魔法使いの相棒契約

たるとたたん

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一章 魔法学園へようこそ

✤ 第2話:異質な存在達

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「ぜぇっ、っはぁ、初日から、遅刻するかと思った……!」




 何とか遅刻を回避して、学園の校門に着いた。普段から筋トレしまくってて本当に良かったよっ!お陰で早く走れたし、やっぱり運動って最高だなぁ。


 私はその場で、ほっと胸を撫で下ろした。


 魔法学園の入口にはとても広い門があって、洋風の建物が大きなな敷地の中に立ち並んでいる。敷地の中には小学4年生から高校3年生の生徒が通う校舎と、その生徒達が暮らす寮。

 元々通っていた小学校なんて比にならないような、規格外のサイズ感。
 

 文化祭で一度見たとは言え、この風景にはまだ慣れそうにない。ここまで大きいと、まるでテーマパークみたい。
 こんな場所で毎日暮らすなんて、本当に信じられる?

 私からすると、テーマパークに毎日お泊まりするのと同じような感覚だよ。



「おはようございます、新入生の方ですか?」
「あ、はい……クラス分けするってスマホで見て……」



 魔法学園から支給されたスマートフォンの中には、魔法学園専用のアプリが予めインストールされていた。このアプリで学校の連絡事等が配信される。
 クラス分けの時間や入学式の日程なども、ここから知る事が出来た。何でもスマホで知れるなんて、ほんとに便利でありがたい。

 私が先輩に返事をすると、先輩はにっこり微笑んで口を開いた。



「最初は魔法の適性検査があるからね。あそこにある、合同体育館に行けば大丈夫だよ」
「ありがとうございます!」



 先輩にお辞儀して、指を刺された方向に歩いた。


 歩いている道の左右には、既に花弁が散っている。緑が付き始めた桜が、並木になっていた。
 そう言えば、駅は時期外れなのに満開の桜が咲いてたし……本当の周期だったら、こっちの方が自然なんだろうな。私の近所も、ちょっと緑が付いてたから。


 少し歩くと、直ぐに体育館らしき建物が見えてきた。
 しかし、近づく程に私は悶々とした感情が湧き上がって来た。



「……え、体育館ってこれの事!?」



 思わず、そこで立ち止まってしまった。


 私の知ってる体育館と、全然違いすぎる!

テレビで見るスポーツの試合会場みたいに広くて、ピカピカに磨かれた床がどこまでも続いている。

 そう言えば、さっき先輩が「合同体育館」って言ってたけど……もしかして、全学年用って事なのかな?
 それなら、この広さも理解できる。文化祭の時は校舎しか見る時間なかったから、知らなかったよ。


 それにしても、一々驚くのもいい加減疲れちゃうな。やっぱり、ココは完全にそういうテーマパークなんだって考えた方がいいかもしれない。遊園地みたいな感じで。

 その方が、慣れるのも早いよね。きっと!



 私が入口の近くに行くと、先生らしき大人が沢山並んでいた。中を覗くと、私と同じくらいの背丈をした私服の子どもが椅子に座っている。

 多分、100人以上は居るかな?
 魔法使いは毎年100人から200人くらい産まれるらしち。だから、私の同級生もその位の人数だ。

 中に居る人達は皆ソワソワとしていて落ち着かない様子だけど、ここに居る自分も、それは同じ。そんな様子を察したのか、入口にいた先生らしき人が穏やかに話しかけてくれた。



「入学おめでとう、春風菜乃花はるかぜなのかさん」
「え!?どうして私の名前を……」
「入室した生徒の名前を、この魔道具が書き込んでくれるのよ」
「はぇ~、すごい……」



 先生が座る席に置かれたテーブルには紙とペンが置いてあり、ペンらひとりでに動いている。
 私はその様子が不思議で、ついジッと眺めてしまった。話には聞いていても、実際に魔道具を目の前にすると目が離せなくなってしまう。



