イケメンがご乱心すぎてついていけません!

アキトワ(まなせ)

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26.聞きに行きました

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 授業に集中しなきゃ、と思ったけど……。
 やっぱ無理!
 
 俺のバース内に入っていた『Ω』の文字が気になりすぎて、上手く気持ちの切り替えが出来ねぇ。 
 悠が俺の項から、いい匂いがしたって言っていたけど、あれもこの『Ω値』が関係してるんだろうか?


 ───いや…。
 それ以前に悠が俺の匂いを嗅いだ時には、Ωの匂いとは違うって言ってたじゃん。

 あー、もうっ!
 何を信じればいいのかが、全然分かんねぇよ!

 ただあの時から、何かしらの匂いを撒き散らしてたってことは、間違いないのかも。
 その匂いがだんだんと、Ωの匂いに近づいていってるって事なのか?



 俺の身体が……? 



 ゾワッっと身体に悪寒が走った。 

(ダメだ!気になって授業どころじゃねぇ…!)


 4時間目が始まる前にとうとう我慢が出来なくなった俺は、鞄を掴んで隣の悠に「早退する」と伝えた。 
  
「どうした? 具合が悪いなら、オレもついて行こうか?」 
「1人で大丈夫だって。むしろお前は極力教室から出るんじゃねーよ。騒ぎになるぞ」 
  
 心配する悠に俺は苦笑してしまう。
 悠と一緒に歩いてみろ。絶対他のクラスの女子も、悠に釣られて背後霊のように一緒についてくるに決まってんじゃん。
 悠もすぐに想像がついたのか、形のいい柳眉を顰めている。
 な? 絶対ついてくるに決まってるだろ。  
  
「じゃあ俺、保健室に寄ってから帰る。また明日な」 
「……あぁ、お大事に」 

 なるべく明るい口調で悠にそう言うと、教室を飛び出した。

  
 とりあえず分からない事があれば、担任も幸子先生に聞けと言っていた。
   幸子先生なら俺よりも、バースについて詳しいに違いない。
 なら俺の、このよく分からない状態についても、何か教えてもらえるかもしれねぇ。 
 そう思った俺は、真っ直ぐ保健室へと向かうことにした。 
  
  
  
  
 



 ◆◆◆



  
  

「失礼しまーす」 
  
 一声かけてから、保健室のドアを開けて中に入る。
 室内を軽く見渡してみたけど、他に生徒はいないっぽい。 
 俺の声に気づいた幸子先生が、すぐに近づいてきてくれた。 
  
「あら、三由君じゃない。まだ身体の調子が悪いの?」 
「あ、もう体調の方は全然大丈夫。今日は違う用事で来ただけだし」 
「体調じゃないってことは、どこか怪我でもしたのかしら?」 
「あー…、うん。その……」 
  
 いざ先生を前にすると、なかなかバースのことが切り出しにくい。
 途中で口を噤んでしまった。 
 俺の中に少ないとはいえ、女みたいな性の『Ω』がいるのかと思うと、なんとなく気持ちが悪いってのもあるし……それに、恥ずかしい。 
 口を噤んだまま視線を俯かせていると、幸子先生は首を傾げながら。
  
「言いにくい事なのかしら? よし。ちょっと待っていてね」 
「え? はい」 
  
 俺をその場に待機させると、幸子先生は壁沿いに置かれたキャビネットに向かって、パタパタと小走りで近寄って行った。 

 ……なんだ?  

 不思議に思ってそのまま見ていると、キャビネットの中からカップを2つ取り出している。 
 あ、こっちを振り返ってきた。 
  
「三由くん、コーヒー飲める?インスタントだけど。それとも紅茶の方がいい?」 
「あ、コーヒーで大丈夫ッス」 
  
 よく分かんないけど、飲み物を入れてくれるみたいだ。 
 ついでに砂糖の有無も聞かれたので、入れてもらえるようにお願いした。 

  
「はい、どうぞ」 
「あざっす!」 
  
 幸子先生から温かいカップを手渡された。
 授業をサボっているのに、飲み物なんて出してくれるんだな。 

  
「そこの椅子に座っているといいわ。私は途中にしていた仕事に戻るから、話したくなったらいつでも声をかけてね」 
  
 そう言って穏やかに笑いながら、自分の席に戻ろうとする幸子先生を、慌てて引き止めた。 
 気を使ってもらうために、ここに来たわけじゃねーのに。
 恥ずかしがるな、俺! 

