暴れる将軍様、暴れ終い

daimon1369

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小さなサムライ

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上様、泣いております。

奉行も泣いております。

奉行の胸に抱かれて居るのは小さな男の子でした。


「ぼ、坊や?」

子どもが布団に居ないことに気付いた母親がやってきてその惨状に目を丸くしております。


「坊やっ!」

「は、母上」


「ぼく、いえ、拙者は家を護りましたよ」


少し前の事、何時ものように暴れる気満々でやってきた上様ですが、「潔く腹を切れ」

言ったときにふすまを開いた男の子が、流石上様ですと言いながら出てまいりました。


「でも上様一つだけ間違っております、総ては」

僕一人の仕業でござります。

そのまま横倒しに倒れる子ども。


慌てて抱き起こすお父さんの手にはべったりと血が付きまして。


「ひゃあ?」

思わず悲鳴を上げるお父さんです。


上様「ま、さか、坊や?」

その寝間着の前を開けますと。

子どもはすでに腹を切って、さらしで巻いておりました。






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