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63.悠との夜② ※
しおりを挟むゴールに向けて、クララがスタートダッシュを決ちまった。
ここまで来たら、もう完走するしかねぇ。
むしろこんな状態になるまで、乳首を弄っていた悠が悪い。
俺はしっかり止めろと言っていたってのに。
(なのにコイツってば…。くそっ。ヤリ逃げなんて許さねぇからなっ)
ここまで昂ぶらせた責任は重い。
しっかりツケは払ってもらうぞ!!
プツッと何かが切れた気がするけど、構うもんか。
今からお前は、俺の可愛い『ダッチワイフ』ちゃんになるんだよ!!
ギラリと悠を睨めつけると、俺渾身の力技でもって、うおりゃあ!と悠を転がす。
油断していたのか、悠がコテンと倒れるようにシーツに背中をつけた。その隙を逃さねぇ。
逃げられる前に、すぐにその上に馬乗りになる。
頭がクラクラしていても、性欲に振り切った時は何故だか力が湧いてくる。
俺の性欲パワーをナメるなっ!!
(さて、ウチのお坊ちゃんには教育的指導を施してやんねーとな)
ペロッと口端を舐めながら、悠に覆い被さるように顔を近づける。
まずは…………。
(このおイタをする、悪い唇からだ!!)
カプリと唇に噛み付く。
悪い事をする唇は、こうやってしっかり教えこんでやらねーとな、と思いながら、ハムハムと唇を食んでやった。
「……アキ…」
悠がはぁ…と切なそうな息を吐く。
そんな息を吐かれたって、もうお前に貸すおしゃぶりは与えてやんねぇっつの。
悠が下手に動こうとする前に、脇の下を掬うように腕を差し入れると、ギュッと背中を押さえ込んだ。
うしっ。これだけ悠の胸にピッタリくっついてんだ。
さすがに乳首を狙うことは出来ねぇだろ。
安心とばかりに、俺にとってのメインディッシュに取り掛かる。
悠の腹を跨ぐようにしながら、甘い甘い口内に舌を潜り込ませると、すぐに悠の舌が反応を返してきた。
クチュッ…クチュッ…と舌同士を絡め合っていると、すぐにトロンとした心地になってくる。
うん、やっぱキスはすげー好き。
貪られるような激しいキスは苦手だけど、こういうトロトロに甘やかされるようなキスは大好きだ。
ずっとキスしてたくなる。
「は…っ、アキ。…すごく、甘い……」
息継ぎのために離された唇が、頬を滑るように耳元に落ちると、悠が吐息混じりに囁いてくる。
……なに言ってんだよ。
甘いのは悠の方だろ。
言葉にする前に、悠の舌がまた絡んできたせいで、言えないまま飲み込まれてしまう。
◆◆◆
とろんとしながら悠とのキスに夢中になっていると、力の抜けた口の端から唾液が一筋零れ落ちた。
それさえもったいないと言わんばかりに、悠がすぐさま舌で掬いあげて舐め取っていく。
「んぅう……っ!」
なんかそれだけでも、すげー感じる。
背中に走ったぞくぞくとする痺れに、思わず腰が揺れてハッとなった。
(そうだ…! 俺のダッチワイフちゃん!)
キスに夢中になっている間に、おイタに対する制裁を忘れる所だった。
(そう言えばクララの暴走を止めるために、腹を貸してもらうつもりだったんだっけ)
なら遠慮はいらないだろと、ユルユルと腹にクララを押し付けてやる。
うむ。思った通り、良い腹筋をしている。
程よい硬さと弾力感が気持ちいいじゃないか。
尻に当たる熱いモノが、また良い『支え』になって大変擦りやすいぞ、悠さん。
キスをしながら夢中になって腰を振っていると、パンツの中がぬるぬると滑ってきた。
(はぁあ、気持い……悠の腹オナ最高!)
擦れば擦るほど、腹からいい匂いが溢れてくるような気がする。
それと共に、悠の身体が発熱したように熱くなってきた。
「はぁ…っ、はぁ…っ……ンンン…ッ」
「……っ、……アキっ」
俺に腹を犯されてるだけの悠が、興奮するっておかしくねぇ?
腹って意外と感じるもんなの?
