5 / 7
好きなことと嫌いなこと。
髪の色。
しおりを挟む
髪を鮮やかな色に染めるのが好きだ。
僕は大学生になってから髪を染めている━━ただ染めるのではなく、何度も脱色を繰り返して、それを染めることで鮮やかな色や薄い色にするのだ。
物心つく前から、鮮やかな色の髪はずっと憧れだった。有名映画のプリンセスや、日曜朝の戦うヒロインたち。好きな女の子キャラクターはみんな赤い髪や青い髪をしていたから、私もあんな髪の毛にしたい!と小さい頃から言って両親を困らせていた。
僕は私立の小学校に通ったので、小学校の時には髪を染めるのは到底無理な話。中学も高校も私立で、やっぱり髪を染めるのは無理だった。まあ、僕にとって髪を染めるかどうかの障害になっていたのは学校の校則ではなく親からふざけるなやめろと言われていたことだけなのだが。
とりあえず、大学生になってようやく僕は、『意見を無理やり押し通す』というスキルを入手した。めでたい。結果、まだ全体を脱色する勇気はなかった僕は、割と長めに伸ばしていた髪の毛先10cmくらいを美容室で2回脱色してほんのり青い色に染めた。最高に嬉しかった。鏡の前で髪の毛を見るたびにニヤニヤしてしまうくらいには。
浮かれていたので母親に見せたら、説明し難い憎らしげな顔をされた。まあその話はしても仕方がないので一旦割愛。
とにもかくにもそれが初めて髪を染めた経験なのだが、結論から言うと、僕は髪を染めることにハマった。自分の髪を好きな色に変える権利を自分が持っている、という状態がとても嬉しかったのだ。もちろん脱色したら髪が激しく傷むし、何よりかなりお金がかかるので、何度も脱色するわけにはいかなかったのだが、それでも年に2回か3回美容室で脱色してもらって染めるようになった。
これが、非常に楽しい。初めの頃はどうしても昔憧れたアニメのキャラと同じ色にしたくて、髪全体を青く染めていたのだが、途中で紫にしてみたらこれが似合うと評判だったので調子に乗ってピンクに手を出した。青髪の時もあなたらしくていいですねとはよく言われていたが(それはあなたらしく奇抜な色ですねという意味だったのでは???と若干疑ってしまわなくもない)、紫は一番しっくりきた。ピンクもこれまた、意外と似合うねという評判だったので、しばらく続けることにしている。
ちなみにこの文章を書いているこの瞬間の僕は、ピンクがすっかり抜け落ちて『わずかにピンクみのある金髪』になってしまっている。染めたいがお金は有限なので次に染めるのはいつになることやら…悲しい。
とにかく僕は派手髪が好きである。
僕はバンドをやっているのだが、昔黒髪だった頃は(メイクなんかしていなかったし、服もテキトーに母親が選んだやつを着ていたのでそれも相まってだとは思う)いろんな人に舐められた行動を取られていたし、バンドやっているんですと言ってもほぼ誰も信じてくれなかった。端的に言って過去の僕は見た目が非常に地味(いわゆる芋)だったのである。そりゃ誰も信じないだろうよ、と言われても仕方がない外見をしていた。それを変えようと思ったとき、まず最初に手をつけたのが髪の毛だったのだ。髪を染めて派手な色にしたあの瞬間、私はただの私でなく、『僕』という個性を主張できる私になったのだと勝手に思っている。だから髪の毛の色や髪の毛の手入れには思い入れがある。
まあ、残念なことに、カッコいいことを言えるほどには外見も内面も変わっていないのだが、そういうことにしておきたいと思う。
ちなみに幸いというべきか、僕は生まれ持った髪の質がそこそこいいほうだったようで、実に5回も脱色した割に髪がそこまで傷んでいない。髪質の良さは僕の数少ない取り柄であるので、今も毎日丁寧にケアをしている。数少ない取り柄をダメにするわけにはいかないのである。
みんな髪の毛はケアしといた方が清潔感あるから周りから色々言われないよ!!自分でもサラサラだと気分上がるよ!!やってみ!おすすめはハチミツヘアオイルだよ!
