イケメンがご乱心すぎてついていけません!

アキトワ(まなせ)

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59.怖かったんだよ──…

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 お前の顔と存在が、この中で一番怖ぇからなっ!!
 
 
 悠の『おまいう発言』に思わず脳内ツッコミを入れてしまったけど、実際には産毛が逆立つような怒気を前に、身体がカタカタと震えっぱなしだ。
 
 マッチョを見据える悠の瞳は、薄暗い室中でも爛々と光って見えるほどの、強い殺意に彩られている。
 まさか殺しちゃったりしないよな?と思いたいけど……。
 今の悠からは、その『まさか』が起こってもおかしくない程の、剣呑な雰囲気が放たれていた。
  
(それにこの圧迫感も……何なんだよ!)
 
 マッチョじゃねーけど、嫌な汗がひっきりなしに首筋を伝って背中に流れ落ちているけど、拭う余裕さえない。
 圧倒的な力で、無理やり頭を押さえつけられてるみてぇ。
 伸し掛かる空気の重たさに、どんどん膝が下がっていく。
 
 
(これが悠の……αの力なのか?)
 
 
 初めて本当の意味で、悠が『怖い』と思った。
 同じ人間とは思えねぇ。
 これが支配者って言われる『純血種』なんだって、初めて自覚する。
 
 
 今まで悠がフェロモンをぶつけてくる事は何度かあったけど、ほとんどが官能を刺激してくるだけのモノだったし、αなら大なり小なりみんな持っているものだって思っていたけど。
 
 だけど、これは違う。 
 こんな暴力的な圧力、他のαもどきからは感じた事がねぇ。
 
 頭から飲み込まれるような恐怖を感じて思わずフラッと後ろに下るけど、すぐにマッチョの身体にぶつかってしまう。
 そのマッチョも俺以上に恐怖を感じているのか。うわ言のようにずっと、
「た…助け……たすけ……」と引き攣った声で哀願を繰り返している。
 それでも、掴まれたままの腕の締め付けが緩む様子はない。
 ギチギチと嫌な音を立てながら、悠の指がめり込んでいく様子を目の前で見せられながら、ただただ震えることしか出来ねぇ。
 
「おへは…ただ頼まれたりゃけれ……!」 
「それで? 頼まれてアキに何をするつもりだったんだ?」 
「ヒ……ッ!!」
 
 とうとう恐怖と痛みに耐えられなくなったのか。
 後ろからチョロロ…という音と共に、独特のアンモニア臭が鼻をついてくる。
 
「…………っ!!」 
 
 マジか……。
 いやそれよりも、これ以上はマジでやばいって。
 悠が怖いとか言ってる場合じゃねぇよ。
 このままだと本当にマッチョがリンゴみたいになっちまう!
 くそっ、こんな時にヘタレてんな俺!! 
 家から死人なんか出してたまるかよ!
 ここは姉ちゃんと俺の大事な城だぞ!
 
 
「ゆ、悠っ!! もういいっ、もういいから離してやれ!」
「…………」
 
 
 叫びながら悠を見上げる。
 目があった悠は、一瞬だけ咎めるような視線を俺に向けてきたけど、必死の思いで止めるようにと目で訴えていたら、ため息と共にマッチョの手をゆっくりと離してくれた。
 それと共に身体に伸し掛かっていた威圧感も、フッと霧散したおかげで一気に力が抜ける。
 
 
(ビ、ビビったぁあ…! けど、何とか助けられたかも)
 
 脱力感に、ハーッと長いため息が漏れた。
 マッチョの失禁が止められなかったのは残念だけど、すでに出ちまったもんはしょうがねぇ。
 血を見なくて済んだだけ、マシだと思っとこ。
 
 つか、スプラッタは苦手なんだよ。
 レイプされそうになった時は『死ねよこの豚』って思ったりもしたけど、だからって血祭りにあげられる豚の姿が見たいわけでもない。
 どうしてもするってんなら、せめて俺がいない所でやってくれよ。
 こんな特等席での観賞なんか、誰も頼んでねーって!
 
