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▶︎アン失踪事件
第1話 本音ダダモレクッキー(1)
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◇
オレのばあちゃんが営む店、〝ふしぎ堂〟は、わくわくする商品でいっぱいだ。
昔ながらの楼閣風建物の広い一階に、古いおもちゃや古い本、CDに、アクセサリーに、骨董品に、古着、駄菓子、よくわかんない絵や地図なんかもびっしりと並んでいて、無我夢中で端から端まで眺めていると、日なんかあっという間に暮れてしまう。
でも、この店の本当のおもしろさはがらくた漁りだけじゃない。
もっと他にも無我夢中になれるところがあって、たとえば――。
「あったぁー! 神商品ー!」
そうそう、これこれ。
オレはがらくたの中に埋もれていた光り輝くお宝――〝神商品〟を手にとって高々と掲げる。
今、オレが見つけたソレは、ピカピカと光る〝木製二色ハンマー〟と〝長細い棒〟の二本セットだ。
ばあちゃんの店には稀にこういうレアアイテムが隠れていて、それを掘り出した時の快感がたまらないんだよなー。
「……って、なんだこれ? 木製ハンマーと、棒?」
「ぶにゃ。それは〝ウチデノコヅチ〟と〝ふしぎな魔法の杖〟にゃ」
カウンター脇の王様イスに座ったまま眠そうな声を寄越したのは、この店の飼い猫であり店員でもある〝にゃすけ〟。ちょっと太ってて生意気な猫。ばあちゃんいわく『招きネコのつくも神』らしいけど、細かいことはオレにもよくわかんね。
いつも気だるそうにしながら商品を案内してくれる、オレの友達みたいなヤツだ。
「ふーん、〝ウチデノコヅチ〟って……昔話に出てくるアレ?」
「そうにゃ。まあ、名前は吾輩が適当につけただけだけどにゃ。おぬしの持つそのハンマーには神の力が宿っていて、赤い面で叩くと大きく、青い面で叩くと小さくなる不思議な力が働くというわけにゃ」
「なるほど……ねー! ちょっと試してみていい?」
「だめにゃ。おぬしがやるとロクなことにならん。お試し厳禁にゃ」
「えー、ケチー。じゃあ、こっちの棒は?? 名前からして魔法でも使えんの?」
「そうにゃ。ただし心が清い子どもにだけ、必要な時に必要なだけしか使えない〝ふしぎな魔法の杖〟にゃ。どっちの商品も客引きが悪かったからつい先日セット売りに切り替えたばっかりの代物で……」
「うはー!『魔法の杖』とかすっげえ激アツじゃん! なーなーなーじゃあこっち試していい? 頼む! ちょっとだけでいいから!」
「ダメだと言ってるにゃ。お宝商品の威力は絶大だからにゃ。その力を 侮ると……」
「ちょっとだけだから、な⁉︎ よーっし、ふんふんふふーんふん、アブラカタブラホホイノホイッッ!」
「ぶにゃっ! こ、コラッ! 言ってるそばから店内でやみくもに振り回すでな……」
「ハアアアアアアにゃすけ痩せろ~~~ッ! ……って、アレ……なんも出ねぇじゃん。ちぇ、つまんねえのー」
「おのれ心の穢れたワルガキめー!今、ワガハイをデブネコ扱いしよったなー⁉︎」
にゃすけが王様イスでプンスカ怒ってはいるが、こちらに歩み寄ってくる気配はない。
アイツ面倒くさがりだからな。動かないから太ってんだよ……って、言おうとしてやめた。
にゃすけにも言われた通り、そういう清らかじゃないことばっかり言ってるから、この〝ふしぎな魔法の杖〟が使えなかったに違いないとそう思い直したからだ。
「って、アハハごめんごめんそんな怒んなって。大丈夫大丈夫ー。にゃすけはデブでもヤセでも可愛い猫には変わりないから」
「ぐぬぬ。なぐさめ方が雑すぎるにゃ。これでもワガハイはつくも神にゃぞ……怒らせると後が怖いんにゃからな……⁉︎」
不満そうな顔でこっちを睨んでいるにゃすけに誤魔化すような笑いを送ってから、『知ってる』とでもいうように親指を立てて見せる。
もちろんにゃすけは、さらに不満そうな顔をしていた。
怒った顔、おもしろいけど可愛い。
掘り出したばかりの神商品を一旦脇にキープしたオレは、「よしよしー。にゃすけカワイー。マジかわいー」と、むくれるにゃすけに適当な声をかけつつ、さらなるお宝探しに没頭する。
するとほどなくして、駄菓子ゾーンにさらなる神商品を発見した。
「お」
「ったくおぬしというヤツは……相変わらず悪ガキを絵に描いたような小僧じゃの。無鉄砲なところはおぬしの祖父ガラクにそっくりにゃ。もう少し慎重に行動しないと……」
「みてにゃすけ! ここにもお宝発見!」
「話、全然聞いてないにゃ」
呆れた眼差しが返ってきたけど構わない。オレはキラキラ光る小瓶を手にとって眺めた。
「おお……めっちゃ光ってる……」
光り輝く透明の小瓶の中にはこんがりと焼けた白黒クッキーが瓶の中に二十枚ぐらい詰まっていて、なんだかめちゃくちゃ美味そうなんだけど。
「これはクッキー?」
「うぬ。だが、ただのクッキーではない。心の中の声がダダモレににゃる〝本音ダダモレクッキー〟にゃ。効果は一枚一時間。なかなか美味だぞ」
「ふうん。本音かあ」
「裏表のないバカ正直のおぬしには無縁な商品かもしれないにゃ」
「むっ。バカっていうなよバカって。でも……たしかにオレ、言いたいことあったらはっきりいっちゃうしなー。オレが食ってもあんまり意味なさそうだけど……」
でも、もしもこれを自分以外の誰かに使ってみたらなんか面白いこと起きるんじゃないか?
