人を愛したら魔女と呼ばれていた

トトヒ

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第2章

ハモネーという国「ハモネーの歴史と今」

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この国の人々は生まれながらに、潜力と呼ばれる能力を持っている。
主に運動機能に関わる能力であり、走るスピードやジャンプ力、そして腕力を強化することが可能である。
しかしその能力値には個人差があり、運動機能にほとんど変化が起こらない者も多い。
当然歴史上、能力値が高い者が低い者を支配するという構図であった。
一通りの支配が終われば次は内戦が勃発し、能力値が高い者同士の熾烈な争いが繰り広げられた。
全土を巻きこみ、多くの死人を出そうとも、生き残った能力値が高い者同士のどちらかが倒れるまで争いは続いた。
当時、能力値が高く争いの頂点に上りつめたサンドローザという者がこの不毛な争いを終わらせ、潜力を国の繁栄に使うことを広めていったと言われている。


国が団結した要因には、他国との争いという面もある。
ここハモネーは潜力という武器もあり、他国との戦争に勝利することは容易であった。
多少後ろ暗い歴史もあるが、現在のハモネーは世界一発展し平和な国と呼ばれている。


能力値が低かった者は当初差別の対象だったが、国の発展を経て力仕事以外での役割を得たことにより次第に人権を確立していった。
また、潜力が低い者は一定数いることや、遺伝などによる影響もないことが徐々に分かってきたことで、今では一つの個性として認識されている。


それでも、能力値が高く生まれてくることは誉れとされていた。
国内の安全を守るための警察機関には、やはり能力値が高くなければ就職はできない。
そしてハモネーが世界一平和な国であっても、完全に攻撃対象から外れたとは言えない。
多少の不穏分子の存在もあるため、外敵から国を守るための国家管理局が60年前に正式に設立されたのである。
表向きは命をかけて国を守る機関であるため、そこに配属された者は地位と名誉を得ることができる。
ハモネーの中ではトップクラスのエリートであり、給与も高い。
国家管理局は能力値がずば抜けて高くなければ入社試験すら受けることができない。
だが、能力値が低い者は高い者に守られているということもあるため、大きな不満となることもない。


こうしてハモネーは、完璧とも言える平和を維持してきた。
3年前までは……
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