「後ろの一番右側にある席が空いてるから、そこに座ってね。もうすぐ始まるから」
「分かりました!」



 5列に分けられた椅子は殆どが埋まっていて、一番後ろの列だけは椅子が半分残っていた。
 時間もギリギリだ。きっと、私が最後なのだろう。


 人が居ない椅子の上には、透明な石がぽつんと置かれていた。手に持ってる人も居るから、みんなの椅子に置かれていたんだと思う。
 私はその石を手に持って、空いていたその椅子に座った。


 すると、直ぐに体育館にアナウンスが鳴り響く。ザワザワとしていた生徒たちは、その声が聞こえた瞬間口を閉じたみたいで、一瞬で体育館の空気は静かになった。
 すると、コツコツとヒールの音が響き、一人の女性が壇上に立ってマイクを手に取る。



「皆様、この度はご入学おめでとうございます。ですがその前に、まずはクラス分けをさせて頂きます」



 その声に、周りは少しだけザワついた。
 私も、心臓がドキドキしてきた気がする。なんだか緊張するなぁ……。



「透明な石が有るかとと思いますが、これは皆様の魔力を取り込む宝石です。この宝石に触れていると色が変わり、その色から皆様の魔法適性が分かります」



  魔力は、自分の中にある物らしい。なんの種類の魔力があるかは人によって違うけど、全くないのが普通の人間で……あるのは、私たち〝魔法使い〟だって聞いた。
 

 魔法の適性は、大きく光属性と闇属性に分かれてる。適性がない属性魔法を使おうとすると、身体に良くないみたい。ぶっ倒れたりとか、全然動けなくなったりとか。年齢が低い人程、症状が出てきちゃうんだって。怖いなぁ。

 とにかく危ないー!って教えてもらったから、それが良くない事なのは、ちゃんと覚えてる。


 えーっと、魔法省の人は確か__





『例えば〝水魔法師〟だった場合、光や火の魔法ならばそんな風にはなりません。でも、適性のない魔力は少ないから、扱える能力値が低い。水魔法以外は上手く扱う事が難しいでしょう。だから、制服の色も細かく変えられているんですよ』

「じゃあ、私は火か水の魔法も使えるってことですか?」

『可能性はあります。貴女は聖女様だから例外だけど……基本は光や闇の魔法をほんの少ししか使えないんです。だから使える人が居るだけでも、我々からするとすごいんですよ。〝二大魔法光・闇〟と言う物は……』





 みたいな事を、言ってたはず。


 私は、数年前に魔法省の職員から聞いた話を思い出す。

 魔法は思っているより仕組みが複雑で、全く覚えられる気がしない。だから私は、聞いた事を頭の中で復唱しまくってなんとかしていた。

 その代償に、小学校のテストが何度も解けなくなったんですけどね!



「その宝石を持って、左側に居る先生の所へそれぞれ並んで下さい。教師がそれを確認・記録して、クラスの制服や魔法の杖をお渡しします。渡された生徒から、クラスごとに体育館の後ろで集まって下さい。全員終えたらそれぞれの寮へご案内します」



 そう言われると、皆宝石を持って席を立ち始めた。
 私も慌てて宝石を持って並ぶけれど、元々の席が一番右だから並ぶのも一番後ろだ。

 前にいる子達がワイワイ喋りながら並んでいて、先頭の子達はもう制服を貰い始めている。
 周りも先生に見せる前に見ているし、自分も先に宝石の色も見てみようかな……と握った手を開こうとした時だった。



「紫色!?」



 突然体育館に大きな声が響き、辺りがシン……と静まった。声の聴こえた先に目線をやると、そこには朝スマホを拾ってくれた女の子が静かに立っていた。



「え……あれって花柳はなやぎ家の咲来さんだよね?」
「ホントだ、双子の妹の方。輝さんは火の適性みたいだけど……」
「紫って……なんで〝完璧な光の家門〟から闇魔法師が生まれるの?!」



