上 下
7 / 10

帰りの寄り道で簡単に伝説を打ち立ててみた

しおりを挟む


 名も知らない地下遺跡から出て、しばらくの間それぞれウインドブーツと翼で移動していたローランとアイリス。拠点であるトリグラフに戻る途中、服などを買うためにトゥリスという街の近くまで高速移動し、途中から徒歩で街の中に入った彼らは、いの一番に質屋へ向かった。
 これからしばらくの間の活動資金として、箱庭の中にある宝石類を売ることは元々決定していたのだ。リュックサックの中にしまっていたダイヤモンドやルビーといった品々を幾つか売り、大きな布袋一杯の金貨にご満悦のローラン。

「ふへへへへへ……こんな一杯の金貨初めて見た……!」
「……ローラン、ちょっと顔がキモい」

 金の魔力にとり憑かれた彼を見て、アイリスは若干引いた。実際、周囲に行き交う人々がこぞってローランを避けて通っている事実が、彼女の言葉に絶大な説得力を与えていた。

「だってお前、金貨二百枚だぞ!? こんなの手にしたら、思わずニヤニヤしちゃうだろうが!!」
「言いたいことは分かるけど、ちょっと声を控えた方が良い。ガラの悪いのに目を付けられるから」
「……え? マジ?」

 慌てて周囲を見渡す。幸いにもそれらしい者はいないようだが、冷静さを取り戻したローランは布袋の口に通っている紐を肩にかけた。

「ま、まぁとりあえずだ。軍資金は手に入ったし、服買いに行こう」
「ん。ありがと」

 流石に何時までもボロボロの服を着せておくわけにはいかない。質屋からそう遠くない服飾店の前まで辿り着いたローランは、アイリスに金貨を三十枚ほど渡してから店の中に押し込んだ。

「とりあえず、一旦別行動を取ろう。俺も買いたい物はいくつかあるし、アイリスもゆっくり選びたいだろ」
「らじゃ。危なくなったら大声を上げて。駆け付けるから」
「ははは。幾らなんでもそんなデカい声は出せねぇよ」

 実際、女の服選びに付き合うのは辟易とするものがあると、ローランは体験談から悟っていた。職人としてのローランの欠点として、装飾のセンスが無いというものがある。作る物がどうしてもシンプルなデザインになってしまうのだ。
 そんな彼からすれば、女の服など意見を求められても自分好みなシンプルな服や組み合わせばかりを選んでしまうため、それでよく呆れられた。……一体誰に、とは思い出したくないのだが。

「さて……まずは契約書類の羊皮紙だな」

 決まれば即行動と、ローランは雑貨屋や道具屋を巡り、アイリスがシャルバーツ道具店に勤務するために必要な書類の材料を購入すると、残して置いたダイヤモンドを街の人気のない場所で取り出し、硬い砂土の地面に魔法陣を描く。
 魔道具作成に用いる儀式魔法陣だ。この魔法陣の上に必要な材料を置き、魔法陣によって発動される付加魔術を魔核コアとなる宝石や結晶にエンチャントする。
 今回作り出すのは契約書類ギアスロールという、主に雇用主が雇用した相手から不利益をもたらされないようにするための魔道具だ。羊皮紙に記された条約を、名前を記入した相手は破ることは出来ないという、この社会のどこにでも存在するありふれた強力な魔道具。

「さて、やるかね」

 防護のロザリオを外し、指先を切ってから滲んだ血をダイヤモンドに付着させる。雇用主の血液と魔核コア契約書類ギアスロールの材料だ。
 それと一緒に羊皮紙を魔法陣の上に置き、魔術を発動させると、血の付いたダイヤモンドは宙に浮き、液状化して羊皮紙に文字を綴る。これで契約書類ギアスロールの完成である。

「内容は、制作に関する情報を一切他言しないこと。工房となるトリグラフ死火山に関係者以外を立ち入れさせない事……とりあえず、守秘義務を守るためにはこのくらいでいいか」

 完成した羊皮紙型の魔道具を丸めて、ローランは次の用事を済ませるべくその場を後にした。女の服選びならまだ少し時間が掛かるだろう……大金にあかせて必要な物を好きなだけ購入する。ローランのちっぽけな夢が一つ叶った日であった。



 アイリスと別行動をとってから三時間後。ローランは一度、服飾店まで様子を見に行くこととした。この時間ならさして待つこともないだろうし、もしかしたらすでに終わって待ち惚けになっているかもしれないと考えてのことだった。

(ちょっと急いだ方が良いか……?)