――なんて、そんなワクワクすることを考えながら、光る小瓶と、さっき見つけたコヅチ&魔法の杖二点セットを見比べる。
気まぐれなにゃすけが案内してくれない限り、レアな神商品はそう簡単に見つかるもんでもない。
ここで買いそびれたら誰かに買われちゃうかもしれないし、在庫整理で裏庭にある蔵に下げられてしまったらもう二度と会えなくなるかもしれない。
「……」
オレの今月のお小遣いはあと五百円。
「これいくら?」
「クッキーは百円。二点セットは二つで四百円にゃ」
「全部買ったら来月まで小遣いなしかあ」
「店番手伝って小遣い稼ぐしかないにゃ」
「そうだけどさあ。店番してると色々欲しくなっちゃうから困るんだよ」
「そんにゃもん我慢するしか……」
「吏斗、いる?」
――と、ここで。
ふいに店の戸が開き、見知った顔が暖簾をかき分けた。
「む」
「お、きた」
オレらの声に気がつき、ひらりと手を振って店内に足を踏み入れたそいつは、オレのクラスメイトの森谷流加。
黒髪に黒縁メガネ、ゆったりめのセーターに地味な色のズボン。小脇にはなんだか難しそうな本を抱えている。
「よー、ルカ。遅かったじゃん」
「うちは勉強を終わらせてからじゃないと、自由に外出させてもらえないから」
「かーっ。さすがは医者一家のムスコ! 相変わらずカタイなあ」
「……うん、まあ。でも、勉強、別に嫌いじゃないから」
「うげー。勉強嫌いじゃないとかそんなセリフ言うやつ、マジでこの世にいるんだ」
勉強嫌いなオレはこの上なくゾッとするような顔でルカを見る。
ルカはいつも通り何を考えてるのかよくわからない涼しい顔で、「そう? 他にもいると思うけどな」と呟き、そのままさらっと話題を変えた。
「僕のことより、リトは?」
「ん?」
「ミチおばあさんいないみたいだけど、店番中?」
「あー、まあそんなとこ。ばあちゃんは今老人会行ってて、にゃすけが店番。オレはいつものごとくお宝を漁りながら、必要な時だけ手伝ってた感じー」
「そう。大人やふしぎを信じない人には、にゃすけの声も聞こえないもんね」
「そうそう、こう見えてもオレ、ばあちゃん孝行な孫ってわけよ」
「そっか」
ルカは控えめな相槌を打ってから、にゃすけをチラ見する。
目が合うとぺこりと会釈していた。
ルカはオレと正反対の性格で、頭がよく礼儀も正しい。だからにゃすけは、丁寧に挨拶をするルカに満足そうな頷きを返していたけれど、ふと、オレはここで面白いことを思いついてしまった。
「それで……リト。呼ばれたから来たんだけど、今日は何かするの?」
「あー、ちょい待ち」
込み上げてくるにやにやした笑いを噛み殺しながら、オレはレジに代金の百円を入れると、手に持っていた小瓶の蓋を開ける。そして間髪入れずルカに歩み寄り――、
「ちょっとその前に、『あ』」
「……?? 『あ』?」
「ほいっと」
「むぐ」
オレはルカの口の中に、今購入したばかりの〝本音ダダモレクッキー〟を一枚、押し込んだ。
オレのばあちゃんが営む店、〝ふしぎ堂〟は、わくわくする商品でいっぱいだ。
昔ながらの楼閣風建物の広い一階に、古いおもちゃや古い本、CDに、アクセサリーに、骨董品に、古着、駄菓子、よくわかんない絵や地図なんかもびっしりと並んでいて、無我夢中で端から端まで眺めていると、日なんかあっという間に暮れてしまう。
でも、この店の本当のおもしろさはがらくた漁りだけじゃない。
もっと他にも無我夢中になれるところがあって、たとえば――。
「あったぁー! 神商品ー!」
そうそう、これこれ。
オレはがらくたの中に埋もれていた光り輝くお宝――〝神商品〟を手にとって高々と掲げる。
今、オレが見つけたソレは、ピカピカと光る〝木製二色ハンマー〟と〝長細い棒〟の二本セットだ。
ばあちゃんの店には稀にこういうレアアイテムが隠れていて、それを掘り出した時の快感がたまらないんだよなー。
「……って、なんだこれ? 木製ハンマーと、棒?」
「ぶにゃ。それは〝ウチデノコヅチ〟と〝ふしぎな魔法の杖〟にゃ」