 闇魔法の色……へぇ~、私みたいな珍しい人が同じ学年にいるんだね。実はコレも、別にそんなすごい事じゃ無かったりして。

 そんな事を考えていると、周りからはコソコソと話す声が、私の耳に入ってくる。



「花柳家って、親も光属性の魔法使いでしょ?しかも二人とも火魔法師……闇属性の魔法使いは、生まれないはずなのに」
「血が繋がってないってこと?」
「でも、双子なんだよ?見た目だって兄妹みんなそっくり!」



 聞こえた言葉から察するに、彼女は光の家門?って所のお家らしい。でも、何でそんなに噂話をする様に言うのかまでは、理解できなかった。

 私は会話の内容を理解すると同時に、彼女の名字が〝花柳〟だと言う事を知った。それは初めて我が家に来た魔法省職員と同じ名字だ。

 同じ名字って事は、あの職員の人とも知り合いだったりするのかなぁ?たまたま同じなだけかもしれないけど。



「端の方に緑がありますね……色の量的にも風のクラブクラスで良いでしょう」
「分かりました。お手数おかけしてすみません」
「いえ、僕も初めて見たもので……驚いてしまって申し訳ない」
「私もすごく驚きましたから、大丈夫ですよ」



 彼女はそう言いながらも、全く動揺していない様に見える。ずっと、駅で見た様なあの笑顔を浮かべていた。彼女の周りに居た人達も、彼女に対して普通に接している。

 でも、周りの同級生たちはそうじゃない。どこか距離を置いたような目で、彼女を見ていた。
 驚き、不安、そして……一部では、明らかな拒絶。

 なんで……?

 さっきまで楽しそうに話してたのに、紫色の石一つでそんなに態度が変わるの?
 なんだか、胸の奥がザラザラとした嫌な感じがする。こういう空気は、あんまり得意じゃないから。



「……あの、大丈夫?」
「あ、はい!ごめんなさい!!」



 私は周りの様子に気を取られて、いつの間にか自分の番になっていた事に気がついていなかった。


 慌てて先生に手のひらを見せると、先生は氷漬けにされたみたいに固まっている。じわっと温かいその宝石には、淡黄色の光がふわりと揺らめいていた。

 多分これは〝光魔法〟の色って事なんだろう。



「あら、貴女光の……」
「あ~……はい。どうやらそうらしいんですよ~、アハハ……」
「すごいわ。聖女様が生まれるのは、何十年ぶりかしら」



 その瞬間周りのざわつきはより一層深まった。

 こんな風になる事は予想していた。でも、私にとっては本当に不名誉でしかなくて、シンプルに要らない称号なんだけどなぁ。
 だってコレ光魔法は、みんなと一緒な普通になれない、一番の原因なんだから。

 私は薄暗い不快感を押し殺すように、顔に笑顔を貼り付けていた。



「青もほんの少しあるけど、圧倒的に赤の方が多いわ。火のハートクラスが良いでしょう」
「わかりました~!」



 お礼を言って制服と杖受け取る。

 白だけど、少しだけクリーム色?影の色が黄色っぽいから、バニラ味のアイスみたい。
 杖は黒くて、先生が黒板に使う杖にちょっと似てる。丸とダイヤの形みたいなのが杖の先に付いていた。


 クラスの場所へ行こうとすると、既に白い制服を受け取っていた人達が集まって来る。



「貴女聖女様なの!?」
「すごいな~!」
「本物の聖女様だ!」



 皆はそう言って、口を揃えて私を持ち上げるような言葉を投げ続ける。

 でも、その殆どが先程彼女花柳さんに文句を垂れてた人たち。私の不快感は押し殺すのも無理なくらい、既に溢れかけている。



「いや~そうみたいなんだよねっ!ビックリ~!」

 