  
「待って先生っ。俺、バース検査で聞きたい事があって来たんだよ!」 
「バース検査?」 
  
 幸子先生がキョトンとした顔で俺を見てくる。
 俺の表情を見た幸子先生は一つ頷くと、保険室の隅にあるドアの前まで、俺を案内してくれた。 
  
  
  
「どうぞ、少し狭い部屋なんだけど、ここなら気兼ねなく話せるでしょう?」 
「はぁ……。保健室にこんな小部屋なんかがあったんスね」 
  
 連れてこられた部屋は4畳くらいの部屋に、ベッドとパイプ椅子があるだけという、至ってシンプルな部屋だった。 
 幸子先生は壁に立て掛けられていたパイプ椅子を2つ持ってくると、そこに座るように勧めてくれる。 
 落ち着きなく周りを見渡す俺を見て、幸子先生がフフっと笑った。 
  
「ここはバース専用の部屋なのよ。どこの学校にもあるんだけど、滅多にΩの子が入学してくることなんてないから、ほとんど使われる事はないんだけどね。一応国の方針でΩの子が突然発情期に入っても匿えるようにって、こういう小部屋を用意させられているの。ウチだと今は羽鳥さん専用かしら。あとはアナタみたいにバースについて質問がある生徒のために使ったりね」 

「そうなんスね」 

  
 ──そっか。こういう部屋があるんだ。
 確かに発情期でフェロモン垂れ流し状態の時に、誰が入ってくるかわからない保健室でなんて、ゆっくり寝かせておけないもんな。 
 なんの変哲もない普通高かと思っていたけど、ちゃんとΩの生徒がいつ入学してもいいように、配慮されているんだな。

 ……今まで全く知ろうともしなかった。 

  
 俺は手の中のカップを見つめながら──決心を固めた。 
 鞄の中から今日渡されたばかりの封筒を取り出すと、先生の前に差し出す。 
  
「先生、これ。診断結果と再検査の紙なんだ。見てもらってもいい?」 
「……Ωの再検査書? えっ、…ちょっ、ちょっと待ってね。詳しく見たいから少し時間をもらえる?」 

  
 俺の診断結果と検査前に事前に書かされた問診票を、真剣な表情で読み比べる先生を待つ間、俺は落ち着かない気持ちで手に持っていたコーヒーに口をつけた。 
 舌に広がる甘みと香りに、少しだけ尖った神経が落ち着いてきた気がする。 
 俺がコーヒーを半分以上飲み終える頃、ようやく先生の視線が俺を見てきた。 
 しばらく用紙を見つめたまま考えこんでいたようだけど、先生なら何か分かったんだろうか? 
  
「ふぅー。ごめんね三由くん。待たせちゃったわね」 
「いえ、大丈夫ッス。あの、俺、バース結果が……」 
「Ωの数値のことでしょう? ──ねぇ、三由くんは何が知りたくて此処に来たの?」 
「俺……。Ωになっちゃうのかなって不安になって……」 
  
 ギュウッと膝に置いた拳を握ることで、不安に飲み込まれそうな気持ちを抑え込みながら、幸子先生にどうしても聞きたかった身体のことを質問してみる。


 聞く準備は出来たと思っていても、実際はまだ怖かった。 
 Ωの文字を見た時から、ずっと不安で怖いままだ。
 Ωに変わっていってるんじゃないかって。 
『男』としての俺が、どんどん失っていっちゃうんじゃないのかって……。 
 ただ、何もわからないまま怯え続けるのは、もっと怖いなって思う。
 自分の身体の事だからこそ、ちゃんと聞いておきたくなった。
   
 
「なぁ、先生。このまま行くと俺って、Ωになるの?」 
「三由くんは、Ωにはなりたくないのかしら?」 
「──…っ、当たり前じゃんっ。だってずっとβだったし! これからだって……」 
  
 ちゃんと聞くんだって覚悟は決めていたはずなのに、肯定も否定もしてくれない幸子先生の言葉に、どんどん不安になっていく。


(……やっぱり俺はΩになっちゃうのか?) 
  

 やだ! 何だよそれっ! 
 俺、女とだって、まだまともに付き合ったことがないんだぞ……っ! 
 結婚だって……いつか自分の力で稼げるようになったらって思ってたのにっ! 
  

 拳を固く握りしめながら、眉根を寄せて下を向く俺に、幸子先生は質問を変えてきた。 
 
「この問診票にチェックを入れた『髭が生えにくい』や『身体の不調を感じる』というのは? これはいつぐらいから感じていたの?」 
「それは、昨年の終わりぐらいから少しずつ……。なんなの先生。これってさ、やっぱ俺の身体がΩに近づいてるって事なの?  俺くらいの年齢ではよくある現象の一つ?」 
「……極稀にだけど、過去には数人いたというのは文献で読んだ記憶があるわ」 
 
 
 数人……。
 本当に少ない確率でしか、現れないんじゃねーか。
 なのに……、何で俺なんだよ……っ! 

