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後日譚
2.同棲
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ある夜のこと。モイとミルはそれぞれのベッドの中にいた。
ミルは今まで、メンテナンスの関係もあってか、モイの部屋で一緒に暮らしていた。
しかし、モイは思った。
そろそろかな~と。早速、ミルのベッドの方を向いて、ミルに提案してみる。
「ねえ、ミルちゃん。起きてる?」
「・・・はい。なんでしょう」
「そろそろラグランと同棲してみない?」
「あの・・・同棲って・・・なんですか?」
「ラグランと一緒の部屋で二人で暮らすってこと。」
「えっ!?そそそんなことって!?・・・できるんです・・・か・・・?」
枕を抱き、顔を真っ赤にしながら戸惑うミル。
「ラグランが良いっていうならね!」
「良いって言うでしょうか・・・。」
「言うわよきっと!ラグランならね!」
そして翌朝。
「あ?同棲!?」
ラグラン、ミルを威嚇。
「あああ、あの!今モイさんが言ったことは忘れてください!ごめんなさいほんと!」
ミルが涙目になりながら、モイの傍にすり寄る。
「もう~!素直になりなさいよ~!ラグラン!」
モイがミルの頭を撫でながら言う。
「そうだよ、ラグ!」
ルーンもどさくさに紛れてミルの味方だ。
3対1。モイ側に分がありすぎる。
「別にいいが、俺の部屋に来ても何も面白いものはないぞ。」
「それは、構わないんです!その!ボク、ラグランの傍に居たくて・・・その・・・。」
「んな!」
上目づかいでの涙目のミルの発言に思わず変な声が出てしまった。
たしかに、ミルの事は好きだ。だが、同棲してしまったら、理性が吹っ飛んでしまいそうなのだ。歯止めが効かなくなるのは確実だ。
「どうなっても知らんぞ・・・。」
「・・・それじゃあ・・!」
ミルが目をうるうるさせながら、ラグランに同棲の許可が下りたことを喜ぶ。
その素直さが眩しい。ラグランは片手を顔で覆いながら下を向く。やれやれという感じだ。
早速、ラグランの部屋に入ってみる。
すると、そこにはベッドとテーブルとクローゼットしかなかった。それとダンベルが二つ。トレーニングルームは別にあるのだ。
「殺風景だろ。だから面白いものはない。ところで、お前の持ち物ってそれだけか?」
「はい。ラグランに買ってもらった大切なものですから。あ!ベッドは後でモイさんが機械で運んでくれるって!」
と言い、うさぎのぬいぐるみを大事そうに抱くミル。
「とりあえず、そこのベッドにでも座れ。コーヒー淹れる。」
「あ、はい。ありがとうございます!」
ベッドに座り、そわそわと落ち着かないミル。
そこへ、ラグランがカップを2つ持って、1つをミルに渡した。
「ありがとうございます。」
コーヒーカップを渡しながら、ラグランはふと疑問をぶつけてみる。
「お前、アンドロイドなのに普通に飯食べるけど、その食べたものはどこに行くんだ?」
「あ。ラグランさんには言ってませんでしたね。簡単に言えば、昔の車のガソリンみたいなものです。今の車は電気で動きますけど・・・。普通に体に吸収されるんです。」
「ほー。」
ラグランはコーヒーを飲みながら感心する。相当特別なアンドロイドだ、と。普通のアンドロイドは食事はしない。体温もない。感情も少ないほうだ。親父が作っただけはあるか、とラグランは思ったのだった。
そこで、ラグランはコーヒーカップをテーブルに置き、ミルに近づく。
「さっき、お前にどうなっても知らんって言ったな。」
「は、はい・・・!」
ミルも急いでコーヒーカップを置き、体をラグランに向ける。
ラグランはミルの肩に手を置き、ゆっくりと唇を近づける。
ミルは悟ったのか、ぎゅっと目を瞑る。
「ん・・・。」
深い深いキスをする。
「ラ、グラ・・ン。」
キスをやめてミルを見ると、目をとろんとさせた表情を見せた。
ベッドに押し倒すと、ミルを全てを受け止める覚悟ができたようでラグランに身を任せる。
初めての行為だった・・・。
翌朝。ラグランとミルは裸でベッドの上にいた。
ラグランがベッドに座ってタバコを吸っているのを後ろから見ながら、ミルが挨拶をする。