 でも、そんな事言って何か言われるのも怖くて……私は適当に返事をしてから、ハートクラスの場所へ行った。


 私が後ろの方に歩いていくと、目の前には彼女花柳さんの近くに居た男の子2人が並んでいた。
 恐らく髪色が同じ人が、さっき言われていた彼女の〝双子の兄〟なのだろう。隣に居た子は、様子から察するに友達……かな。


 彼女と同じピンクベージュの髪の毛をじっと見てると、男の子は突然後ろを振り返った。髪の毛はそっくりだけど、目の色は彼女の優しいピンク色とは違って、眩しい黄色をしていた。

 私が目を合わせたままで固まっていると、男の子がニコッと微笑みながら口を開いた。



「ハートクラスだったんだね。初めまして。花柳輝はなやぎひかるって言うんだ。これからよろしくね」



 彼がそう言うと、隣の男の子も振り返って私の方を見ながら、ニコッと笑って声を上げた。




「俺は蓮村陽太はすむらようた!よろしくな!」
「あぁ……えーっと、私は春風菜乃花。よろしくね、二人とも」




 私は彼の顔を見た瞬間、何となくどこかで見た事あるような気がした。私は頭の中をフル回転させて、どこでだったか記憶を辿る。
 しかし私が思い出すより先に、彼の方から話を切り出した。

 

「朝、咲来さくらにスマホ拾われてた子だよね?咲来が知らない人に話し掛けてるなんて珍しいから、覚えてたんだ」
「あ!そう言えばあの時誰かに呼ばれてた……あれが君だったんだ!うわぁ恥ずかしい~……」
「スマホ無くすなんて、朝から災難だったんだな?」
「そうなんだよ!駅で絶望してたんだから」



 よく良く考えれば、あの時女の子を呼んでいたのは容姿の似ている男の子だった。それが彼だった……と言う訳だ。あぁ、見られてたなんて恥ずかしい。
 段々、顔が暑くなってきた気がする。

 しかし、私には先程から気になっていた事があったのだ。それを先ずは聞きたいと思って、私は首をブンブンと振ってから2人に話しかけた。



「あのさ、さっきの子って友達?君の双子なの?」



 私がそう言うと、2人は顔を見合せて少し笑った。


「そうだよ、双子の妹」
「俺達、5人で幼馴染なんだ。3人はクラブクラスに行っちゃったんだけどな」
「へぇ、幼馴染……いいなぁそう言うの。憧れる~」
「菜乃花はそういう人居ないのか?」
「うん。全然居ないの」



 私には、これと言って幼馴染と言える存在が居なかった。それどころか、友達すら居ないみたいなものだ。
 
 だからそう言えるような人、今は誰も居ない。



「よかったら、妹とも仲良くしてね」
「もちろん、絶対話しかけるよ!あの子は天に召されかけてた私のスマホを救い出してくれた、天使様だからねっ」
「天使様?菜乃花、面白いこと言うんだな~!」
「俺には天使様より、角の生えた鬼様に見えるよ」
「それは、輝が咲来に怒られる事してるからだろっ!」



 そのやり取りから相当仲が良い家族と友人なんだと伝わって来て、なんだか穏やかな気持ちになった。




『申し訳ないけれど、学園で私に話しかけるのは……辞めてください』
『え?どうして?』
『……私と関わったら……貴女が、不幸になると思うから』

 



 私は彼女に、別れ際で拒まれた。

 けど、学園内で見かけたら普通に話しかけるつもりだった。いつもの私なら、もう話しかけるのは辞めようって思うけど……何となく、もう1回話したいって思った。

 話さないと、ダメな気がする。



 初めて話した魔法使いの女の子。
 すごく優しい人だった。


 あの時のお礼もまともに出来てないし、あの時の意味深な言葉も気になるし……だから、一言だけでも……せめて、さっきのお礼だけでもしたい。
 
 

 目の前にいるこの2人のお陰だろうか。さっきまで溢れかけていた不快感は、私の中からすっかりそのまま消え去っていた。





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