  
「くっそ……! 昨年からって言うなら俺の身体に元々問題があったって事じゃん。俺、てっきり悠のせいかと思っていたのに!」 

 思わず感情に任せて吐いた言葉を、幸子先生が拾ってきた。
 
「悠? お友達?」 
「──あっ、……うん」


 しまった!と思ったけど。

 あー、もういいやっ、幸子先生には全部話しちゃえ。
 一人で抱えるには、許容量が越えすぎちゃっている。
 誰かに胸の内を聞いてもらいたくなった。

 
「俺のクラスにさ、純血種のαがいるんだよ。俺、ソイツとつるんでる事が多いから、もしかしてソイツが原因なんじゃないかって疑っていたんだけど……」

 ちょっと言い淀む。
 本当、身勝手な感情だよな。

「俺……最低な奴だからさ。全部原因をソイツのせいにしようとしていた」 

「三由くん……。誰かのせいにしたくなる気持ちも分かるわ。特にバースがその人にとって喜ばしいことではないなら、そう思えても仕方ないことよ?──それに多少はその子のフェロモンが引き金となって、Ωの数値が引き上がった可能性も否定出来ないことだと思うし。でもやっぱりそれも、元々『Ωになる因子』がなければ無理な話だと思う」 

「そう……ですよね」 
  
 俺が自嘲気味に笑うと、先生が優しく肩を撫でてくれる。 
  
「三由くんは嫌がるけど、Ωになるのもそう悪いものじゃないのよ?」 
「でも女みたいな体型になっていくんでしょう? そんなの……」 

「生まれた時からΩ性だと決まっている子は、男性体でも女性っぽい見た目になる傾向が強いわね。でもね変異性Ωはそこまで卑下するものでもないのよ? 通常のΩはその性質上、身体が弱かったり短命な者が多いけど、変異性は元がβな分、身体も丈夫だしそれほど元の体型と変わらないと聞いているわ」 

  
(βの時と変わらない? ほんとに?) 

  
 弾かれたように俺が顔を上げると、先生が優しく微笑みながら冗談めかすように話してくれる。
  
「それにね、Ωは国の支援制度があって、配偶者が決まるまでは毎月20万円のお金が支給されるの。日常生活に不安が出るΩだからね、生活支援もしっかりしているのよ。薬や病院費用も、もちろん全て国が負担してくれるわ。ね、なかなかお得でしょう?」 

「はは、Ωって思ってた以上に、国から大事にされてるんスね」 

「ふふ、そうね。……でもそのかわりに25歳までに配偶者を自分で決めないと、国から強制的に相性の良いαと結婚させられてしまうんだけれどね。そのための厚遇なのよ」 
  
 先生は少し沈んだ声で、最後の言葉を連ねてきたけど。

 ……そっか。そりゃそうだよな。
 
 なんの見返りもなしに、国がそこまでの援助をしてくれるわけがないもんな。
 きっと支援の一部は、αの偉い人達が肩代わりしているんだろうし。 
 

 でも毎月20万円の生活費か。 
 今の俺にはすごく魅力的な言葉かも。

  
 それだけあれば姉ちゃんにも、もっと楽な生活をさせてあげらるだろうし。
 ずっと俺が姉ちゃんの幸せの足枷になっていたのなら、その支援金で今まで分の恩を返せるのかもしれねぇ。
 最近姉ちゃんにも彼氏が出来たみたいだし、付き合うなら色々金だって必要になってくるだろう。
  
 色々考えこむ俺に雰囲気を変えようとしたのか、幸子先生が自分の手の平をパンっと打ち鳴らした。 
  
  
「──まぁ、色々言ったけれどね、今現在の三由くんは間違いなくβよ。そこにΩの数値がほんの少し混ざっているっていうだけ」 

「あ、うん……」 

「心配しなくても普通にβとしての日常を過ごしていれば、このΩの数値もこれ以上増える事はないと思うわ。結局は三由くんが、どっちの性になりたいかによって変わってくると思うのよ」 

「……俺の気持ち次第?」 

「ええ。心に身体も引っ張られやすいのよ。だから最終的には三由くんが好きにバースを選んでいいと思うの」 
  
 元気づけるように肩をポンポンと叩いてくれる。 


 そうなんだ。俺が選んでもいいんだ……。
 選ぶ自由が俺にも残されているのが分かったら、何だか気分が軽くなってきた。
 やっと先生にも笑顔を向けられる。 
  
「うん。そう聞いたら何か気が楽になったかも。ありがとう、先生」 
「ふふ、また何か不安になったらいつでもここに来るといいわ。あとはもう今日は授業って気分じゃないでしょうし、担任の先生には上手く伝えておくから、このまま帰宅するといいわ。親御さんとも色々話したいでしょうし」 
「ん。ありがと!本当はそのつもりで来てたんだ。じゃあ、お言葉に甘えてこのまま帰ります」 
「ふふふ。はい、気をつけて帰るのよ」 
  
 先生にカップを渡してから、鞄を抱えて保健室を出た。 
  
  
 色々不安なことはあるけど、今まで知ろうともしなかったΩの事を、色々聞けたのは良かったのかも。
 Ωがこんなにたくさんの支援を受けていたなんて、知らなかったし。

 俺のバースは……お金の事もあるし、俺だけで決めるわけにはいかないだろうな。 
 Ωになるのは嫌だけど、ちゃんと姉ちゃんに相談してからまた考えよう。 









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