カラオケボックス~
「着いた。・・・はい。大丈夫だった?」
「楽しかったです。あの・・・ここは?」
「カラオケボックスだけど・・・知らない?」
「はい。」
世間知らずだなぁ。
まぁいいや。
「入ろうか。」
「はい。」
~部屋~
「ここならだれにも邪魔されないよ。防音性もばっちりだから。話してみて。」
まぁ、大体検討はつくけどね。
「・・・その・・・私っ・・・私・・・・・・やっぱりいいです・・・あの人たちに話したこと知られたら・・・」
「俺ね君の学校の理事長と知り合いなんだ。」
「理事長・・・ですか?校長ではなく?」
「うん。理事長の三矢響介。知ってるでしょ?」
「はい。」
「君が悩んでるのはイジメのこと・・・でしょ?響介はそう言う事絶対に許さないからさ、君の力になってくれる。君が言えないのなら俺が響介に言ってあげるよ。他の先生は取り合ってくれなくても響介は必ず君のことを助けてくれる。・・・俺もそうだったから。辛いときには救ってくれた。何の関係もない俺を。だけど君は響介の学校の生徒。繋がりがある。たったそれだけで響介は動いてくれるよ。だから話してみて。」
最初はお父さんとお母さんの時。次は私の容姿でイジメられた時。その後も、何度も何度も数えきれないほど私は響介に救われた。
だからたった一言『助けて。』って・・・それだけであの人は救ってくれる。
今までの地獄のような日々から。
「・・・・・・助けてくださいっ・・・!私・・・学校でイジメられててっ・・・家に帰っても居場所なんかなくてっ・・・・・・だけどっ・・・行かなくちゃいけないからっ・・・帰らなくちゃいけないからっ・・・それが辛くて・・・苦しくてっ・・・・・・でもっ・・・今日まで頑張ってきたんです・・・いっぱい我慢して・・・我慢して・・・それでもっ手を差し伸べてくれる人なんかいなくて・・・だから死んでもいいと思っちゃったんです・・・私が死んでも悲しむ人なんて居ないから・・・だから学校に行かないで路地裏を歩いてたんです・・・暗くなるまで時間を潰して誰も居ない時間に死んでしまおうと・・・・・・でも襲われたとき『生きたい』と願ってしまったんです・・・助けを呼んでしまったんです・・・生きていても辛いだけなのに・・・苦しいだけなのに・・・」
「うん。苦しいよね。辛いよね。大丈夫。俺が言ってあげるから。これからは我慢しなくていいんだよ。心の中を全部さらけ出して必死に生きていい。人に頼っていいんだよ。だから、安心して。大丈夫。響介は必ず救ってくれるから。」
「・・・はいっ・・・!」
・・・私と・・・同じだ。
私も一度死のうとした。
何もかもが嫌になって・・・自分腕を・・・〝刺した〟
痛いのには慣れていたから。
実際その時はそれほど痛くなかった。
だけどその時ちょうど響介が帰ってきた。
私の部屋に来て私を見た瞬間とても悲しそうな顔をして動揺してた。
響介は痛くないはずなのに私よりも痛そうな顔をして・・・『ごめんな。』ってそう言った。
響介は悪くないのに。
私のせいで響介を・・・
ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
こんにちはー。
今回の話は悲し目に出来上がりました。
次の話は篠葉の過去の話です。
やっと学祭編に入ったと思いきやずれてすみません。
次もぜひ読んでくださいね。
「着いた。・・・はい。大丈夫だった?」
「楽しかったです。あの・・・ここは?」
「カラオケボックスだけど・・・知らない?」
「はい。」
世間知らずだなぁ。
まぁいいや。
「入ろうか。」
「はい。」
~部屋~
「ここならだれにも邪魔されないよ。防音性もばっちりだから。話してみて。」
まぁ、大体検討はつくけどね。
「・・・その・・・私っ・・・私・・・・・・やっぱりいいです・・・あの人たちに話したこと知られたら・・・」
「俺ね君の学校の理事長と知り合いなんだ。」
「理事長・・・ですか?校長ではなく?」
「うん。理事長の三矢響介。知ってるでしょ?」
「はい。」
「君が悩んでるのはイジメのこと・・・でしょ?響介はそう言う事絶対に許さないからさ、君の力になってくれる。君が言えないのなら俺が響介に言ってあげるよ。他の先生は取り合ってくれなくても響介は必ず君のことを助けてくれる。・・・俺もそうだったから。辛いときには救ってくれた。何の関係もない俺を。だけど君は響介の学校の生徒。繋がりがある。たったそれだけで響介は動いてくれるよ。だから話してみて。」
最初はお父さんとお母さんの時。次は私の容姿でイジメられた時。その後も、何度も何度も数えきれないほど私は響介に救われた。
だからたった一言『助けて。』って・・・それだけであの人は救ってくれる。
今までの地獄のような日々から。
「・・・・・・助けてくださいっ・・・!私・・・学校でイジメられててっ・・・家に帰っても居場所なんかなくてっ・・・・・・だけどっ・・・行かなくちゃいけないからっ・・・帰らなくちゃいけないからっ・・・それが辛くて・・・苦しくてっ・・・・・・でもっ・・・今日まで頑張ってきたんです・・・いっぱい我慢して・・・我慢して・・・それでもっ手を差し伸べてくれる人なんかいなくて・・・だから死んでもいいと思っちゃったんです・・・私が死んでも悲しむ人なんて居ないから・・・だから学校に行かないで路地裏を歩いてたんです・・・暗くなるまで時間を潰して誰も居ない時間に死んでしまおうと・・・・・・でも襲われたとき『生きたい』と願ってしまったんです・・・助けを呼んでしまったんです・・・生きていても辛いだけなのに・・・苦しいだけなのに・・・」
「うん。苦しいよね。辛いよね。大丈夫。俺が言ってあげるから。これからは我慢しなくていいんだよ。心の中を全部さらけ出して必死に生きていい。人に頼っていいんだよ。だから、安心して。大丈夫。響介は必ず救ってくれるから。」
「・・・はいっ・・・!」
・・・私と・・・同じだ。
私も一度死のうとした。
何もかもが嫌になって・・・自分腕を・・・〝刺した〟
痛いのには慣れていたから。
実際その時はそれほど痛くなかった。
だけどその時ちょうど響介が帰ってきた。
私の部屋に来て私を見た瞬間とても悲しそうな顔をして動揺してた。
響介は痛くないはずなのに私よりも痛そうな顔をして・・・『ごめんな。』ってそう言った。
響介は悪くないのに。
私のせいで響介を・・・
ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
こんにちはー。
今回の話は悲し目に出来上がりました。
次の話は篠葉の過去の話です。
やっと学祭編に入ったと思いきやずれてすみません。
次もぜひ読んでくださいね。
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