僕は大学生になってから髪を染めている━━ただ染めるのではなく、何度も脱色を繰り返して、それを染めることで鮮やかな色や薄い色にするのだ。
物心つく前から、鮮やかな色の髪はずっと憧れだった。有名映画のプリンセスや、日曜朝の戦うヒロインたち。好きな女の子キャラクターはみんな赤い髪や青い髪をしていたから、私もあんな髪の毛にしたい!と小さい頃から言って両親を困らせていた。
僕は私立の小学校に通ったので、小学校の時には髪を染めるのは到底無理な話。中学も高校も私立で、やっぱり髪を染めるのは無理だった。まあ、僕にとって髪を染めるかどうかの障害になっていたのは学校の校則ではなく親からふざけるなやめろと言われていたことだけなのだが。
とりあえず、大学生になってようやく僕は、『意見を無理やり押し通す』というスキルを入手した。めでたい。結果、まだ全体を脱色する勇気はなかった僕は、割と長めに伸ばしていた髪の毛先10cmくらいを美容室で2回脱色してほんのり青い色に染めた。最高に嬉しかった。鏡の前で髪の毛を見るたびにニヤニヤしてしまうくらいには。
浮かれていたので母親に見せたら、説明し難い憎らしげな顔をされた。まあその話はしても仕方がないので一旦割愛。
とにもかくにもそれが初めて髪を染めた経験なのだが、結論から言うと、僕は髪を染めることにハマった。自分の髪を好きな色に変える権利を自分が持っている、という状態がとても嬉しかったのだ。もちろん脱色したら髪が激しく傷むし、何よりかなりお金がかかるので、何度も脱色するわけにはいかなかったのだが、それでも年に2回か3回美容室で脱色してもらって染めるようになった。
これが、非常に楽しい。初めの頃はどうしても昔憧れたアニメのキャラと同じ色にしたくて、髪全体を青く染めていたのだが、途中で紫にしてみたらこれが似合うと評判だったので調子に乗ってピンクに手を出した。青髪の時もあなたらしくていいですねとはよく言われていたが(それはあなたらしく奇抜な色ですねという意味だったのでは???と若干疑ってしまわなくもない)、紫は一番しっくりきた。ピンクもこれまた、意外と似合うねという評判だったので、しばらく続けることにしている。
ちなみにこの文章を書いているこの瞬間の僕は、ピンクがすっかり抜け落ちて『わずかにピンクみのある金髪』になってしまっている。染めたいがお金は有限なので次に染めるのはいつになることやら…悲しい。
とにかく僕は派手髪が好きである。
僕はバンドをやっているのだが、昔黒髪だった頃は(メイクなんかしていなかったし、服もテキトーに母親が選んだやつを着ていたのでそれも相まってだとは思う)いろんな人に舐められた行動を取られていたし、バンドやっているんですと言ってもほぼ誰も信じてくれなかった。端的に言って過去の僕は見た目が非常に地味(いわゆる芋)だったのである。そりゃ誰も信じないだろうよ、と言われても仕方がない外見をしていた。それを変えようと思ったとき、まず最初に手をつけたのが髪の毛だったのだ。髪を染めて派手な色にしたあの瞬間、私はただの私でなく、『僕』という個性を主張できる私になったのだと勝手に思っている。だから髪の毛の色や髪の毛の手入れには思い入れがある。
まあ、残念なことに、カッコいいことを言えるほどには外見も内面も変わっていないのだが、そういうことにしておきたいと思う。
ちなみに幸いというべきか、僕は生まれ持った髪の質がそこそこいいほうだったようで、実に5回も脱色した割に髪がそこまで傷んでいない。髪質の良さは僕の数少ない取り柄であるので、今も毎日丁寧にケアをしている。数少ない取り柄をダメにするわけにはいかないのである。
みんな髪の毛はケアしといた方が清潔感あるから周りから色々言われないよ!!自分でもサラサラだと気分上がるよ!!やってみ!おすすめはハチミツヘアオイルだよ!
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
にゃこがやってきた
冴條玲
エッセイ・ノンフィクション
こたつ布団をめくって欲しいにゃこ、「ナァ」と鳴きながら肩ぽん。
次には鳴くのが面倒になって肩ぽん。だけ。
次には肩まで手をあげるのが面倒になって腕ぽん。
次には――
これは、ぶち雪姫様の怠惰な日々の記録である。
【アルファポリスで稼ぐ】新社会人が1年間で会社を辞めるために収益UPを目指してみた。
紫蘭
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスでの収益報告、どうやったら収益を上げられるのかの試行錯誤を日々アップします。
アルファポリスのインセンティブの仕組み。
ど素人がどの程度のポイントを貰えるのか。
どの新人賞に応募すればいいのか、各新人賞の詳細と傾向。
実際に新人賞に応募していくまでの過程。
春から新社会人。それなりに希望を持って入社式に向かったはずなのに、そうそうに向いてないことを自覚しました。学生時代から書くことが好きだったこともあり、いつでも仕事を辞められるように、まずはインセンティブのあるアルファポリスで小説とエッセイの投稿を始めて見ました。(そんなに甘いわけが無い)
ポケっこの独り言
ポケっこ
エッセイ・ノンフィクション
ポケっこです。
ここでは日常の不満とかを書くだけのものです。しょーもないですね。
俺の思ってることをそのまま書いたものです。
気まぐれ更新ですが、是非どうぞ。
オタクと鬱で人生暇で忙しい
椿山
エッセイ・ノンフィクション
金と愛と時間を手に入れたけど、自分自身には何にもない。鬱病で何もできないから今日も暇だけど、オタクで情緒が忙しい。アスペルガー症候群と重症の鬱病で医者を辞めたバツイチオタクの雑多な話です。
※エッセイになっているのかわかりません。
ふと思ったこと
マー坊
エッセイ・ノンフィクション
たまにはのんびり考えるのも癒しになりますね。
頭を使うけど頭を休める運動です(笑)
「そうかもしれないね」という納得感。
「どうなんだろうね?」という疑問符。
日記の中からつまみ食いをしてみました(笑)
「世界平和とお金のない世界」
https://plaza.rakuten.co.jp/chienowa/
子供って難解だ〜2児の母の笑える小話〜
珊瑚やよい(にん)
エッセイ・ノンフィクション
10秒で読める笑えるエッセイ集です。
2匹の怪獣さんの母です。11歳の娘と5歳の息子がいます。子供はネタの宝庫だと思います。クスッと笑えるエピソードをどうぞ。
毎日毎日ネタが絶えなくて更新しながら楽しんでいます(笑)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる