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優のハナシ2

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~校舎裏~
「やっぱ喧嘩と言ったらここだよな。」

やっぱり校舎裏に連れていかれた。

「顔だけは殴らないでくださいね?生徒たちに心配されるので。」

と黒い笑みで言った。

「怖ぇよ。わかってるって。」

「ならいいです。」

「じゃあ、いつも通りどちらかが意識不明または降参したら負け。lady・・・go。」

「はっ・・・!」

俺は一番に殴り掛かるが避けられた。

「むぅ。避けないでくださいよっ!」

やっぱ響介さんには勝てないかな?

「お前もそう言うのかよっ!」

俺もってことは篠葉さんが屋上ででも殴り掛かったのかな?

「もう!大人しく倒されてくださいっ!」

また殴り掛かってみるが避けられる。

「そう言われて大人しく倒される奴はいねぇ・・よっ!」

やっと殴り掛かってきた響介さん。

「あぶなっ。急に殴り掛からないでくださいよっ!」

もはやただの逆切れになってしまった。

「喧嘩で急にも何もないだろっ!」

そう言って響介さんが蹴ってくる。

「あははっ!そうでした。」

(もうそろそろ本気でいかないと負けるな。)

「はぁっ!」

蹴りかかってみた。

「うおっ。おまっ本気かよ!」

あは。バレちゃった。

「えへ。だって俺本気出さないと負けちゃうんですもん。」

だから本気出さないでくださいね?と目で訴えかける。
なのに、

「オラァ!」

と本気で殴り掛かって来た。

「酷くないですか?!」

「俺が本気出しちゃ駄目ってルールにないだろ?」

とか言いながら汗かいてるし。いつもなら汗一つ掻かないのに。

「ふふ。俺に負けそうなんですかっ?」

と煽りながら殴り掛かる。
それがまずかった・・・

「あ゛?そんなわけねぇーだろ?」

やべっ。怒らせちゃった。
俺に反撃のスキができないように攻撃してくる。

「ぐっ・・・!」

おっも。

「死ね。」

そう言って殴り掛かってくる。
なにこれめっちゃ怖いんだけど。

「いやちょっ・・・ぐはっ・・・」

思いっきり蹴られて俺は意識を失った。




~保健室~
「おい。優。ゆーう。」

響介さんが俺を呼んでいる。

「・・・なんですか。」

ほんとなんなのこのひと。降参って言おうとしたのに蹴って。マジで酷い。

「心の声漏れてるぞ。」

「当たり前じゃないですか(そうですか?)。」

「言いたかったことと思ってること逆になってないか?」

「そんなことないですよ。」

一発殴りたい。

「ふはっ。殴ってもいいぞ。」

「じゃあ遠慮なく。」

そう言って俺は鳩尾を殴る。

「うぐっ・・・」

さすが元副総長。俺が殴っただけじゃ倒れないか。

「お前なぁ。鳩尾はないだろ。」

「すみません。つい。」

「つい。じゃねぇよ。いってぇ。」

そんなことを言っている響介さんを無視して時計を見ると、授業が終わる5分前だった。

「やばっ。俺教室戻ります!」

「おい。ま・・・」

ピシャン

響介さんの言葉を無視して俺は教室に戻る。



~教室~
ガラッ

うるさっ

「おい!うるせぇぞお前ら!」

叫んだらめっちゃ痛い。
俺はつい顔を顰めた。
それを見て俺が怒ってると思ったのか、

「「「すみませんでした!」」」

と息ぴったりで謝ってきた。

まあ怒ってるんだけどな。

「お前らどういう事だ?俺が戻ってきてもうるさかったってことは覚悟はできてるんだろうなぁ?」

だいぶストレスが溜まっていた俺は殺気を半分ぐらい出して言った。
それだけでこいつらはビビって動けないでいる。

「代表2名放課後校舎裏な。もちろん男女両方な?」

その言葉に全員無言で頷く。

まあいいか。

「次は集会だ。ちゃんと並べよ?」

「「「はい!」」」

あ・・・響介さんに集会だって伝えるの忘れた。篠葉さんが伝えてくれるかな?

そういえば集会の存在忘れて顔殴っちゃった。まあいいか。いつものことだし。



ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
優って意外とうっかりしてますね。

今回も面白かったですか?

次は篠葉の話に戻ります。

次の話もよろしくお願いします!
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