「おはようございます、ラグラン。」
幸せな気持ちでいっぱいのミルだった。
ミルは今まで、メンテナンスの関係もあってか、モイの部屋で一緒に暮らしていた。
しかし、モイは思った。
そろそろかな~と。早速、ミルのベッドの方を向いて、ミルに提案してみる。
「ねえ、ミルちゃん。起きてる?」
「・・・はい。なんでしょう」
「そろそろラグランと同棲してみない?」
「あの・・・同棲って・・・なんですか?」
「ラグランと一緒の部屋で二人で暮らすってこと。」
「えっ!?そそそんなことって!?・・・できるんです・・・か・・・?」
枕を抱き、顔を真っ赤にしながら戸惑うミル。
「ラグランが良いっていうならね!」
「良いって言うでしょうか・・・。」
「言うわよきっと!ラグランならね!」
そして翌朝。
「あ?同棲!?」
ラグラン、ミルを威嚇。
「あああ、あの!今モイさんが言ったことは忘れてください!ごめんなさいほんと!」
ミルが涙目になりながら、モイの傍にすり寄る。
「もう~!素直になりなさいよ~!ラグラン!」
モイがミルの頭を撫でながら言う。
「そうだよ、ラグ!」
ルーンもどさくさに紛れてミルの味方だ。
3対1。モイ側に分がありすぎる。
「別にいいが、俺の部屋に来ても何も面白いものはないぞ。」
「それは、構わないんです!その!ボク、ラグランの傍に居たくて・・・その・・・。」
「んな!」
上目づかいでの涙目のミルの発言に思わず変な声が出てしまった。
たしかに、ミルの事は好きだ。だが、同棲してしまったら、理性が吹っ飛んでしまいそうなのだ。歯止めが効かなくなるのは確実だ。
「どうなっても知らんぞ・・・。」
「・・・それじゃあ・・!」
ミルが目をうるうるさせながら、ラグランに同棲の許可が下りたことを喜ぶ。
その素直さが眩しい。ラグランは片手を顔で覆いながら下を向く。やれやれという感じだ。
早速、ラグランの部屋に入ってみる。
すると、そこにはベッドとテーブルとクローゼットしかなかった。それとダンベルが二つ。トレーニングルームは別にあるのだ。
「殺風景だろ。だから面白いものはない。ところで、お前の持ち物ってそれだけか?」
「はい。ラグランに買ってもらった大切なものですから。あ!ベッドは後でモイさんが機械で運んでくれるって!」
と言い、うさぎのぬいぐるみを大事そうに抱くミル。
「とりあえず、そこのベッドにでも座れ。コーヒー淹れる。」
「あ、はい。ありがとうございます!」
ベッドに座り、そわそわと落ち着かないミル。
そこへ、ラグランがカップを2つ持って、1つをミルに渡した。
「ありがとうございます。」
コーヒーカップを渡しながら、ラグランはふと疑問をぶつけてみる。
「お前、アンドロイドなのに普通に飯食べるけど、その食べたものはどこに行くんだ?」
「あ。ラグランさんには言ってませんでしたね。簡単に言えば、昔の車のガソリンみたいなものです。今の車は電気で動きますけど・・・。普通に体に吸収されるんです。」
「ほー。」
ラグランはコーヒーを飲みながら感心する。相当特別なアンドロイドだ、と。普通のアンドロイドは食事はしない。体温もない。感情も少ないほうだ。親父が作っただけはあるか、とラグランは思ったのだった。
そこで、ラグランはコーヒーカップをテーブルに置き、ミルに近づく。
「さっき、お前にどうなっても知らんって言ったな。」
「は、はい・・・!」
ミルも急いでコーヒーカップを置き、体をラグランに向ける。
ラグランはミルの肩に手を置き、ゆっくりと唇を近づける。
ミルは悟ったのか、ぎゅっと目を瞑る。
「ん・・・。」
深い深いキスをする。
「ラ、グラ・・ン。」
キスをやめてミルを見ると、目をとろんとさせた表情を見せた。
ベッドに押し倒すと、ミルを全てを受け止める覚悟ができたようでラグランに身を任せる。
初めての行為だった・・・。
翌朝。ラグランとミルは裸でベッドの上にいた。
ラグランがベッドに座ってタバコを吸っているのを後ろから見ながら、ミルが挨拶をする。
「おはようございます、ラグラン。」
幸せな気持ちでいっぱいのミルだった。
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