イケメンがご乱心すぎてついていけません!

アキトワ(まなせ)

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62.悠との夜①

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 悠の甘さに夢中になるように、絡ませた舌を互いにニュルニュルと擦り付け合った。
 
 ん、ん、気持ちいい。
 
 舌先を甘噛みされて、トロンとした心地になる。
 うっとりしながら俺もお返しとばかりに、悠の舌にちゅるっと吸い付いてみた。
 
 はぁ…っ、と喘ぐ様に吐き出される悠の吐息が、えっちぃ。
 間近から見つめてくる悠の瞳も、蜂蜜色に甘く蕩けきってて……舐めたらすげー甘そう。
 
(ちょっと、舐めてみてーな……)
 
 飴玉みたいに舌でコロコロと転がしたら、どんな味がするんだろ?
 やっぱ見た目と同じく、蜂蜜みたいに甘い味かな?
 口ん中だけでも、こんなに甘くて美味しいし。
 きっと全身美味しいに決まってる。
 
 
「ふ…、っは、んちゅ…、…ンッ」
「…っん、アキ…っ」
 
 
 ほんと悠は砂糖菓子みたいだ。
 口に含んでいるだけで、お腹がきゅうきゅう疼くように痺れてくる。
 堪らない気持ちで、吸い付いていた悠の舌を啜ると、甘さと酩酊感に頭がクラクラしてきた。
 ていうか、何か身体もダルい……?
 
 
(……なんか、酔っ払ってるみてぇ)
 
 
 絶対体液に、ラム酒が混じってるだろ。
 だって唾液を飲みこんだ途端、身体がカァッて熱くなってきたし。
 そういや項の辺りも、ピリピリ痺れてやべぇかも。
 弛緩していく俺の身体とは逆に、掻き抱いてくる悠の腕は、むしろ痛いくらいに強い。
 そんなに強く抱きしめなくても、別に逃げたりしねぇって。
  
 
 だって、お前…いい匂いするし。
 くち……きもちいい。
 
 背筋がぞわぞわする。
 
 
(───あ、まただ…)
 
 こんなに気持ちいいのに、何でキスの角度なんか変えんだよ? 
 別にこのままでもいいじゃん。
 それよりも、そのたびに唇を離されるのが……何か嫌だ。寂しいじゃん。
 つか離れんなよ!
 
 ずっとくっついていろ!とばかりに、離れようとする唇に自分の唇をきつく押し付けてやる。
 一瞬驚いた目でこっちを見てくる悠に気付いたけど、離れるお前が悪いとばかりに睨み返してやった。
 ……のに、何でそんな嬉しそうな顔になってんの? 変な奴。
 まぁ意図が伝わったんならそれでいいか、と満足しかけて。
  
(む…っ??)
   
 全然ダメじゃん!
 口が落ち着いても、この体勢が全然なっちゃいねぇっ。
 何だこの生っちょろいくっつき方は!! 
 俺を舐めてんのか!
 
 上半身はしっかりくっついてるから、このままでも問題は無ぇ。
 
 あるのは下半身だ!
 
 何で下半身は太ももがちょっぴりくっついてるだけなんだよ。
 甘えんな! 全身触れさせろ、全身!!
 俺は身体全部で、お前の匂いに酔い痴れたいんだっつの!
 
 
 ──…これはダメだ。頂けねぇ!!
  
 
 隙間警備員として、これは厳重注意モンだ!
 つーか、何でそんなに及び腰になってんだよ?
 もっとこっちに来ればいいだろって思いながら、悠の足の間に『えいやっ』と自分の片足を割り込ませるという暴挙に出る。
 そのまま自分の足ごと悠の下半身を引き寄せながら、俺の股の間にしっかりと挟んでやった。
 
 うむ、完璧だ! おれ、満足!! 
 
 やりきった感を出しつつ、悠の片足を自分の両足で挟み込みながらスリスリする。
 あの西條って男は悠の匂いが『臭い』って騒いでいたけど、俺はこの匂いが大好きだ。
 匂いを擦り込むようにスリスリしていたら、突然荒々しい勢いでガシッと頭を掴まれた。
 何だ?と思う間もなく、舌を絡め取ってきたかと思うと、今度は口中深くまで舌を引っ張られてしまう。
 
「ンンゥ……っ!」
 
 付け根が引き攣るくらいに引っ張られて、目を瞠る。
 
 コイツ…っ。俺の舌を引っこ抜くつもりかよ!
 いっ、痛ぇっ! ストップ、ストップ!!
 もうそれ以上は伸びねぇってば!!
 