 やや早足気味に服飾店まで辿り着き、扉を開ける。銀髪が目立つアイリスはすぐに見つけることが出来た。

「……こっちのモフいのは外見だけで繊維が太い……十二点。こっちはそこそこ良い羊毛使ってるのかな……六十八点」
「……何やってんの?」
「あ、ローラン」

 この服飾店は完成品ではなく、客が自作するための不織布が置いてある。その中でもモフモフとした毛皮布なんてものを置いてあるのだが、なぜかアイリスは自分が着る服そっちのけで、毛皮を存分に抱きしめては点数を付けていた。

「何だ、自作でもするのか? これから暑くなる時期なのにこんな毛皮の服なんて着てられんだろ」
「それなら抜かりはない。もう服はある程度買い揃えてある」

 アイリスはボロボロのドレスから着替えた服を見せびらかすようにその場でクルリと一回転する。
 白のブラウスに黒のミニスカートという巷の女らしい涼やかな服に、しなやかな足を彩るのは皮のブーツ。夏仕様の半袖ジャケットが回転によって腰を超える長い銀髪と共に舞い上がり、ローランは思わず口笛を一つ吹いた。

「メッチャ似合うじゃん」
「ん……ありがと」

 華美でこそないが、決して地味ではない服装を纏う彼女に対して無意識に。そして何一つ偽りのない賛辞に、アイリスは照れたように頬を染め、少し俯きながらジャケットの襟で口元を隠す。
 反則だ。ローランはそう思わざるを得ない。表情の変化が乏しいアイリスがそうやって照れたような仕草を見せると、男としてはどうしても胸の内が熱くなってしまうではないか。

「んんっ! ……そ、それはともかく、今の時期に毛皮なんて見てどうするんだ?」 
モフモフこっちは単にわたしが好きな物。お金稼いだら、部屋中をモフで埋め尽くしてみせる」
「夏になると、死にたくなりそうな部屋だな」

 キリッと無駄に引き締まった表情で宣言するアイリス。夏に熱を吸いやすい毛玉地獄など、人形生物には耐えられないだろうが、そんなことはお構いなしに見える。もしかしたら寒い地域出身で、その発想に思い至ってないのかもしれない。

「でも残念。この店には、八十点以上のモフが無かった。……元々今は買う気なかったけどね。服のお釣りは返さなきゃだし」
「意外に厳しい基準があんのな」
「それにしても……ちょっと弟の事を思い出した」
「弟? アイリスって弟居るのか?」
「ん。子供の時からわたしの後ろを「姉さま姉さま」って付いてくる可愛い弟で、大きくなってからは少し捻くれちゃったけど、変わらず慕ってくれてたな」
 
 良い弟だと、ローランは素直にそう思う。親の死に目にもパレードなどとほざいて帰ってこない愚妹と交換したいくらいだ。

「わたしの腕にすっぽり収まる手ごろな大きさで、百点満点のモフみで、抱き心地と温度も良好で、一緒に寝る時には欠かせない抱き枕みたいな感じで」
「お前の弟は毛玉か何かなの?」

 魔族の生態が本気で気になった。一体どういう両親の組み合わせで生まれた姉弟なのか。

(にしても、見た目に惑わされそうだけど、人並みに可愛いもの好きで、人並みに弟思いな、中身は結構普通の女って感じなんだよな。頭蓋くらいなら楽々粉砕できそうな、見た目に反した怪力ゴリラガールのくせに)
「…………今、何か失礼なことを考えなかった?」
「…………気のせいです」
「……はぁ。ローランって嘘下手だよね。凄く目が泳いでたし」
「嘘っ!?」

 思わず自分の目元に触れる。その仕草が、アイリスの言葉が事実だと如実に語っていた。

「そんなので商売とか出来るの?」
「うぐぐ……営業担当を雇うべきか……? 俺は魔道具作成に力を入れるって感じで」

 物言わぬ材料や道具を手に入れるのとはわけが違う、アイリスの時のような棚ぼたも期待できない従業員の確保に頭を悩ませていると、それに連動してふと思い出した用事がある。

「そうだ。帰る前に魔物の素材も手に入れないと」
「魔物の?」
「商品搬送用にな。タンクリザードみたいな生体魔道具を生み出そうと思ってよ。保存状態の良いのが好ましい」

 星龍の鍋に生産過程を書き込み、魔核コアとなるアメシストと一緒に必要な魔物系の素材を放り込めば、ローランが想定している特殊な人工魔物の卵が完成するはずだ。
 狙うは大型の荷車を引くにも重用される大型のトカゲ型の魔物、タンクリザードだ。一度の食事に牛一頭とかなり大食いだが、食事頻度は月に一度だけで、水分さえ与えていれば問題なく活動する、大人しさにも定評のある種類である。
 