 
 ……はぁ。
 何かもう、ドッと疲れたんだけど。
 もう手出しはしないって向こうは言ってんだし、さっさと帰ってもらおうぜ。
 むしろお前のせいで軽く腰が抜けたっつーの。バカ悠め。
 落ち着いたらお説教だからな。
 
 とりあえず今日はもう、このまま寝てしまいたい。本気で疲れた。
 そういや背後にいたマッチョの気配が無くなってるなと気づいて振り返ると、「西條さん…っ、助けてくれ!」と情けない声をあげながら、床を這うようにして玄関に向かっている。
 それを追うように床が濡れてるのって──うわっ! 
 マッチョのショロロが、床を伝って俺の足元まで広がって来てるじゃん。
 
 ぎゃ──っ、汚ねぇ!!
 
 慌てて飛びすさろうとして、足がもつれる。
 
「あっ!!」
 
(しまった…! まだ足に力が入んなかったんだ!)
 
 咄嗟に目の前の悠の服を掴んじまって、やべってなる。
 悠が怒ったままなら、気安く触んなって思うかも。
 
 つーか…この手どうしよ。
 すげー気まずい。
 
 ──…さっき、思いきり怒鳴っちまったし
 助けに入った悠からしたら『何だコイツ』って思うよな。
 あー、ほんと最悪だわ俺。
 礼を言うどころか、マッチョなんかを庇うヘタレっぷりに呆れられてるかも。
 助けがいのねぇ、ヘタレ野郎でごめん悠。
 俺も自分の情けなさに、正直ビックリしてる。
 
 とりあえず、掴み皺が出来た所をチョイチョイっと指で撫でて誤魔化していたら、離れる前に悠が強く胸に抱き込んできた。
 思わずビックリして、また悠の服を握ってしまう。
 
 
(あ、悠の匂い……)
 
 
 惹かれるように悠の首元に鼻を擦り寄せると、いつもの悠の匂いが香ってくる。
 その匂いを嗅いでいたら、じわりと胸が熱くなってきた。
 
 やばい。今更ながら、自分がすげー無理をしていたんだって実感する。
 悠を守んなきゃって必死だったから、一人でコイツらとも対峙していたけど……。
 でもやっぱ、一人はすげー怖かったんだって。
 俺ケンカなんて、ほとんどしたことがないんだぞ。
 なのにこんなデカイ大人に挟まれて、レイプするっていきなり言われてさ、怖くないわけねーじゃん
 それでも悠だけは守んなきゃって、必死で踏んばっていたんだからな。
 
 
 もう虚勢を張る必要はないって思ったら、何だか無性に泣き出したくなった。
 
「俺、すげー頑張ったよ悠」
「……そうだな。無茶しすぎだ」
「うん……っ」
 
 泣く代わりに、悠の背中に回した腕で、ぎゅうぅっと抱きつく。
 さっきまでは恐ろしいと感じていた悠だけど、今はこの腕の中がめちゃくちゃ安心する。
 絶対的に守られているっていう安心感が、悠の腕からは感じられた。
 鼻を押し付けながらスンスンすると、慣れた匂いが香ってきて肩の力が抜けてくる。
 
(うん。今くらいは甘えたっていいよな)
 
 俺、頑張ったし。
 うっとりと目を閉じかけた所で。
 
 
 
「……えっらい過激なフェロモン飛ばしてくるじゃねーか。お前……純血種だろ?」
 
 空気を読まない西條の掠れた声音に、慌てて悠の首から顔を上げる。
 
(まだ家に居たのかよ)
 
 悠に抱きつきながら、うんざりした顔で玄関に目を向けると、膝に手をつきながら大粒の汗を流したままの西條が、こっちを見ていた。
 そのそばに立っていた他のマッチョはどうした?と思って視線を下げると、床に手を付いて慄えながら腰を抜かしている。
 
(そら仲間のあんな姿を見せられたら、次は自分の番じゃねーかと思ってビビるよな)
 
