それでも世界は美しいってほんと?

輪廻巡

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好きなことと嫌いなこと。

髪の色。

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髪を鮮やかな色に染めるのが好きだ。

僕は大学生になってから髪を染めている━━ただ染めるのではなく、何度も脱色を繰り返して、それを染めることで鮮やかな色や薄い色にするのだ。
物心つく前から、鮮やかな色の髪はずっと憧れだった。有名映画のプリンセスや、日曜朝の戦うヒロインたち。好きな女の子キャラクターはみんな赤い髪や青い髪をしていたから、私もあんな髪の毛にしたい!と小さい頃から言って両親を困らせていた。
僕は私立の小学校に通ったので、小学校の時には髪を染めるのは到底無理な話。中学も高校も私立で、やっぱり髪を染めるのは無理だった。まあ、僕にとって髪を染めるかどうかの障害になっていたのは学校の校則ではなく親からふざけるなやめろと言われていたことだけなのだが。

とりあえず、大学生になってようやく僕は、『意見を無理やり押し通す』というスキルを入手した。めでたい。結果、まだ全体を脱色する勇気はなかった僕は、割と長めに伸ばしていた髪の毛先10cmくらいを美容室で2回脱色してほんのり青い色に染めた。最高に嬉しかった。鏡の前で髪の毛を見るたびにニヤニヤしてしまうくらいには。
浮かれていたので母親に見せたら、説明し難い憎らしげな顔をされた。まあその話はしても仕方がないので一旦割愛。

とにもかくにもそれが初めて髪を染めた経験なのだが、結論から言うと、僕は髪を染めることにハマった。自分の髪を好きな色に変える権利を自分が持っている、という状態がとても嬉しかったのだ。もちろん脱色したら髪が激しく傷むし、何よりかなりお金がかかるので、何度も脱色するわけにはいかなかったのだが、それでも年に2回か3回美容室で脱色してもらって染めるようになった。

これが、非常に楽しい。初めの頃はどうしても昔憧れたアニメのキャラと同じ色にしたくて、髪全体を青く染めていたのだが、途中で紫にしてみたらこれが似合うと評判だったので調子に乗ってピンクに手を出した。青髪の時もあなたらしくていいですねとはよく言われていたが(それはあなたらしく奇抜な色ですねという意味だったのでは???と若干疑ってしまわなくもない)、紫は一番しっくりきた。ピンクもこれまた、意外と似合うねという評判だったので、しばらく続けることにしている。

ちなみにこの文章を書いているこの瞬間の僕は、ピンクがすっかり抜け落ちて『わずかにピンクみのある金髪』になってしまっている。染めたいがお金は有限なので次に染めるのはいつになることやら…悲しい。

とにかく僕は派手髪が好きである。
僕はバンドをやっているのだが、昔黒髪だった頃は(メイクなんかしていなかったし、服もテキトーに母親が選んだやつを着ていたのでそれも相まってだとは思う)いろんな人に舐められた行動を取られていたし、バンドやっているんですと言ってもほぼ誰も信じてくれなかった。端的に言って過去の僕は見た目が非常に地味(いわゆる芋)だったのである。そりゃ誰も信じないだろうよ、と言われても仕方がない外見をしていた。それを変えようと思ったとき、まず最初に手をつけたのが髪の毛だったのだ。髪を染めて派手な色にしたあの瞬間、私はただの私でなく、『僕』という個性を主張できる私になったのだと勝手に思っている。だから髪の毛の色や髪の毛の手入れには思い入れがある。
まあ、残念なことに、カッコいいことを言えるほどには外見も内面も変わっていないのだが、そういうことにしておきたいと思う。

ちなみに幸いというべきか、僕は生まれ持った髪の質がそこそこいいほうだったようで、実に5回も脱色した割に髪がそこまで傷んでいない。髪質の良さは僕の数少ない取り柄であるので、今も毎日丁寧にケアをしている。数少ない取り柄をダメにするわけにはいかないのである。

みんな髪の毛はケアしといた方が清潔感あるから周りから色々言われないよ!!自分でもサラサラだと気分上がるよ!!やってみ!おすすめはハチミツヘアオイルだよ!
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