カウンター脇の王様イスに座ったまま眠そうな声を寄越したのは、この店の飼い猫であり店員でもある〝にゃすけ〟。ちょっと太ってて生意気な猫。ばあちゃんいわく『招きネコのつくも神』らしいけど、細かいことはオレにもよくわかんね。
いつも気だるそうにしながら商品を案内してくれる、オレの友達みたいなヤツだ。
「ふーん、〝ウチデノコヅチ〟って……昔話に出てくるアレ?」
「そうにゃ。まあ、名前は吾輩が適当につけただけだけどにゃ。おぬしの持つそのハンマーには神の力が宿っていて、赤い面で叩くと大きく、青い面で叩くと小さくなる不思議な力が働くというわけにゃ」
「なるほど……ねー! ちょっと試してみていい?」
「だめにゃ。おぬしがやるとロクなことにならん。お試し厳禁にゃ」
「えー、ケチー。じゃあ、こっちの棒は?? 名前からして魔法でも使えんの?」
「そうにゃ。ただし心が清い子どもにだけ、必要な時に必要なだけしか使えない〝ふしぎな魔法の杖〟にゃ。どっちの商品も客引きが悪かったからつい先日セット売りに切り替えたばっかりの代物で……」
「うはー!『魔法の杖』とかすっげえ激アツじゃん! なーなーなーじゃあこっち試していい? 頼む! ちょっとだけでいいから!」
「ダメだと言ってるにゃ。お宝商品の威力は絶大だからにゃ。その力を 侮ると……」
「ちょっとだけだから、な⁉︎ よーっし、ふんふんふふーんふん、アブラカタブラホホイノホイッッ!」
「ぶにゃっ! こ、コラッ! 言ってるそばから店内でやみくもに振り回すでな……」
「ハアアアアアアにゃすけ痩せろ~~~ッ! ……って、アレ……なんも出ねぇじゃん。ちぇ、つまんねえのー」
「おのれ心の穢れたワルガキめー!今、ワガハイをデブネコ扱いしよったなー⁉︎」
にゃすけが王様イスでプンスカ怒ってはいるが、こちらに歩み寄ってくる気配はない。
アイツ面倒くさがりだからな。動かないから太ってんだよ……って、言おうとしてやめた。
にゃすけにも言われた通り、そういう清らかじゃないことばっかり言ってるから、この〝ふしぎな魔法の杖〟が使えなかったに違いないとそう思い直したからだ。
「って、アハハごめんごめんそんな怒んなって。大丈夫大丈夫ー。にゃすけはデブでもヤセでも可愛い猫には変わりないから」
「ぐぬぬ。なぐさめ方が雑すぎるにゃ。これでもワガハイはつくも神にゃぞ……怒らせると後が怖いんにゃからな……⁉︎」
不満そうな顔でこっちを睨んでいるにゃすけに誤魔化すような笑いを送ってから、『知ってる』とでもいうように親指を立てて見せる。
もちろんにゃすけは、さらに不満そうな顔をしていた。
怒った顔、おもしろいけど可愛い。
掘り出したばかりの神商品を一旦脇にキープしたオレは、「よしよしー。にゃすけカワイー。マジかわいー」と、むくれるにゃすけに適当な声をかけつつ、さらなるお宝探しに没頭する。
するとほどなくして、駄菓子ゾーンにさらなる神商品を発見した。
「お」
「ったくおぬしというヤツは……相変わらず悪ガキを絵に描いたような小僧じゃの。無鉄砲なところはおぬしの祖父ガラクにそっくりにゃ。もう少し慎重に行動しないと……」
「みてにゃすけ! ここにもお宝発見!」
「話、全然聞いてないにゃ」
呆れた眼差しが返ってきたけど構わない。オレはキラキラ光る小瓶を手にとって眺めた。
「おお……めっちゃ光ってる……」
光り輝く透明の小瓶の中にはこんがりと焼けた白黒クッキーが瓶の中に二十枚ぐらい詰まっていて、なんだかめちゃくちゃ美味そうなんだけど。
「これはクッキー?」
「うぬ。だが、ただのクッキーではない。心の中の声がダダモレににゃる〝本音ダダモレクッキー〟にゃ。効果は一枚一時間。なかなか美味だぞ」
「ふうん。本音かあ」
「裏表のないバカ正直のおぬしには無縁な商品かもしれないにゃ」
「むっ。バカっていうなよバカって。でも……たしかにオレ、言いたいことあったらはっきりいっちゃうしなー。オレが食ってもあんまり意味なさそうだけど……」
でも、もしもこれを自分以外の誰かに使ってみたらなんか面白いこと起きるんじゃないか?