「……今でも・・・タンクリザード使ってるんだ」
「ん? なんか言ったか?」
「……別に何も。それより、搬送用の人工魔物だったら、良い素材に心当たりがある」



 ドラゴン。それは全種族の王と謳われる、最強生物たちの総称。遥か古からドラゴンスレイヤーという英雄が歴史に名を刻んだことから、その強さが窺い知れるというものだろう。
 そう、彼らはただ一頭倒すだけでもとんでもない栄誉なのだ。人の枠組みを超えた巨体と、あらゆる種族を圧倒する膂力りょりょくと魔力は他の追随を許さない。
 どんなドラゴンたちは時に人里を襲うが、基本的に人の領域から離れた僻地に住むという。……そう、例えば現在進行形でローランたちが立っている人里離れた岩山とかに。
 
「あのさ、聞いてもいい?」
「何?」
「俺さ、あくまでタンクリザードみたいな魔物の素材が欲しいって言ったじゃん? ぶっちゃけ、探せば町でも買えそうなのばっかりなんだよね。なのにさ」

 ローランは頭上から見下ろす視線を見上げ、隣に立つアイリスの頭をスパーンッと叩く。

「なんでわざわざドラゴンの前まで連れてきやがったこの野郎!?」
「ローラン、痛い」
「黙らっしゃい!」

 あの後、荷物ごとアイリスにぶら下げられる形で上空を飛行し、ドラゴンの前まで連れてこられたローラン。そんな自分の縄張りへと侵入した小さな生物を許す気は毛頭無いのか、ドラゴンは明らかに怒りと敵対心を露にした目を向けている。

「やばいやばいやばいやばい! 今すぐ逃げるぞ!!」

 ローランは慌ててアイリスの手を引いて逃げようとするが、それよりも早くドラゴンが大顎を開いて、彼らを地面ごと食らおうとする。最悪荷物を置いてでもウインドブーツでその場から離れようとするが、それよりもドラゴンの牙が到達する方が早い。
 圧倒的捕食者の前に、弱肉は無力。連綿と受け継がれてきた大自然の理がローランたちに襲い掛かろうとした。その瞬間。アイリスは回避行動もとらず、自分の手のひらを下から上へ、ドラゴンに向かって掬い上げるように振り上げた。

「《氷陣》」
    
 同時に一言呟かれる。その瞬間、アイリスの手を起点として絶大な冷気が発生し、地面を舐めるように小山ほどありそうな巨体のドラゴンの全身を呑む込んだ。
 見た目こそ爬虫類のようだが、ドラゴンは暑さにも寒さにも強い。そんな強力な種族が、夏前の気温をたちまち氷点下へ、更にはあらゆる水分を凝固させる凍結地獄へと変貌させた魔術にもがき苦しんでいる。
 
「……ガ……ァ……ァ……ッ」

 なんとかその場から脱しようとするが、それも銀髪の魔族が許さない。まるでアイリスの意思によって自在に形を変えるかのように、前方にのみ吹き荒れる氷雪の旋風は、瞬時にドラゴンの体を芯まで凍りつかせた。
 何も見えないほど超局地的猛吹雪の中で咆哮も上げられず、やがて魔術の効果時間が終わって吹雪が晴れると、そこには巨大な氷山の中に閉じ込められるドラゴンの姿があった。

「ん。ドラゴンの全身素材、冷凍保存できた。……それで、どの部位が欲しいの?」

 ドラゴンを一撃で屠るという大魔術を行使しても、疲労の一つ見せないアイリス。それを見たローランは、心強い味方を手に入れたと思うのと同時に、この女だけは何が何でも怒らせまいと、再び心に決めるのであった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~

大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」  唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。  そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。 「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」 「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」  一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。  これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。 ※小説家になろう様でも連載しております。 2021/02/12日、完結しました。