 漏らさなかっただけ、お前たちはよく頑張ったと思うぞ。
 その中で西條だけが青白い顔になりながらも、好戦的に悠を見つめている
 
「…………」
 
 そんな西條の問に対して、悠は冷ややかな視線を送るだけで何も答えない。
 
 
「まぁ、純血種で間違いねーよな。そんなおっそろしく整った顔立ちに、普通のαじゃ出せねーようなフェロモンまで飛ばしてくんだ。久々に肝が冷えたぞ」
「ならこれ以上怖い思いをする前に、さっさとこの場から立ち去ったらどうだ」
 
 悠の言葉に西條が「へぇ…」と片頬で笑う。
 
「それはこのまま見逃してくれるって事か? 番に手を出されたαにしては、お優しい事だな」
「アキがそれを望んでいるし、オレがここで・・・・・・見逃しても問題はないからな」
 
 それを聞いた途端、西條が苦虫を噛み潰したような顔になった。
 今の会話で、そんな顔になるところなんてあったか?
 
「チッ。やっぱそういう事か。……まぁあんたを相手にするより、全然マシって気にはなってるぜ。しっかし、クソッ! 純血種が関わってる仕事をこっちによこしやがって。次に会った時は、死ぬより怖い目に合わせてやる!」
 
 額の汗を拭きつつ西條がそう唸ると、近くに座り込んでいるマッチョ達をすごい形相で振り返り、容赦なく腹部を蹴りだした。
 
「グブゥ!!」
「ゲハッ」
 
 と、苦しそうに声を上げるマッチョ達。
 うわ…見てるだけでも痛ぇ。
 
 確かそのマッチョ達。デリヘルの商品って言ってなかったっけ?
 分厚い筋肉のおかげで骨折はないにしても、痣くらいにはなってるんじゃねぇの?
 大丈夫かそれ。
 
 レイプされそうになった奴等だとはいえ、目の前で蹴られる姿はなるべく見たくねぇ。
 でもこの様子だと、本当に大人しく引き上げてくれるみたいだ。
 
 
「おら、お前ぇらもとっとと帰んぞ!」
 
 西條が足で追い立てるようにしながら、震えるマッチョと共に玄関から去って行く。
 
「アキ、ちょっとそこで待ってて」
 
 言われて『へ?』と悠を見ると、素早くドアの鍵とチェーンをかけに向かっている。
 さすが有言実行の男。
 同じ轍を踏まないところが流石だ。
 カチャンと閉まる音と共に、再び室内に静寂が戻ると、やっと嵐のような出来事が終わったんだって実感が湧いてきた。
 結局警察は間に合わなかったけど、俺と悠が無事ならそれでいい。
 結果オーライだ。
 
 悠が我慢出来ずに出てきてしまった事も、今回だけは不問にしてやってもいいかな。
 おかげで都合よくΩだと勘違いしてもらえたし。
 そもそも発情フェロモンをぶっかけられてた事も、ラッキーに繋がってたんだけど。
 おかげで俺からΩの匂いが全くしないってことにも、西條は最後まで気づかないくらい強烈だったみたいだ。
 
 ……まぁ、ほんのりΩが混ざってるから、全くの嘘でもねーのか。
 
 でもヤクザでも手を引くなんて、どんだけなんだよ『Ω』って。
 希少種だとは聞いているけど、国が介入してくるって相当にヤバいだろ。
 
 
 あー、やだやだ。
 絶対そんな面倒なもんになんて、なりたくない!
 
 
 今回は悠のポカミスもあっただろうけど、連中のあの感じを見るに、多分鍵が開いてなくても無理やり何かの手段で入って来たんだろうなって気がする。
 そう考えるとこの場に悠が居て本当に良かった。もしも1人だったら今頃俺の身体は……と想像して、ブルリと身体に震えが走った。
 
 
 うー、怖っ、怖ぁあっ!
 
 
「アキ? ……大丈夫か?」
 
 鍵を掛け終わって戻ってきた悠が、心配そうに声をかけてくる。
 強ばる俺の頬に気付くと、安心させるように親指と人差し指を使って、優しく解すようにマッサージしてくれた。
 
 ははっ。気持ちーな、それ。
 
 頬を緩めると、悠も安心したように指を離し、そのままギュッとまた抱きしめられる。 
 
「一人でずっと怖かっただろう。ごめん、アキ。様子を窺ってはいたんだが、色々な所に電話をかけていたせいで助けに入るのが遅れた」
「何でお前が謝ってんだよ。ちゃんと連絡してくれたんならそれでいいよ。まぁ警察は間に合わなかったけど、お前のおかげで何とかなったし」
 
 そう言って悠の奮闘を誉めたつもりなんだけど、悠は曖昧に笑うだけだ。
 もしかして勝手に部屋から出てきたことについて、怒られると思ってる?
 