――なんて、そんなワクワクすることを考えながら、光る小瓶と、さっき見つけたコヅチ&魔法の杖二点セットを見比べる。
気まぐれなにゃすけが案内してくれない限り、レアな神商品はそう簡単に見つかるもんでもない。
ここで買いそびれたら誰かに買われちゃうかもしれないし、在庫整理で裏庭にある蔵に下げられてしまったらもう二度と会えなくなるかもしれない。
「……」
オレの今月のお小遣いはあと五百円。
「これいくら?」
「クッキーは百円。二点セットは二つで四百円にゃ」
「全部買ったら来月まで小遣いなしかあ」
「店番手伝って小遣い稼ぐしかないにゃ」
「そうだけどさあ。店番してると色々欲しくなっちゃうから困るんだよ」
「そんにゃもん我慢するしか……」
「吏斗、いる?」
――と、ここで。
ふいに店の戸が開き、見知った顔が暖簾をかき分けた。
「む」
「お、きた」
オレらの声に気がつき、ひらりと手を振って店内に足を踏み入れたそいつは、オレのクラスメイトの森谷流加。
黒髪に黒縁メガネ、ゆったりめのセーターに地味な色のズボン。小脇にはなんだか難しそうな本を抱えている。
「よー、ルカ。遅かったじゃん」
「うちは勉強を終わらせてからじゃないと、自由に外出させてもらえないから」
「かーっ。さすがは医者一家のムスコ! 相変わらずカタイなあ」
「……うん、まあ。でも、勉強、別に嫌いじゃないから」
「うげー。勉強嫌いじゃないとかそんなセリフ言うやつ、マジでこの世にいるんだ」
勉強嫌いなオレはこの上なくゾッとするような顔でルカを見る。
ルカはいつも通り何を考えてるのかよくわからない涼しい顔で、「そう? 他にもいると思うけどな」と呟き、そのままさらっと話題を変えた。
「僕のことより、リトは?」
「ん?」
「ミチおばあさんいないみたいだけど、店番中?」
「あー、まあそんなとこ。ばあちゃんは今老人会行ってて、にゃすけが店番。オレはいつものごとくお宝を漁りながら、必要な時だけ手伝ってた感じー」
「そう。大人やふしぎを信じない人には、にゃすけの声も聞こえないもんね」
「そうそう、こう見えてもオレ、ばあちゃん孝行な孫ってわけよ」
「そっか」
ルカは控えめな相槌を打ってから、にゃすけをチラ見する。
目が合うとぺこりと会釈していた。
ルカはオレと正反対の性格で、頭がよく礼儀も正しい。だからにゃすけは、丁寧に挨拶をするルカに満足そうな頷きを返していたけれど、ふと、オレはここで面白いことを思いついてしまった。
「それで……リト。呼ばれたから来たんだけど、今日は何かするの?」
「あー、ちょい待ち」
込み上げてくるにやにやした笑いを噛み殺しながら、オレはレジに代金の百円を入れると、手に持っていた小瓶の蓋を開ける。そして間髪入れずルカに歩み寄り――、
「ちょっとその前に、『あ』」
「……?? 『あ』?」
「ほいっと」
「むぐ」
オレはルカの口の中に、今購入したばかりの〝本音ダダモレクッキー〟を一枚、押し込んだ。
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