追放?俺にとっては解放だ!~自惚れ勇者パーティに付き合いきれなくなった俺、捨てられた女神を助けてジョブ【楽園創造者】を授かり人生を謳歌する~

和成ソウイチ
ファンタジー
(全77話完結)【あなたの楽園、タダで創ります! 追放先はこちらへ】 「スカウトはダサい。男はつまらん。つーことでラクター、お前はクビな」 ――その言葉を待ってたよ勇者スカル。じゃあな。 勇者のパワハラに愛想を尽かしていたスカウトのラクターは、クビ宣告を幸いに勇者パーティを出て行く。 かつては憧れていた勇者。だからこそここまで我慢してきたが、今はむしろ、追放されて心が晴れやかだった。 彼はスカルに仕える前から――いや、生まれた瞬間から決めていたことがあった。 一生懸命に生きる奴をリスペクトしよう。 実はラクターは転生者だった。生前、同じようにボロ布のようにこき使われていた幼馴染の同僚を失って以来、一生懸命に生きていても報われない奴の力になりたいと考え続けていた彼。だが、転生者であるにも関わらずラクターにはまだ、特別な力はなかった。 ところが、追放された直後にとある女神を救ったことでラクターの人生は一変する。 どうやら勇者パーティのせいで女神でありながら奴隷として売り飛ばされたらしい。 解放した女神が憑依したことにより、ラクターはジョブ【楽園創造者】に目覚める。 その能力は、文字通り理想とする空間を自由に創造できるチートなものだった。 しばらくひとりで暮らしたかったラクターは、ふと気付く。 ――一生懸命生きてるのは、何も人間だけじゃないよな? こうして人里離れた森の中で動植物たちのために【楽園創造者】の力を使い、彼らと共存生活を始めたラクター。 そこで彼は、神獣の忘れ形見の人狼少女や御神木の大精霊たちと出逢い、楽園を大きくしていく。 さらには、とある事件をきっかけに理不尽に追放された人々のために無料で楽園を創る活動を開始する。 やがてラクターは彼を慕う大勢の仲間たちとともに、自分たちだけの楽園で人生を謳歌するのだった。 一方、ラクターを追放し、さらには彼と敵対したことをきっかけに、スカルを始めとした勇者パーティは急速に衰退していく。 (他サイトでも投稿中)

逆転スキル【みんな俺より弱くなる】で、勝ち組勇者パーティーを底辺に堕とします

鬱沢色素
ファンタジー
 底辺負け組アルフは勇者エリオットに虐げられており、幼馴染みも寝取られてしまう。  しかし【みんな俺より弱くなる】というスキルを使って、みんなに復讐することにした。 「俺を虐げてきた勇者パーティーのみんなを、人生ド底辺に堕としてやる!」  手始めにアルフは弱くなった勇者をボコボコにする。  その後、勇者はデコピン一発でやられたり、聖剣が重くて使えなくなったり、女達から徐々に煙たがられたり——と着実に底辺に堕ちていった。  今ここに血で彩られた復讐劇がはじまる。  題名に★マークが付いてるのは、勇者パーティー視点で彼等が底辺に堕ちていくまでの様を描いています ※小説家になろう様でも先行で連載しております。

妻を寝取ったパーティーメンバーに刺殺された俺はもう死にたくない。〜二度目の俺。最悪から最高の人生へ〜

橋本 悠
ファンタジー
両親の死、いじめ、NTRなどありとあらゆる`最悪`を経験し、終いにはパーティーメンバーに刺殺された俺は、異世界転生に成功した……と思いきや。 もしかして……また俺かよ!! 人生の最悪を賭けた二周目の俺が始まる……ってもうあんな最悪見たくない!!! さいっっっっこうの人生送ってやるよ!! ────── こちらの作品はカクヨム様でも連載させていただいております。 先取り更新はカクヨム様でございます。是非こちらもよろしくお願いします!

勇者、追放される ~仲間がクズばかりだったので、魔王とお茶してのんびり過ごす。戻ってこいと言われても断固拒否。~

秋鷺 照
ファンタジー
 強すぎて勇者になってしまったレッグは、パーティーを追放され、一人で魔王城へ行く。美味しいと噂の、魔族領の茶を飲むために!(ちゃんと人類も守る)

幼馴染みを寝取られた無能ですが、実は最強でした

一本橋
ファンタジー
「ごめん、他に好きな人が出来た」 婚約していた幼馴染みに突然、そう言い渡されてしまった。 その相手は日頃から少年を虐めている騎士爵の嫡男だった。 そんな時、従者と名乗る美少女が現れ、少年が公爵家の嫡男である事を明かされる。 そして、無能だと思われていた少年は、弱者を演じていただけであり、実は圧倒的な力を持っていた。

外れスキル【建築】持ちの俺は実家を追放される。辺境で家作りをしていただけなのに、魔王城よりもすごい最強の帝国が出来上がってた

つくも
ファンタジー
「闘えもしない外れスキルを授かった貴様など必要ない! 出て行け! グラン!」 剣聖の家系に生まれた少年グランは15歳のスキル継承の儀の際に非戦闘用の外れスキルである【建築】(ビルド)を授かった。 対する義弟は当たりスキルである『剣神』を授かる。 グランは実父に用無しの無能として実家を追放される事になる。辺境に追いやられ、グランはそこで【建築】スキルを利用し、家作りを始める。家作りに没頭するグランは【建築】スキルが外れスキルなどではなく、とんでもない可能性を秘めている事に気づく。 【建築】スキルでどんどん辺境を開拓するグラン。 気づいたら魔王城よりもすごい、世界最強の帝国ができあがる。 そして、グランは家にいたまま、魔王を倒した英雄として、世界中にその名を轟かせる事となる。

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

処理中です...