グリグリちんこを押し付けてる俺が言うのもなんだけど、逆の立場ならハァハァしながらちんこ押し付けてくる男なんて、キモすぎて引くんだけど。
まぁ性癖なんて人それぞれか。
実際悠が興奮してるのは確かなんだし。
ただ今までの優しいキスから一転、キスが荒々しいものに変わっちまったのが悲しい。
貪るようなキスに翻弄されるように、めちゃくちゃに腔内を犯されて、頭がチカチカしてくる。
舌も痺れてきたし、もしやこれって酸欠?
それでも腰を揺らすのが止められないなんて、俺もどうかしてる。
ラストスパートに入るクララを追いかけるように、俺も一生懸命快感を追った。
「アキ…っ、はぁっ…、アキ…っ!」
唇を離した悠が、切羽詰まったように俺を呼んでくるけど、俺も自分のクララで手一杯だ。
無視するように擦りつけていたら、獣のように呼吸を荒くさせた悠が、突然俺のパンツをズルリと剥いてきた。
驚きに腰の動きも止まる。
「アキ…っ、抱いてもいいか?」
ハッハッと呼吸を乱しながら聞いてくる悠。
みっともなく呼吸を荒げてても、男前が崩れてないのがすごい。
──いや、現実逃避をしてる場合じゃねぇな。
何も言わないと、了承とみなしてすぐに犯されちまうかも。
つーか、いい『支え』だと思って尻に敷いていたコイツってば……。
(悠の凶悪ペニスじゃねーかっ!!)
頭がクララに支配されていたせいで、全く気にもとめていなかったけど、今見たらめちゃくちゃ尻の間に挟まってるじゃんっ!
いや、温かくて気持ち良かったんだって。
だけど抱きたいって事は、これを俺の尻の穴に挿れるって事だろ。
え? この凶器を!? 無理だって!!
ズタズタに切り裂かれるに決まっている!
自分の凶悪ペニスのエグさをちゃんと把握しとけよ!
お前のちんこは拡張がしっかりと出来た、上級者向けだっつーの!!
ギラギラとしながらも縋るように見つめてくる悠は正直可愛い……。
可愛いがしかし、俺の尻にも限界というものがある。
可愛いからと絆されて挿れてしまったら、泣くのは俺だ。
慌てて頭を振るしかねぇ。
「無理っ。裂ける!」
せっかくもうちょっとでイケそうだったのに、凶悪ペニスを挿れられるって考えた途端にへにょりとクララが挫けた。
あのエグい形状は、すでに俺のトラウマになっている。
「ちゃんと慣らすから…っ」
「無理なもんは無理っ。お前のちんこに対応するには、それ相応の事前準備が必要だろうが!」
穴を拡げるのだって、一日で足りるはずがねぇだろ、ボケッ。
何日もかけて穴を拡げねーと、お前の育ちきったズッキーニみたいにド太いちんこは、無理だっつの!!
そもそも俺の穴に、ちんこを挿れようとすんな。拡張も絶対させねーよ!
今日はもう撤収だとばかりに、悠の身体から胸を離す。
「アキ……っ」
あっ、この…!
諦めきれないからって、俺の尻にグリグリとペニスを押し付けてくんなって!!
……
………
…………。んん?
あれ?
ちょっと気持ちよくなってきたかも……。
グリグリされながら揺さぶられると、俺のクララも悠の腹で擦れるせいか、ジワリと熱くなってくる。
「ふ…っ、ぅん……」
吐息に紛れて小さく喘いじまったけど、悠にはしっかりバレちまったっぽい。
トロッと蕩けるように笑いかけられる。
「アキ……。は…っ、かわい…っ」
腰を掴んでいた右手が乳首に伸びてくると、キュッと先端を摘まんでくる。
そのままカリカリと優しく爪で引っ掻かくように触られると、連動するようにクララにまで刺激が走った。
甘い感覚がそこから広がって、頭が蕩ける。
「あ…あ…あっ」
ブルッと震えながら、だらしなく開いた口から勝手に声が漏れた。
声を抑えるどころか、快感を享受するだけで、いっぱいいっぱいになる。
気付けば悠の動きに合わせるように、腰をグラインドさせていた。
「はぁっ、はぁっ、アキ…!」
なんか悠もヤバそう。
珍しく額に汗を浮かべている。
切なげに細められた目元が、必死で俺を追うように見つめている。
乳首の刺激に煽られて、このままイッちまいそう……。
「ゆ…ぅう、もう、俺…っ!」
「……っ。アキ、ごめん!!」
言うが早いか、体勢を素早く入れ替えた悠が、俺の上に伸し掛かっている。
気づいたときにはフワッとシーツに寝転ばされていたんだけど。
なにこの鮮やかな反転返しっ。
そしてすかさずパンツを脱ぐな…! 怖い!!