 限界まで引っ張る悠のせいで、唾液が溢れかえって口の端を汚す。
 一体、何なんだ!?
 目を白黒させながら、悠の猛攻に抵抗する。
 キスに夢中になるにしたって、これは激しすぎだろっ。
 
 つか、さっきの蕩けるキスはどこ行ったんだよ!
 こんなん痛いだけだし、もうキスなんて呼べねーだろっ。
 ただ苦しいだけだっての…っ!
 
 
 押し退けるような勢いでぷはっと息を吐き出しながら、唇を離す。
 すぐに離してくれたから助かったけど、危うく悠に殺される所だった。
 
 
 俺あぶねぇ…っ!!!
 
 
 空気を求めて、ぜぇぜぇ、はぁはぁと息継ぎを繰り返しながら、口の端を拭う。
 けど、離れた唇から急速に熱が奪われていくのに気づいた途端、わけの分からない寂しさに駆られた。
 
 さっきまであんなに熱かったのに…。
 
 
「ゆう……」

  
 思わず物欲しそうな目で悠を呼んでしまった。
 情緒不安定かよ、俺。
 むしろ死にかけたってのに、また味わいたいと思わせる悠の口がすげーのか?
 
 荒い息を吐き出しながら俺を見つめる悠の唇に、そっと指で触れてみた。
 キスの名残で朱く濡れているのが、またすげー婀娜っぽい。
 男に使う言葉じゃねーんだろうけど、ほんとそんな言葉が似合うくらい、今の悠は艶かしくて……困る。
 痛みと苦しさで吹き飛んでいた熱が、またぶり返してきたみたいに身体が熱くなってきた。
 
(まさか俺……ちょっと欲情してる?)
 
 悠相手にそれはあまりにも危険な感覚だって分かっていても、唇をなぞる手が止められない。
 魅入られたように唇を見つめる俺を見た悠が、唇で挟むように指を食んでくる。
 そのまま『おいで』というように、指先を軽く舐めてくるから、気付けば人差し指を咥内に潜り込ませていた。
 
 
(うわっ、あったけぇ……)
 
 
 そのまま指を進めていくと、すぐにクチュッとした音と共に、濡れた感触にぶつかる。
 
 
(すげぇ…! 
 俺いま、悠の口の中に突っ込んでる!!)
 
 
 指を咥えさせるって行為に、ドキドキしてきた。
 まるで悠を組み敷いているみたいだ。
 ちょっと優位な立場になったみたいで、大変心地良いです悠さん。
 
 ──まぁ、ちんこを咥えさせたことがある俺が何言ってんだって感じだけどな。
 けど、あれはまた別なんだよ。
 
『俺が』咥えさせたって言うより、むしろ『悠に』翻弄されたって方が強かったし。
 
 あれもなぁ…。ギリギリ耐えきったけど、あとちょっとでも刺激されてたら、うっかり口ん中に暴発していたぞ。ほんと危ねぇ。
 
 思い出したら、ちょっとコイツに対して意地悪な気分になってきた。
 もう一本指を追加しとくか、と黒い事を考えていたタイミングで、潜ませていた指の付け根を軽く噛まれてビクッとなる。
 思考が読まれたか?と視線を上げると、目元を赤くさせた悠と目が合った。 
 
 うわ…っ。
 
 熱っぽく潤んだ瞳で見つめてくる、悠の破壊力が凄まじい…!
   
(今日の悠は、色気が飽和状態しすぎだろ!?)
   
 トロトロに蕩けていたり、ギラギラした目で見つめてきたり、目元を潤ませていたり…。
 ほんとタチが悪いってもんじゃねぇな。
 
 思わず引っ込めようとした手を逆に掴まれて、わざと見せつけるように舌でぬるりと指を舐められた。
 
「ひぁ…っ」
 
 やばい、なんかちょっと変な声が出た。
 ビックリしたんだから仕方ねーだろ。
 想像以上に舌が柔らかかったんだって!!
 
 挟まれた指の隙間からチラチラと覗く赤い舌も、なんだか扇状的に見えて頬が熱くなってくる。
 何か俺、おかしいかも。
 指を舐められてるだけなのに、すげー興奮してる。
 抑えようと思っても、弾んだ息がなかなか元に戻らねぇ。
 
 落ち着けるようにコクンと唾を飲み込むと──
 
 んん? 
 
