私に・・・大切なモノをください。

瑞樹 透夜

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今のハナシ9

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~家~

「入って。」

ここにくるまで終始無言だった。

ここは私の最初の家。お父さんとお母さんとカイくんと住んでいた。

私がいつでも来れるように響介に頼んでいた。

だから水も電気も通ってる。

「ここは?」

「ここは私の家。今は使ってないけど。」

「そのわりに綺麗だし電気も通ってるけど・・・」

「響介に頼んでいつでも来れるようにしたんだよ。私の思い出が詰まってる場所だからね。」

「へぇ。」

聞いた割には興味なさそう。

まあその方がいいけど。

「で?なんで兄さんのこと知ってるの。」

「ねぇ煌龍って知ってる?」

「まぁ兄さんが総長だったしな。それが?」

「その族には姫がいたって知ってる?」

「まぁ。噂になってたから。」

「その正体は?」

「灰の蝶。」

「そう。灰の蝶。本名は知ってる?」

「知らない。」

「だよね。ちょっと待ってて。」

私はそう言い残してお風呂場に向かう。

理由は黒にしている髪を灰色に戻すため。

私は普段1日染めとカラコンを使って色を隠してる。

それを取るのは見たら彼みたいに分かるだろうと思って。



~10分後~

「お待たせ。」

「色違くね?目の色も・・・お前って・・・」

うん。言いたいことは分かった。

だから私はお腹を出す。

昔はただのシールだったけど今はもう入れ墨だから落ちない。

昔と全く同じの入れ墨。

「まじかよ・・・灰の蝶ってお前かよ・・・」

「うん。・・・ごめんね。」

「は?なにが?」

「なんでもない。ちょっと付き合って。」

「いいけど。なにすんの?」

そんなの決まってる。

「喧嘩。」



~外~

「静月ってさ女嫌いでしょ。」

「そうだけど。それがなに?」

「いや、白みたいだなって。」

「誰?」

「知らない?小鳥遊 白。」

「・・・知ってる。」

元気かな?私のこと嫌ってなきゃいいけど。

よし。予定変更。煌龍の倉庫行こう。



~煌龍倉庫前~

「こんにちは。みんなは居るかな?」

「篠葉さん!総長たちなら幹部室です!」

「ありがと。」

「でもその後ろの男は誰ですか?」

双龍の総長だってことは言わないでおこう。

彼の弟だということを伝えたらすんなり通してくれた。



~幹部室~

ガチャ

「・・・篠?本物?」

入るなり声を掛けてきたのは白。

「本物だよ。白。」

「篠!会いたかった・・・」

「篠ちゃん!」

「篠葉さん?」

「篠葉!」

白に続いて蒼、零斗、淳の順番で寄ってくる。

「元気だった?」

「篠。後ろの奴は誰。」

わぁ白が殺気出してる。

「白。殺気仕舞って。双の弟だから。」

「こんにちは白さん。兄さんから話は聞いていました。それから蒼さんも、零斗さんも、淳さんも。」

静月すっごい猫被ってる。

「ふん。それより篠。久しぶり。綺麗になった。」

お世辞上手だなぁ。

「ありがと。白は背伸びた?みんなもかっこよくなったね。」

「どうしたの?急にきて。」

「みんなに嫌われてないか心配になって。」

「どうして篠のこと嫌うの?」

だって・・・

「あの事件は私のせい・・・私のせいで双はっ・・・双は死んじゃったんだよ・・・私が死ねば良かったのに!あの時もあの時も!私が傷つけばよかったのに!私が生きてるから・・・私が死なないからみんなが狙われる!私が幸せになるなんてだめなんだ!もう・・・もうやだよぉ・・・」

私が死ねばもうみんなが狙われることなんてなくなる。

なんで・・・なんでなんでなんで!




ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

久しぶりに早く更新しました。

どうでした?

次は静月サイドの話を書こうと思ってます。

次も読んでくれたらうれしいです。
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