「ゆ、ゆうっ!!」
「アキ…っ、挿れないからっ。これだけ…!」
よっぽど切羽詰まっているのか、言葉の途中で俺のちんこと悠のペニスがくっつけられた。
そのまま押し付けるようにゴリゴリとペニスで擦られる。
(こ…これは、前回されて気持ちが良かった兜合わせか…っ)
一瞬ギクリとしたけど、ちんこで擦ってくるだけならまぁいいか。
──と、思った時もありました……。
……あれ?
全然……気持ちが良くないんだけど?
つか── …
むしろ……痛ぇ…っ!
悠は夢中で腰を振っているせいで気づいてないっぽいけど、俺のクララがメチャクチャ悠のペニスに潰されてんだけど!!
んぎゃ──っ、ク…クララ!!
すりこぎ棒のような悠のペニス相手に、俺のクララが死にかけている。
このままでは叩ききゅうりのように、俺のクララが潰されちまう!!
「ちょ…っ、悠、待て……っ!」
「はぁっ、はぁ…っ、アキ、アキ…っ」
待てって言ってるのに悠の耳には届いていないのか、全然動きが止まらねぇ。
どころか、さらに動きが加速された。
このままだと俺のちんこが焼け焦げる…!!
(ヤバいヤバいヤバいっ。ケツどころか、
俺のクララが先に逝っちまう!!)
今の所、悠以外に勃とうとしない駄目クララではあるが、それでも俺の可愛い分身ちゃんだ。
とりあえず夢中になっている悠の意識を引っ張って来ねーと。
考えろ俺!!
絶対何かあるはず…!
……ビンタとか?
いや、そんな事したら悠の顔が腫れちまう。
イケメンの顔に、そんなマネなんて出来ねぇ。
じゃあ他に何か──…。
何か…………。
(──あっ!!)
あった!!
悠がメチャクチャ反応を示すワードが、一つだけあるじゃん!
もうこれしか俺のクララが生き延びる術がねーんだ。
だったらここで使うしかねぇだろっ!
「待てって、悠! 挿れさせてやるからっ。
だから準備くらいさせろっ!」
俺の言葉に、悠の腰の動きがピタリと止まる。
……
………
…………………。
んぇっ!?
マジで止まったんだけど。
止まってくれたのは嬉しい。
嬉しいけど……何だか釈然としねぇええ!
(ていうか、やっぱ俺の声が聞こえてんじゃん! 無視すんなよっ)
肩で息をしながら、驚いた顔で俺を見てくる悠にフツフツとした怒りが湧く。
それを無理やり抑え込んだのは、ひとえにクララ可愛さからだ。
クララに感謝するんだな、キサマ。
とりあえず動きが止まった今の内に、準備くらいはしておこう。
明日は三上達に付き合って、学祭の衣装を見繕わなきゃなんねーんだ。
赤く腫れ上がったクララで外に出かけるのは、地獄すぎる。
布地に触れてヒリヒリしながら歩くことを考えれば、悠に対する怒りだって抑え込めた。
悠を一旦上から退かせると、ベッドのすぐ横にあるチェストの引き出しの奥から、ローションのボトルを取り出した。
なかなかイクことが出来なくなってから、長時間の摩擦防止用に買ったものだったけど、本当に持ってて良かった。
ボトルを片手に、悠の上にどっこいしょと座り直す。
キャップを外しながら、んー…と唸る。
(本当は掌で温めた方がいいんだろうけど、悠相手に面倒くせぇな。このままでいっか)
悠のペニスとクララの上に、そのままボトルの中身をトロリと垂らした。
やはりというか、冷たかったんだろうな。
悠の腰がビクッと揺れたのが伝わってきた。
ものぐさで悪ぃな。
だからこんなのを嫁にもらおうとすんなよ。
ローションの具合を確かめる為に、少しだけ腰を揺すってみる。
うん、痛くない。全っ然痛くねぇよ。
これならイケる! 大丈夫だ!
次は……。
相変わらず信じられないという顔で、こっちを見ている悠の右手をとると、ボトルの中身を掌の上に出してやる。
「アキ……本当にいいのか?」
戸惑った顔で悠が左手を伸ばしてくると、スルリと俺の頬を撫でてきた。
一応気遣ってくれるのか?