 何か悠ってば笑ってねぇ? 
 微かに口元が笑ってるように見えるんだけど。
 何だか急に興奮している自分が、恥ずかしくなってきた。
 照れ隠しの意味も込めて、少し乱暴に咥内を掻き混ぜてやる。
 
(ふんっ。涙目になりながら、苦しむがよい!)
 
 分はこちらにあるのだ。
 口内を犯しているのは誰の指だと思ってるんだ、ん?と意地の悪いことを思いつつ、舌の裏側を指で触っていたら、悠が突然反撃するように指に吸いついてきた。
 
「………ッ!!」
 
 ジュッと響く卑猥な音に、むしろ俺の方がビビる。
 そんな俺の反応を楽しむように、指を口中からゆっくりと抜き出すように俺に見せつけつつ、抜き終わる手前でまた深く咥えこんでくる。
 
「うぅう……」
 
 もうやだ、なにこれっ。
 指を使ったフェラでもしてんの?!
 なんつーやらしい動きだよ!!
 
 
(さすがエロ王子……!!)
 
 
 舐められてもいない下半身まで、ズキズキと痛くなってきたじゃん。
 くぅうっ。
 今舐められてんのは指だっつーのは分かってんのに、それでもチンコが反応しそうになるのは俺が童貞のせいか?
 この視覚効果は童貞にはキツイっつーの!!
  
 鼻息が荒くなるのを必死に押さえながら、舐られたままの指を慌てて口の中から引き抜く。
 
 鬼! サディスト!!
 
 ちょっとくらい調子に乗ったっていいじゃん。
 どうせエロさではお前に勝てねーよ!
 だからエロをエロで返してくんなって。
 童貞の心が傷つくじゃねーか。
 だからほんと、もう勘弁して……!
 
 モジッと腰を引く俺を見て、悠がふふっと笑う。
 
「アキは可愛いな」
「は? あっ、ちょ…っ?」
 
 胸に顔を寄せてきたかと思うと、悠がチュッと音を立てながら、大平原にある小さな突起にしゃぶりついてきた。
 
 待て待て。
 
 キスは許したけど、ここまでは許してねぇぞ。
 文句を言いたくても、ジン…と痺れる甘い感覚を耐えるのに、今の俺はいっぱいいっぱいでどうしようもねぇ。
 
 
「~~──ッッ!」
 
 
 くそっ。自分で触るより、数倍気持ちいい。 
 何とか快感を逃そうと、身じろぎながらイヤイヤしていたら、悠の腕が拘束するように強く抱きすくめてくる。
 そのままベッドに押さえつるように、体重をかけられてしまった。
 くそっと思うのに、舌でやわやわと乳首の先端を突かれるように舐められるだけで、腰がビクリと跳ねる。
 せめて声は出してやるもんか!と、唇をしっかり噛み締めながら刺激に耐えていたっていうのに、それが悠には面白くなかったらしい。
 先端を舌で絡めるようにキツく吸い上げられたせいで、堪らずに声を上げてしまった。
  
「…っひ! んんン……ッ」
 
 腰に溜まるような刺激に、思わず悠の髪の毛を掻き乱しながら縋り付く。
 
 あ、あ、あ…!
 乳首がジンジンする~~──ッ!!
 
 やるせない感覚に、挟んでいた悠の足をギュッと締め付けながら、股間と乳首の刺激に耐える。
 
 くっそ、くっそ、くっそぉお!!
 
 ここはあんまり触ってほしくねぇって本気で思ってんのに、一度触られるともっと舐めてほしいって思っちまう。
 快感に流されやすい自分の身体が本当に嫌だ。
 
 こんな乳首なんか、もげちまえ!!!
 
  
「ぁ…、んっ、んっ。も…止めろって、ば! ゆうぅ…っ」
 
 頼むから口を離せ!!
 
「んっ、先っぽ、膨れてきた…。きもちい?」
 
 聞きながら、ぐねぐねと舌先で乳首を捏ね回される。
 
「可愛いね、アキのここ・・
  
 …っ! この野郎…ッ!!
 
 
(乳首のそばで、喋ってんじゃねーよ!)
 
 
 熱い吐息が乳首に触れるだけでも、快感で肌が粟立っちう。
 
 
 ………ダメだ!
 ほんと気持ちよくて困る!!
 気づいたら自ら進んで、悠に胸を突き出すような形になってるし…!!
 
 
 はぁ、もうっ! ちんこ擦りたい!
 悠のアホッ。
 走り出したクララは、途中で止まれねぇんだぞ!!
 
 
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