「ただ部屋から出るなって言ったのに、出てきちゃったのにはビックリしたけど、結局はお前に助けられたし。まぁ登場の仕方に問題があり過ぎてチビリそうになったけどさ。
 ほんと下手なホラー映画より、怖すぎだったからなお前。他にも色々言いたいことはまだあるけど、今日はもういいや。それよか助けに来てくれてありがとな、悠」
「……いや、鍵を閉め忘れたオレが悪い。この責任はちゃんと取るから」
「だからそんな必要ねぇって言ってんだろ。ちゃんと助けにも来てくれたじゃん」
 
 どっちみち今回は、鍵がかかっていても押し入られてた可能性が高いし。
 それよりも問題があるとすれば。
 
 ──うぅ…。
 恥ずかしいけどちゃんと頼むしかねぇよな。
 
 
「……なぁ、悪いと思うんならさ…今日はウチに泊まってってくんねぇ? こんな事件の後だと、やっぱ1人って心細くなるし……」
 
 
 多分もう西條達が戻ってくることはないだろうけど、レイプ一歩手前だった恐怖が記憶として残っている。
 悠には悪いけど、今日は抱き枕代わりにそばにいてもらいたい。
 悠の匂いが傍にあると、魘されずに眠れる気がするんだよ。
 キュッと服の袖を引っ張りながら言ってみたものの、やっぱちょっと照れくさい。
 
 て言うか『遅いから泊まれば?』って言うだけで良かった。
 心細いって、なんか子供みてぇ。
 自分の言葉のチョイスに恥ずかしくなって、赤みを増した頬を隠すように俯けながら慌てて話題を変える。
 
 
「あっ、なぁ悠。落ち着いたついでに、何か温かいもんとか飲みたくならねぇ? 俺、ちょっと準備し……おわぁあああああ!」
 
 全部言い終わる前に、俺の口から悲鳴が漏れる。
 台所に向かいかける俺の両脇に手を差し込んできたかと思うと、そのまま俵を担ぐようにヒョイと肩に乗せられてしまったのだ。
 
 は? 突然どうしたっ! 
 つか、もう足の震えは止まってるから、一人で歩けるっつの!
 つかなんで無言なの?
 お前の無言って、すげー怖いんだって!
 
 
 ずかずか大股で歩く悠が怖くなって、とりあえず落とされないように、悠の服をぎゅっと掴む。
 何が何だか分かんねーけど、とりあえず舌を噛まないように大人しく黙っとこ。
 長身の悠が身を屈めるようにしてドアを潜り、そのままベッドに直行される。
 怒ってんのか?と思ったけど、肩から下ろす仕草はすげー優しい。
 丁寧な手付きでベッドに横たえられて、思わずキョトンとする。
 いや、飲み物は?とすぐに起き上がろうとしたけど、それよりも先に悠が俺の上に伸し掛かってきた。
 
 
(待て待て。なんかこのパターン……見覚えがあるな)
 
  
 何となく見上げる悠から『大人しく抱き枕にはならないぞ』という雰囲気がビシビシと伝わってくる。
 いや……ごめん。
 さっきの続きがしたかったわけじゃなく、安心感を求めていただけだったんだけど。
 
「えーと、悠さん? 先に寝るなら寝てていいから。俺ちょっと喉も乾いたし、飲み物でも取りに行って来るな」
 
 その間に寝ててくれねーかな、という希望も込めて悠を押しのけようとしたけど。
 目敏くベッドの隅に転がっていたミネラルウォーターのペットボトルを見つけた悠は、すぐに手を伸ばすと俺に渡してくる。
 
 
 ……あ、そういや飲みかけのがあったね。
 くそぅ!
 
 
「さて消毒を始めようか、アキ」
 
 
 
 
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