良い奴。あんなにしたがってたくせに、間際になると俺を心配してくれんだな。
まぁ咄嗟に思いついた言葉だったけど、約束は約束だ。
さすがに俺も違えようとはしねぇよ。
「挿れてもいいけど、指だけな。ちんこは無理」
「あ…あぁ、そっちか……。いや、指だけでも許してくれてありがとう。嬉しいよ」
「その代わり1本だけな」
悠は期待と違ったのか、肩の力をふーっと抜いている。
すまんな。でも最初から『ちんこを挿れていい』なんて一言も言ってないし、セーフセーフ。
指だって俺にとっては、かなり妥協もんだっつの。
むしろ、もっと感謝してくれたっていい。
と、心の中では強気に発言したものの。
(やっぱ、怖ぇえ……!!!)
ガチガチに緊張する。
悠の手が尻の割れ目をなぞっただけで、ビクリと身体が強張っちまう。
悔しいけどやっぱそこを触られるのは、未だに抵抗感があった。
俺の怯えを感じとったのか、悠が俺の腰を抱き寄せてきた。
「アキ、怖い? 大丈夫。ゆっくり挿れるから。ほら、こっち」
悠の言葉に、起こしていた身体を悠の胸に預けながら、首元に縋り付く。
いったん尻から手を離した悠が、緩やかに腰を使いながらクララを慰めてくれる。
ヌルヌルのローションが、ちんこに纏わり付いてきて……気持ちいいっ。
怯えて小さくなりかけていたクララも、あっという間に元の興奮状態に戻っちまった。
「あ…っ、あ…っ、あ…っ、ちんこ、気持ち…ぃ…!」
「はぁ…っ、アキ。可愛い…そのまま感じてて」
また尻に、悠の指の熱を感じた。
ただすぐに入ってくると怯えてた指も、尻の周りをグニグニとマッサージするように動くだけで、入ってくる気配がない。
おかげで怖さが少しずつ薄れてきた。
時折会陰の辺りにも、ローションのついた指でなぞるように触れてきて、それもなんか……ゾクゾクするような感覚を覚える。
こんな部分にまで、快感の芽ってあるんだな。
とりあえず悠が触れる部分全部が気持ち良くって、また身体がトロトロになってきた。
顔を押し付けている悠の肌からも甘くて良い匂いがする。
(んんんっ、なんか…キスしたい)
悠の唇をペロッと舐めると、悠が中に迎え入れてくれる。
……んっ。
やっぱ悠の口の中は甘くて美味し。
この厚めの柔らかい舌も、美味しくて好きだ。
「んん…ぅ、…はっ…ぁ、……っ、んんん──っ」
悠とのキスで蕩けていると、尻の窄まりをなぞっていた指がぬるんと中に入ってきた。
力が抜けていたせいか、驚くほど簡単に悠の指を受け入れちまう。
…………ぅっ。
やっぱ微妙に気持ち悪ぃな、尻の中って。
悠の中指で、中を軽く抜き挿しするように動かされるけど、どうにも顔が歪んじまう。
入り口付近を指でぐるりとかき混ぜるように優しく動かしなから「痛い、アキ?」と、口を離してきた悠に心配そうに聞かれた。
む……?
気持ちは悪いけど、別に痛くはない。
ただただ気持ち悪いだけだ。
だから眉間を寄せながらも、ぶるぶると首を横に振ってやると、ホッとしたように「そうか」と安堵の表情を浮かべてきた。
労られるとちょっとだけ、気持ちの悪さが軽減する。
もうちょっとだけ、頑張ってやってもいいって気になってくるのが不思議だ。
……だがちょっと待て。
痛くないとは言ったけど、何ちゃっかり指を二本に増やしてんだ!
「ひ…っ、ぁっ!」
挿れる前に、散々穴周りを解されていたせいで、痛みもなく二本目もスルンと飲み込んじまったけど、始めの約束では指一本だけなって、ちゃんと言ったよな!
なのに何で勝手に指の本数を増やしてんだよ!
さっきよりも太さが増した感覚に、思わず悲鳴が口を突く。
「悠っ、ちょっと…、抜けって…!」
「痛い?」
いや、痛くはねぇ。
ただちょっとケツが拡がって、怖いだけだ。
「怖いんだよ…!」
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ケツの中の異物感は怖いけど、よく考えたら悠の指くらいのウンコなら普通に出してるな、俺。
うん、なら平気かも。
安心したら唇が恋しくなってきた。
悠の唇に顔を寄せると、俺の頭を片手で掻き抱きながら、悠の舌が深く中に潜り込んできた。
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