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「あちぃ~」
適当にソファに座りながらぼーっとテレビを見てると
上裸でホカホカになった桜庭さんがお風呂場からいい香りをさせながら出てきた。
「ひぃぃっ、!!」
その姿を見て、思わず悲鳴じみた声を上げた。
タオルを首に巻いて、下は履いてるものの、
う、上が裸…っ、!!
「ねぇっ、服っ!」
「へ?服?」
「上、着てくださいよ!」
「えー、あちぃもん」
ソファの背もたれ越しにその姿を見て
思わずゴクリと喉を鳴らした。
・・いい体じゃないっすか。
「見んなよ、えっち」
「へっ?!」
「俺の裸見てただろ~」
大袈裟に体を隠す仕草をしたから
プイッて背を向けて、傍にあったクッションを抱えてソファに座り直した。
「見てないっ」
「見てた~」
「見てないよっ」
「みーてーたっ、」
──ポスっ、と
途端にその声が耳元あたりで聞こえたと思うと
グルッと後ろから首に巻き付けられた熱い腕。
「一緒寝る?」
「…え、」
「抱き枕になって、俺の」
熱い吐息に少しだけ後ろを振り返ると
すぐ近くにお顔があって、少し濡れてる髪の毛からポタっと水が滴り落ちた。
「……抱き枕、」
「そう、気持ちいいぞ~?」
「な、なにがっ?!」
「一緒に寝るって気持ちいいじゃん」
「……う、うん…、?」
「じゃあちょい待ってて。
すぐ髪乾かしてくるわ」
嬉しそうに笑いながらそう言うと
私のホールドされてた首を解放して
再び浴室へと戻って行った。
んあぁぁぁ、どうしよ。
抱き枕ってなんなのよ。
その名の通り抱いて寝る枕、でしょ?
抱いて・・・、
「うし、寝んぞ~」
ガラッと扉が開いてまた戻ってきた桜庭さんは
しっとり濡れてた髪の毛がふわふわになってて
上もちゃんとTシャツを身につけてた。
「や、やっぱり、」
「ほいっ。」
「え?」
”やっぱり今日はやめときましょう!”と、
声を上げて断ろうとしたのに
不意に右手を差し出されて
頭にはてなマークが浮かぶ私。
「お手。」
「お手……?」
「お手、どーぞ」
・・・お手、って。
待て、やら
お手、やら
本気でペット扱いされてるのに、
「………わんっ、」
あまりにも可愛らしく催促されちゃうから
結局素直に手をグーの形にして桜庭さんの手のひらに乗っけちゃって
にひひ、ってまた楽しそうに笑ってくれる。
「やべぇ、まじでいいな」
「お手、が?」
「うん。
この従順な感じがすげぇいい」
わしゃわしゃ、ってまた髪の毛をぐしゃぐしゃにされて
よく出来ました、のご褒美。
「寝れる?」
「うーん、体的には眠いけど…」
精神的に眠れない気がする。
変な感情のドキドキが胸を支配してて。
「じゃあちょっと話すっか、世間話でも」
「世間話?」
「お互いの呼び方とかさ。
てか俺はまいでいいけど、桜庭さん呼びだとなんか距離感じるし」
「…確かに。」
「だからさ、何て呼んでもらおっかなーって思って」
まるで本当のペットかのように、リードに繋がられてる感覚のまま手を引かれて
寝室へと連れていかれた。
適当にソファに座りながらぼーっとテレビを見てると
上裸でホカホカになった桜庭さんがお風呂場からいい香りをさせながら出てきた。
「ひぃぃっ、!!」
その姿を見て、思わず悲鳴じみた声を上げた。
タオルを首に巻いて、下は履いてるものの、
う、上が裸…っ、!!
「ねぇっ、服っ!」
「へ?服?」
「上、着てくださいよ!」
「えー、あちぃもん」
ソファの背もたれ越しにその姿を見て
思わずゴクリと喉を鳴らした。
・・いい体じゃないっすか。
「見んなよ、えっち」
「へっ?!」
「俺の裸見てただろ~」
大袈裟に体を隠す仕草をしたから
プイッて背を向けて、傍にあったクッションを抱えてソファに座り直した。
「見てないっ」
「見てた~」
「見てないよっ」
「みーてーたっ、」
──ポスっ、と
途端にその声が耳元あたりで聞こえたと思うと
グルッと後ろから首に巻き付けられた熱い腕。
「一緒寝る?」
「…え、」
「抱き枕になって、俺の」
熱い吐息に少しだけ後ろを振り返ると
すぐ近くにお顔があって、少し濡れてる髪の毛からポタっと水が滴り落ちた。
「……抱き枕、」
「そう、気持ちいいぞ~?」
「な、なにがっ?!」
「一緒に寝るって気持ちいいじゃん」
「……う、うん…、?」
「じゃあちょい待ってて。
すぐ髪乾かしてくるわ」
嬉しそうに笑いながらそう言うと
私のホールドされてた首を解放して
再び浴室へと戻って行った。
んあぁぁぁ、どうしよ。
抱き枕ってなんなのよ。
その名の通り抱いて寝る枕、でしょ?
抱いて・・・、
「うし、寝んぞ~」
ガラッと扉が開いてまた戻ってきた桜庭さんは
しっとり濡れてた髪の毛がふわふわになってて
上もちゃんとTシャツを身につけてた。
「や、やっぱり、」
「ほいっ。」
「え?」
”やっぱり今日はやめときましょう!”と、
声を上げて断ろうとしたのに
不意に右手を差し出されて
頭にはてなマークが浮かぶ私。
「お手。」
「お手……?」
「お手、どーぞ」
・・・お手、って。
待て、やら
お手、やら
本気でペット扱いされてるのに、
「………わんっ、」
あまりにも可愛らしく催促されちゃうから
結局素直に手をグーの形にして桜庭さんの手のひらに乗っけちゃって
にひひ、ってまた楽しそうに笑ってくれる。
「やべぇ、まじでいいな」
「お手、が?」
「うん。
この従順な感じがすげぇいい」
わしゃわしゃ、ってまた髪の毛をぐしゃぐしゃにされて
よく出来ました、のご褒美。
「寝れる?」
「うーん、体的には眠いけど…」
精神的に眠れない気がする。
変な感情のドキドキが胸を支配してて。
「じゃあちょっと話すっか、世間話でも」
「世間話?」
「お互いの呼び方とかさ。
てか俺はまいでいいけど、桜庭さん呼びだとなんか距離感じるし」
「…確かに。」
「だからさ、何て呼んでもらおっかなーって思って」
まるで本当のペットかのように、リードに繋がられてる感覚のまま手を引かれて
寝室へと連れていかれた。
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